SASUKE(サスケ)は、1997年9月27日からTBS系列で不定期に放送されているスポーツ・エンターテインメント特別番組です。
様々な関門(どれも非常に難関(‘;’))を突破しファイナルステージを制覇すると、SASUKE完全制覇者の称号が与えられるという内容です。
しかしそこには参加者のひたむきな努力が色濃く映し出され、また彼ら(彼女ら)を支える家族の存在にも触れたりで、参加者・観覧者、そして視聴者が感情を共有できる番組構成に仕上がっています。
TM鈴木も毎回楽しく観させてもらっていますが、ひとつ気になることが!それは参加する人達の身体・動きづくりの視点に関してです。
本稿ではSASUKE完全制覇に直結するからだを操るための動きづくりについて言及してみましょう。
今回ではなく次回・次々回以降で完全制覇を目指すために必要な動きのスキルをマスターできることを願って綴っています。
Contents
ずばり!SASUKE攻略の要素とは?
出典:https://goo.gl/xhiqnG
SASUKE完全制覇にはどんな要素が必要でしょう?
ずばり言いましょう!
性格(冷静さ)&クライミング&バレエ+αパルクール
こらがSASUKE攻略のカギになる素養ではないかと考えます。
冷静沈着に物事を遂行できる思考、クライミングの要素を有し、クラシックバレエの技量を備え、さらに言えばパルクールの身のこなしができる人。
トレーナー視点で観ればそうした能力を兼ね備えたマルチユースな運動能力がSASUKE攻略には最適な要素だと考えます。
ではひとつひとつ説明していきましょう。
クライマーの有利さ
SASUKE攻略にはロッククライミングの要素が特に大切だと考えるのはTM鈴木だけではないと思います。
なぜなら各ステージをクリアしていくに従って体力・運動能力が落ちていく後半に腕(手指)だけで身体を支えながら移動する要素(3rdステージ)、腕と脚を使ってロープを登る要素(Finalステージ)が待っているからです。
1st・2ndステージとも身体全体を使う要素が多いために問題とはなりませんが、それでも腕力・握力が使われてしまいます。
腕力や握力は比較的小さな筋肉に依存するため、ある程度の時間発揮し続けると、その回復には長い時間を必要とします。
第1・2ステージで腕を使い過ぎてしまうと、後半のステージにいくに従い手や腕で身体を宙ぶらりんにして支えながら移動する時には、既にいうことをきいてくれない身体になってしまうのです。
こうしたことからまず日常的に手指や腕を頻繁に使う環境に身体を適応させる能力、つまりロッククライミングの技能が一つの優位性と考えられるわけです。
さらに多くの時間岩場にへばりつき、手指や腕や脚(足)を使いながら落ちない対策を状況の変化に応じて立てられる知識・経験を持っていることも、大きなアドバンテージになるでしょう。
筋肉の持久力という点でみても、ロッククライミングの能力はSASUKE攻略の基本路線と考えて良いと思います。
さらなる優位性
「クライマー=上半身=登る」というイメージが成り立ちそうですが、決して上半身だけの能力で登っているわけではなく、下半身も含めた全身を使っているというのが正しい理解です。
そして優れたクライマーほど身体各部分の関節可動域が広く、筋肉の柔軟性に長けています。
垂直に切り立った崖を(例え命綱があるとはいえ)登っていくには、筋力(握力・腕力・脚力)だけでは到底太刀打ちできません。
股関節が前額面で360°開いたり回せるような動き、つまりスパイダーマンのように壁を這うような動きが必要となるわけです。
こうした動きの巧緻性(こうちせい)とでもいいましょうか、身体を上手に操る能力がSASUKEには絶対的に必要な要素なのです。
制作側の意図を汲めばわかる!?
