先日、あるクライアントから『子どもの足を速くするにはどうしたらいいですか?運動会で1位をとりたいっていってるんですけど・・・』という質問がありました。
考えてみるとそろそろ春の運動会の季節ではありませんか!
世の多くの小中学生はこの時期、「やったーっ!私(俺)ってヒーローになれる!」という人もいれば、「あ~ぁ、走るの嫌だなぁ」っていう人もいるはず。
いつも下位に甘んじてしまう人や、ビリッけつを走る人達にとって運動会とはなんと残酷な行事なのかという想いもあり、そんな人達になんとか一矢を報いる術を説いておくこともTM鈴木の任務ではないかと思うのであります。
そんなわけで今回はアスレチックトレーナー直伝の運動会・体育祭のかけっこで1位をとるための激レアな、本邦初公開の【裏ワザ】を公開しちゃいます。
あなたもこれで運動会で走るのが楽しくなるかもしれないですね!(^^)!
Contents
走りを分析(分解)
走りを分解してみると大きく3つに分けられると思います。
1.スタート~中間疾走(15~30m)
2.中間疾走
3.中間疾走~ゴール
この3つの段階(各相)では走り方がかなり違います。
何も考えずに走ってしまうとやはりというか1位でゴールテープを切ることなどまったく適いません。
ここはやはり頭を使って頂きたいのです。
場合によってはこの3つの要素にコーナーワークが入ります。
コーナーがある場合、コーナリングワークを克服しない限りは勝てる確率は高まりません。
スタートは『ヨーイ』直後に一気に飛び出す
おそらくどこの学校でも『イチについて』の後、『ヨーイ』から『バン(「ドン」というピストルの合図)』というスタートの流れは変わらないはずです。
ある人が『ヨーイ』から『バン』というスタートまでの時間を測ったところだいたい1秒強という結果が出たそうです。
『ヨーイ』から『バン』という間に《はやめのひと呼吸》くらいの感覚です。
ここで《はやめのひと呼吸》ではなく《反呼吸》で飛び出しても誰も文句は言わないでしょう。
ズルをするというのではなく、あくまでピストルの合図である『バン』にドンピシャで合わせてスタートが切れることが大切なのです。
スタートがばっちり決まれば徒競走では9割方勝ったも同然です!
練習方法
お母さんかお父さんは是非、お子さんの練習パートナーを務めてあげましょう!
スタート練習では『イチについて』『よーい』『ドン』とパチンと手を叩いてもらいスタート練習をしましょう。
その際、『よーい』から『ドン(パチンと手を叩く)』までの時間の間隔を微妙に変えてあげてください。
例えば
①『よーい』・・・半呼吸・・・『ドン(パチン)』
②『よーい』・・・ゆっくりひと呼吸・・・『ドン(パチン)』
③『よーい』・・・ひと呼吸・・・『ドン(パチン)』
等です。色々なタイミングで『よーい』から『ドン(パチン)』を試すことでドンピシャ!でスタートがきれるようになります。
あくまでスタート練習なので5mくらい全力ダッシュで走ってみてください。
そしてこの時は是非、足元を見ながらダッシュする癖を付けてみることをおすすめします。
後々でこの「足元を見ながら走る』走りがレース後半絶対的優位に働きますので!
【スタートを制する者はレースを制する!】
です!(^^)!
中間疾走までは足元を見る
次に大切なのは中間疾走(二段ロケット再加速走)の段階です。
距離によって大分変ってきますが、100m競争なら30mまで、50m競争なら15mまでは足元を見ながら走る癖をつけましょう。
足元を見ながら走らないとレース前半で胸が反り顎が上がってきて身体を前に進められなくなってしまいます。
足元を見ながら加速していくと身体全体の前傾姿勢が程よく整って、後方への蹴りがしっかりとできるようになり、推進力を高めることができるのです。
本当は骨盤前傾を強めてと言いたいのですが、子供達にそんな“わけのわからん”ことを言っても難しいので、前半の走りでは足元を見る癖をつけておくといいですね!(^^)!
つま先に“眼”をつけて中間疾走
つま先にこんな感じで少し大きめの眼(め)をつけてあげましょう!
お子さん自身に画いてもらってそれをお子さんのシューズのつま先に貼り付けます。
あまりスイート!?な眼差しだと『ちゃんと俺のほうみてるのかっ!?」という感じになるので、少し厳しい眼にしてあげてください。
歌舞伎の隈取り(くまどり)とか、こんな感じのパッと見開いたようなちょっと怖そうな眼でもいいですね(^_^;)
つま先に貼った“眼”を見るようにリズムよく走ってください。
慣れてくれば足元の“眼”をググッと見開いて見続けながら素早く走れるようになります。
腿裏と臀部が推進力の要
子どもの走りだけでなくプロスプリンターにも通用することをひとつ申し上げましょう。
中間疾走で大切なことはスタートダッシュで得た加速をさらに増加させるということです。
その際に必要なことは腿裏(ハムストリング)と臀部の発揮能力を高めることなのです。
なぜなら人の身体の中で腿裏と臀部の筋肉が大きな加速を生む最も大切な部分なのですから。
画像の女の子は後脚が斜め後下方にグン!と伸びていますよね!
