サニブラウンの9秒97が示す「のびしろがある!」の意味~深い理論だけではない人間観察に長けた指導者の役割~

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9秒97

サニブラウン・アブデル・ハキーム選手の男子100m日本新は東京オリンピックを1年後に控え、大きく飛躍する可能性を示す記録です。

「かるのびblog」では以前から彼に大いなる魅力と「伸び代がある!」とずっと言い続けてきました。

なぜ彼にはその可能性があるのか?その理由を詳しくご紹介しましょう!

最期まで読めばサニブラウン選手のもつ能力が尋常じゃなく、世界が驚くその才能があなたの心を奪い、彼のポテンシャルを今後も感じずにはいられないでしょう。

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伸び代はどこに?

心の余裕が走りに繋がる!

伸び代(のびしろ)とは成長の余地があるという意味で、元々は金属を機会で曲げたり潰したりしてでてくる余った部分のことです。

スポーツでいえばまだ発揮していない能力・成長しうる可能性を示したポジティブワード、そんな伸び代にはもちろん「堕ち代」という逆の意味もあることを知っておきましょう。

サニブラウンの伸び代

さて・・・、ではサニブラウン選手です。

実は彼、本気を出して走っていません!

いや!こんなことを言ったらみんな「おいおいっ!お前の目は節穴かっ!」と言われそうですが、私が言いたいのはそういうことじゃないんです。

体はもちろん本気を出しています!出さないと9秒97なんてでるはずがありません!

ハイブリット(混血)のDNAを持つ彼の「伸び代」は心に余裕があることです!それこそが短距離で彼を日本のトップに押し上げている最大の伸び代です。

心に余裕があれば何か問題が起こった時に冷静に対処できますが、余裕がないと問題を事前に抑えることができずアタフタあたふたしてしまう!

自分が(ある程度)納得するような思考の落としどころへその事象を導いてあげられない!つまりコントロールが効かない状態になってしまうわけです。

そうした心の動揺は当然体に現れ、動きにでてしまう。だからベストな走りを崩してしまい、記録に繋がらない!結果的に不満の残るレースになる!というサイクルに陥る選手は少なくありません。

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心が体を突き動かす

心に余裕があれば体は自然に動きます!無理をすることがないので無意識で動いていてもケガのリスクは回避されるものです。

腱・膜・関節そして筋肉は伸び縮む制限を受けません!その人が今持っているであろう最高の能力を理想的な形で発揮することができるのです。

心が体を突き動かす!

サニブラウン選手は現役時代のウサインボルト(氏)に比べると見事に走りが雑です。

ナイジェリア人を父に持つ彼は骨盤前傾は効いてはいるものの、腕振りの技術はボルト選手と比べるべくもなく、高校時代は素人かっ!と思える程でした。

黒人スプリンター特有の脊柱をしならせて結果的に頭が前後に振る “トリが地上を歩く時の動き”「コッコ走り」にもなっていません。

つまり脊柱をしならせる走りではなくだから後方への大きく鋭い腕振りにも繋がらず、ハイブリットでありながら(左右へのブレをのぞくと)黒人特有の走り方ではないのです。

それでも9秒台を出せてしまうのは彼の先天的な能力に他ならないし、その才能の根源がメンタルに起因することは本質がわかる指導者なら当然理解できるでしょう。

心が体を(自在に)突き動かしているのです!

メンタルが伸びる指導環境

その指導理論は群を抜く!

サニブラウン選手躍動の陰には現母校フロリダ大学での恵まれた指導環境が大きく関わっていると考えます。

指導者の才能にも恵まれたことと関係がないとは言えない!というのが【骨盤前傾】マニアの視点です。

異なる指導理論

欧米の指導者はなぜ怒らないのか?日本の指導者ななぜ怒るのか?けなすのか?時に人格まで否定するのか?