強者(つわもの)どもを迎え撃つ制作側は意外!?というべきか、○○大学の○○先生監修といったようないわゆる体育関係の専門家が各障害物の設計にまで口を挟むことはないようです。
基本的には番組制作に関わる人達が障害物を考えてプロデューサーや総合演出の担当者と協議し最終的な形になります。
TV番組ですから視聴率獲得が最重要課題なわけで、その意味からすれば簡単にクリアできたり逆に誰もクリアできそうもない障害物ではまったく話になりません。
『なんとかクリアできる!(できそう!)』というギリギリの線でステージを作っていくことが腕の見せ所といってもいいでしょう。
さらに1よりは2、さらに3とステージが上がるごとに難しくなっていくようなコース設定が求められるため、開発・制作過程での知識や経験が絶対的に必要でしょう。
コース設計を担うプロクライマー
出典:https://goo.gl/hEp6e8
SASUKEには放送前の事前のシュミレーションがあるそうです。そして各エリアの障害物の難易度や危険性を判断し合格を出す!?ための参考意見を聞くためにシュミレーターが存在します。
シュミレーターは体育系大学の学生やSASUKE経験者がを中心に実際に障害物を試すとのことです。
中でもプロクライマーの清水広明氏や宮保雄一氏が最終的に本番当日の朝、挑戦者100人の前で実際にエリアのクリア方法等も含めて実演するそうです。
このようにプロクライマー達がコース設定にある程度関わっていることを考えても、SASUKE攻略の最も必要な素養がクライミングだと考えるのは妥当と言えるでしょう。
バレエの技量を備える
クラッシックバレエを本格的に経験した人はわかると思いますが、その動き・運動量たるやハンパありません。
バレリーナやその指導者へのコンディショニングを提供する際、従来のアスリートに提供する内容では、彼ら/彼女たちのあまりに優れた身体を操る能力が故に、内容を大幅に改善せざるを得なかった経緯があるほどです。
基本である3番ポジションからのプリエ、タンデュ、アラベスク等といった基本動作でさえ、身体を『自分の思い通りに扱う』という素養が求められ、それをマスターしない限りは次の段階に進めないのです。
常に骨盤の位置や体幹部の動きを意識せざるを得ないその独特の動きによって身体の中心(軸)を常に脳内のイメージとローカルを結びつけて動く能力が身につきます。
こうしたバレエ特有の動きは、SASUKEの様々な障害物の特性にみずからの身体や動きを合わせてクリアする際の大きなアドバンテージになると考えれそうです。
半年後、1年後のSASUKE出場に向けてこうした運動能力や、これからお話しする思考を身に付けたいと考える方、こちらまでお問合せください。
沈着冷静な遂行能力
体力に自信があるとか腕立て伏せや懸垂が100回できるといいう類の人達ではSASUKE完全制覇は難しいでしょう。
過去の完全制覇者を観るとその傾向がわかりますが、こうした腕っぷし自慢の人達ではありません。
唯一、秋山和彦(第4回大会制覇)さんがどちらかと言えばこのタイプ*1)ですが、その彼にしてもみずからの筋肉を全面に押し出すようなタイプの性格ではありません。
*1)元レスリング選手で3分間腕立て伏せのクイックマッスルという大会の記録保持者(307回)
長野誠さん(第7回)は仕事は荒々しい世界(漁師)ですが温厚で冷静に物事を分析する性格のようです。
また漆原裕治さん(第24・27回)、森本祐介さん(第31回)に至っては筋肉とはかけ離れた職業(前者は靴の営業マン、後者は大学理学部で後にシステムエンジニア)についています。
SASUKEの出場者はどちらかと言えばかなり熱くてガテン系の人達の『気合いだぁ~!』的な表情が目立ちます。
TV番組ですからそりゃあ、演出が大切なことはわかりますが、変に力が入り過ぎるきらいがあるようで、これでは筋肉の性質上良いパフォーマンスは発揮できません。
