ジャンプ・前方推進力を高めるハムストリングのバネ性能に注目~【脱!常識】リズム・バックウォーク@傾斜面を登り下る~

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「ハムストリングのバネ性能を高める!」一見すると「何のこっちゃ???」という感じですが、例えばどんな能力や体の仕組みなのでしょうか。

ハムストリング(腿裏筋)は他の筋肉と共働的に働くことで跳躍力や走力にとって欠かすことのできない性能であり、その能力を引き出すことが競技パフォーマンスアップの秘訣です。

今回はスポーツ動作は元より日常生活にとっても欠かせないハムストリングの能力について検証し、その《バネ性能》を高めるエクササイズとして【リズム・バックウォーク】を紹介します。

最後までお読みいただければハムストリングを動かす感覚やその面白みが増し、運動能力アップの高まりと共に背面美(はいめんび)の探究にも目覚めるはずです!(^^)!

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【自重】を使ってハムの能力をアップ!

image1:

レッドラインは地面の傾斜角

イエローラインは骨盤傾斜角(イメージ)

ハムストリングは短・中・長距離走といった走る能力だけでなく、ジャンプを含めたスポーツ全般の動きにとって非常に重要となる筋肉です。

特に(筋が)伸ばされる状況においてはそれ以上伸びないために“耐え抜く”という能力(遠心性収縮:EcCentric Muscle Contraction ECMC)が重要で、それが反発力(弾性力)といった動きにも反映されていきます。

リズム・バックウォークの利点

スクワット・レッグカール等のウェイトや抵抗を用いたハムストリング強化も重要ですが、動きの中で筋肉の収縮特性を見極めながら高めていくことは実際の動作に大いに役立ちます。

ここでは一定のテンポを維持しながらハムストリングの遠心性収縮(伸ばされる状況でそれ以上伸びないように耐え抜く力)を高めるリズム・バックウォークを紹介します。

階段を上り下りする時、上りと下りではどちらが筋肉痛になりやすいかといえば、答えは下りる時、しかも腿の前が良く使われることで筋肉に疲労を含む痛みが発生します。

これは大腿四頭筋が階段を下りる時に体重やその勢いによって急激に伸ばされ(遠心性)、途中からその(伸ばされる)力に耐えている状態を維持するためです。

腿裏側のハムストリングにこうした引っ張りの力(EMC)を加えるためには、後ろ向きで傾斜(階段)を上り下り(特に下る時により大きな力が引き出せる)すると先述する大腿四頭筋の使われ方と同じ状況を再現できます。

実際の動きを映像でチェック

movie1:

リズム・バックウォーク(RBW)の実際

掲載した動画にてリズム・バックウォーク(RBW)の実際の動きを確認してみましょう!

以下に注意事項をあげています。

①20°弱程度の適当な傾斜がある芝生がベスト、なければ通常の階段を使用することで同じような環境設定が可能

②(機能的)骨盤前傾位でハムストリングがピ~ンと張る状態を引き出すため、坐骨を背中(頭上)にググッとあげる・近づける

③腕振り(アームスイング)は肘を直角に曲げ後方に大きく振り、前方はコンパクト(小さく)動かす

④走行中(歩行中)特に下りでは背中が弓なりになる姿勢を維持できるかが、ハムストリングに効かせるためのポイント

推進力やジャンプ動作中の姿勢維持に必要不可欠とされる大腰筋(腸腰筋)と並び称される程、ハムストリングは動きに爆発的は作用と安定性をもたらす筋肉です。

通常のウエイトや抵抗を使ったトレーニングだけでなく、実際の動きを伴うことで感ずるリアルな筋の働き具合を、あなた自身で確認できるリズム・バックウォーク、最高ですね!(^^)!

脚にある3つバネを効かせるコツ

image3:

超強力なバネ機構が働くところ

人の脚には3つのバネがあるといわれており、その部分が走りや跳躍動作に必要不可欠な反発力を生み出す性能を高めてくれます。

3つのバネ、誰でも知っているのは「アキレス腱」、そしてこちらはあまり知られていませんんが膝蓋腱、膝の下から脛骨粗面(そめん:膝下の骨の出っ張り部分)にかけて出ている部分です。

バネ特性を引き出すハムストリング

image4:

起始1と記載されている

ここがまさに筋腱移行部

他の2部位がアキレスとか膝蓋とか、〇○腱というのに対し、ハムストリングには○○腱という部分は存在しません。

しかし坐骨(結節)に付く部分も含めた筋端の筋腱移行部こそが、バネ性能に深く関わる部分でもあり、加えて外力によって伸ばされる力(張力)に耐えるというメインの役割があるため、伸ばされるとその力のまま縮みやすくなるという特性を有しています。

こうしたハムストリングの特徴を理解すれば、一度外からの力によって伸ばすことでさらにしっかり縮むという性能が高まることになり、リズム・バックウォーク(ラン)は正にこの筋の特性に即したトレーニング法です。

ストレッチで伸ばすにも意外に困難!?を伴うハムストリング、坂道を上る下ることで筋の伸び縮み感覚(もちろん骨盤前傾位:APTAが前提ですけど)が敏感になることも2次的効果と言えるでしょう。

伸張性収縮のメカニズム

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ハムの“バネ”は利用価値大!

特に傾斜地や階段の下りでは駆け下りる勢いと体重による荷重で股関節の屈曲動作(前方に曲げること)が半強制的に行われます。

股関節屈曲によってハムストリングはその勢いに対抗する形をとりながら一気に伸ばされますが、ある程度伸びたところで今度は脚の入れ替え(ステップバック動作により)が行われるため、それ以上の伸展はありません。

一定のリズムと一定の張力変化という2つの筋へ“刺激”が左右交互に起こるため、伸ばされることによるケガのリスクも極端に少なく、しかもハムへの効果的な伸縮動作として非常に有効な手段と言えるでしょう。

長い距離を上がる下るというのではなく、むしろ10m程度の距離をテンポよく5~6セット程こなせる密度で十分な効果が得られるはずです。

室内の決まったトレーニングだけでなく地形を利用し、自重を感じるトレーニングは体感覚を磨くのにもうってつけの手段として今後さらに検討されるべきでしょう!(^^)!

まとめ:リズム・バックウォーク

image6:

様々なトレーニングをとり入れる

ことで際立つ背面美(はいめんび)

ジャンプ力・走力等、動きの様々な要素として、特にその重要性が叫ばれるハムストリング(腿裏筋)の特性を利用したリズム・バックウォークを紹介しました。

伸張性収縮が得意なハムストリングは、外力によって一度伸ばされることでさらに大きな力を発揮してくれるという特性があり、傾斜地を後ろ向きでテンポよく上る下るという動作では大きな効果を得られます。

10m程の距離をテンポよく駆け上がり瞬時に素早く下ることで、ハムストリングがもつ脚のバネ特性を高めることが期待され、スポーツ動作との類似性もあることから高いトレーニング効果を得られます。

単純な筋トレや部位別のストレッチングより汎用性が高く、ハムストリングの伸縮性能をアップさせる手段としてリズム・バックウォークは期待大です!(^^)!

TM鈴木

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