日本の指導者がダメというのではなく、そしてそんな指導者ばかりでないという事実は当然知った上でのコメントです。

日欧米では桁違いに異なる指導(理論)の引出しと、スポーツに対する文化的価値の存在は無視できません。

サニブラウン選手に関してはメカニクス(日本ではフォームというけど)をあれこれ直そうとされなかったことが最もプラスに働いています。

彼の走りには無駄があったり必要な技術が満たされなかったりというマイナス要素があっても、現コーチのマイク・ホロウェイさんは視点を変えた指導をしていたと考えます。

つまり彼の走りに対する考え方にアプローチしたほうが、今の走り方で十分9秒台がだせると踏んだわけです。

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形から入る日本なら当然この走り方(動き)では高みが望めないからこう直そう!と考えるだろうし、現に形(だけ)を直されてダメになる選手は数しれません!

しかしホロウェイさんはそのポイントは「これから先に生きるものだ!」と捉え、サニブラウン選手の心が動き練習への姿勢を変えられるような指導をした!

ここが日本人と指導に対する考え方・思想の最も違う点といえるでしょう。

対話から光へ向かわせる

コーチング(Coaching)とはゴールを求める者が向かう方向を(可能なら最短距離で)指し示すことです。

その方向へ向かうためのアプローチつまり引出しは本来なら無限にあると言ってもよく、その引出しを如何に多く持っているか!が指導者の力量を示します。

この引出しが欧米の指導者と日本では桁違いなのです!

示すものがなければ後は無理矢理やらせるしかないことは明らかで、日本の指導者が選手ができないと感情的に怒ってしまうのはこうした理由があるからです。

怒ってもやらない/実行できなければ懲罰を与える!これも「引出し」のない指導者がとる典型的な手段でしょう。

選手ができない!のは選手自身の責任、あるいは話を聞いていない方が悪い!それが日本の指導者の考え方。

ところが欧米では選手ができないのは指導者の責任!話を聞いてなくてできないのも指導者の責任!一旦現場に出れば指揮系統の一切合財を取り仕切る指導者が全責任を負う。

指導力が直ぐ生活に繋がるプロフェッショナルと、ただ好き!というだけでやっている“素人”の大きな違い!

そこにはスポーツが文化的発展を遂げ、選手・指導者が本当の意味でリスペクトされる欧米と日本との追いつきようのない“格差”が存在するのです。

伸び代はさらに引き出せる

サニブラウン選手が現在最も気に掛けるポイントは①スタート、そして②30mまでの加速でしょう!

スタートの反応はもちろんのこと、さすがに加速期間ではかなりの力が入ってしまっているように思えます。

心が動けば課題は修正可能

ボルト選手(当時)やパウエル選手のように力みを伴わない加速の方がサニブラウン選手にはフィットするはずで、元々骨盤前傾が効いて背部・臀部・ハムストリング協調の効果を得やすいでしょう。

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何度もいいますが黒人特有のコッコ走りと、後方への大きくキレのある腕振りができていない!という現状はあるものの・・・

さすがにトップスピードはほぼ理想に近いので、自分の中で①②の落としどころをどこに置くか?をシーズン通してホロウェイさんと探っていくのでしょう。

指導者と選手が互いの意見を交し落としどころを探りながら、最終的なゴールへのアプローチを探していくことが、サニブラウン選手の今後の活躍には必須なのです。

そうした意味で彼が生活・練習拠点とする現在の環境は、現時点でベストと言えるのではないでしょうか。

如何でしたか?

サニブラウン・ハキーム選手には大きな「伸び代」があるという意味をわかっていただけたら嬉しいです。

彼のような「心が体を突き動かす」アプローチを試したいなら、骨盤前傾トレーニング『かるのび~kaRuNobi~』が大いに役に立つはずです!(^^)!

これさえ読めば一目瞭然

大学の指導理念・環境・仲間の存在意義が伸び代を大きくした

▼サニブラウン選手の「伸び代」はハイブリットの遺伝子だけでなく、心に余裕を持った状態を準備から結果において維持できるメンタル

▼サニブラウン選手は余裕ある心が適切な動きに繋がる!ことを「伸び代」の根源としてわかっている!それは自然体でレースにのぞもうとする彼の姿勢から伝わってくる

▼フロリダ大学での住・練習環境もそのメンタルに寄与し、特に指導者との意見交換や言いたいことをいえる現状は今後のレース結果にも大いに反映されるだろう

▼欧米と日本の指導力の差、桁違いの引出しの差がサニブラウン選手の特性を大きく引き出すことに成功している

TM鈴木

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