むしろ沈着冷静に淡々と物事に取り組む方が良い意味で力が抜けて筋肉はその能力を存分に発揮してくれるのです。
『気合いだぁ!』と言う前にみずからの内なる心に問いかけるような行為の方が冷静な精神状態で望め、しっかりと身体の全体の動きを把握しながら各ステージに望めるでしょう。
特殊!?な本能
あと、ちょっと突出したとでもいいましょうか、これも能力といっていいのかもしれませんが、付け加えておきます。
それは身体の各部分で扱うものの状況を感じれる能力とでもいうのでしょうか。
例えば足裏なら路面の凸凹具合や、掌(てのひら)なら触れるもののざらつきや滑り具合を感知する能力・・・。
ちょっと曖昧で申し訳ありませんが、そういうことです。
足裏や掌だけではなく、触れる・触る部分である皮膚等の圧や温度・湿度を感じとれたりする感覚が高い方が絶対的に有利だと考えます。
SASUKEはオリンピックや他のスポーツ種目と違って人と争うというよりは、丸太やロープ、縄、角材、プラスチック製の壁等に触れたり乗ったりする場面が多いのです。
そうした物体の特性を掌や足裏、さらには全身の皮膚で感じ取れるような敏感さがあるのとないのとでは大きな違いがでると思います。
いくら自宅に同じ材質で同じような形のセットを作ってクリアできたとしても本番で失敗してしまうのは、そうした要素が高まっていないからなのかもと個人的にはすごく感じます。
つまりモノを身体に合わせるのではなく、身体がそのモノや気候(気温・湿度)に合わせて反応してくれるようにしておかないとダメだということかもしれません。
パルクールの身のこなし
以前パルクール指導員の佐藤淳さんがSASUKEに参加され3rdステージまで進んでいましたが、このスポーツ!?の身のこなしはSASUKEにはとても有利に働くのではと思います。
パルクールの詳細は以下をご覧下さい。簡単に言えば身ひとつで様々な自然景観の障害を乗り越えていく動きです。
SASUKEに通ずるのは身のこなしの軽快さです。高さや距離の変化を計算し最も効率的な動きや身体の位置を瞬時に判断して着地や次の動作に繋げます。
障害物に対する事前の判断(計算)と実際に乗り越える際の動きの調整や着地での最適なバランスのとり方等はパルクールの動きがあるのとないのとでは雲泥の差になろうかと思います。
実際アメリカのパルクール競技者が出場しかなりいいところまでいきました(確か3rdステージだったか・・・)が、力尽きています。
現実的にはパルクールの素養だけでは対処しきれないのがSASUKEのステージでしょうが、この動きの素養は完全制覇に必須の要素であることはたしかでしょう。
まとめ:SASUKE完全制覇に必要な素養
以上、SASUKE完全制覇に必要な身体・精神的能力面での素養を取り上げていました。
こうしてみるとどちらかといえば筋肉バリバリ系やガテン体力モリモリ系より、少し視点を変えた体力要素が必要なことが考えられます。
その要素はメインとしてクライミングの能力が絶対的に必要で、さらにバレエの身体の使い方とイメージを体現でき、加えてパルクールの身のこなし術をマスターしていると良いでしょう。
思考としては常に沈着・冷静に物事を遂行できる能力を持ち、身体全体で障害物や気象条件を捉え感じられる能力を有していることです。
えっ!?、「そんな仙人みたいなヤツいるかっ!」て・・・、確かにそんな完璧な人は中々いませんね。
だからこそSASUKEは31回もやっていて完全制覇者が5人しか出ていないのかもしれません(^_^;)
さて、果して今回(第32回大会)のSASUKE、完全制覇の行方はどうなるでしょうか26(日)18:30~の放送を楽しみにしましょう!
愚だ愚だとのたまわっているにも関わらず、個人的にはそろそろガテン系の人に完全制覇を達成してほしい願望もあるTM鈴木でした(^_^;)
まあ、なんにしても参加者の皆さんが各々の目標を達成し悔いが残らず楽しい戦いを繰り広げて欲しいと切に願っています。
TM鈴木