しっかりと加速ができるとハムストリングと臀筋群がしっかりと使われるので、上図のようなとても美しいフォームになります。
★★★とても良い走りの画像をお子さんに見せることも忘れないでください。中間疾走でのこうした脚の伸びをイメージさせるだけでお子さんの創造力を大いに搔き立てることができますよ!★★★
バネ(アキレス腱や膝蓋腱)を鍛えることも必要ですが、今回は複雑になるので割愛します。
こうした練習でもお子さんなら十分バネを鍛えられますのでね。
*尚、速い走りを身に付けたい、実際の練習方法をもっと知りたいという方はTM鈴木にご相談ください。お問合せはこちらまでお願いします。
後半はあえて力を抜きながら走る
中間疾走~ゴールはあえて力を抜いて走ります。特に肩~頸(くび)の力を抜くことがポイントです。
後半の疾走では走っているライバルたちが自分の視界に入ってきます。
人は周りに同じように走っている人達を見ると『もっと速く走らなきゃ!』ってことで焦ってしまい、余分な力が入ってしまうのです。
この“無駄ともいえる力”がスピードを減速させる大きな要因となります。
せっかくスタートダッシュを決めて中間疾走で「グイッ」と伸びる脚の使い方でトップを並走しているのに、最後の最後で力を入れ過ぎて負けてしまっては悔いが残りますよね。
なので最後はあえて肩周りの力をぬいて中間疾走のリズムを保ちながら走ることが速く走れる秘訣なのです。
後半疾走のイメージは「もっと速く走らなきゃ!」ではなく、『中間疾走のリズムを保って走る!』につきます。
『力を抜いて力を出す』なんだか禅問答みたいですが、競ったときにはあえて(特に肩周りの)力を抜いて走れれば絶対に勝てます!
力を抜いて走るための秘策
お母さん・お父さんはお子さんと並走してあげましょう。
まずは「1スタート」・「2中間疾走」をお子さんに走らせて、お母さん・お父さんは後半に差し掛かる場所に待機します。
お子さんが大人が待つその待機ポイントに来る前に走りはじめ「3ゴールまでの疾走」を一緒に並走します。
その時お子さんの視界には並走するお母さん・お父さんが入っているはずです。
最初は少しリードするようにちょっとだけ速く走ってあげたり、徐々に視界から消えていくようにスローダウンしてあげたりと変化をつけてください。
お子さんの視界に「入る・入らない」を繰り返えすことが肝心です。
視界に入って並走する人はできれば同じ背丈の人が理想なので、もしお姉ちゃんやお兄ちゃん等の兄弟姉妹がいれば一緒に走ってもらうほうが良いでしょう。
その練習を何度か繰り返すうちに我が子の中間疾走で得た加速力を維持して走る走り方が身に付きます。
その他
その他、「かけっこが速くなる・走力を高める」ために必要な要因を以下に記します。
グランドに合わせたシューズを選ぼう
シューズの良し悪しによって走りも大きく変わります。
運動会の徒競走ですから特別効果なシューズが必要というわけではありませんが、せめてグリップのあるシューズにはしてほしいところです。
【地面をかむ】力があればあるほどしっかりと前に進む推進力が高まるため、シューズの良し悪しでも走力は大きく変わります。
特に足先1/3くらいのグリップ力が必要なのでそれに合わせた形であらかじめシューズを選んでおくと良いでしょう。
そしてスタートでのクラウチングスタートの蹴り足も確認しておきましょう。
右利きの人なら右足(裏)で地面を蹴ることになります。
スターティングブロックまでつけて徒競走する学校はないので、右足で地面をしっかり蹴られる練習をしておくとよいでしょう。
親子のコミュニケーションを育む
こうした練習はお母さん・お父さん等、家族のサポートが欠かせません。
仕事で中々家にいられないお父さん(お母さん)が我が子と一緒に「あれやこれや」と話をしながら、こうした走りを洗練させる機会を経験することで親子共々相手を再発見できるはずです。
本当はこうした親子で育む時間の経験が走りの能力を高めるための大きな財産になるのです。
技術を高めることも大切ですがそれ以上に子供にとっては、お母さんやお父さんと一緒に「何かをする」という経験が大きな自信を育む糧となります。
その【自信】というメンタルが実際のレースでは大いに役に立つことを忘れないでくださいね。
まとめ
如何でしたか?
運動会・体育祭で速く走る、徒競走で1着になる方法をTM鈴木の視点から解説しました。
走りを分析し、各相(距離別)の走り方の特徴を知ることで対策は立てやすくなるはずです。
スタートでのドンピシャダッシュ、中間疾走での二段ロケット再加速走、後半での加速リズムを保った走りができれば勝利間違いなしです!
こうした自宅での練習を何度か繰り返すことで親子のコミュニケーション能力をさらに育む機会が高まり、お子さん精神的な安定が増して走りに良い影響を与えてくれます。
是非、今日から試してみてくださいね!(^^)!
TM鈴木