仕事柄「骨盤の歪み」という言葉を様々な場面で耳にしますが、実のところ骨盤が歪むなんてありえません!
歪みはしないものの左右の骨盤(腸骨)傾きやねじれ由来の不具合は誰にでも、しかも頻繁に起こる可能性はあります。
そこで骨盤周囲筋群を適切で理想的な能力を発揮できるオリジナルのケア(改善策)を紹介しながら、この不思議な“骨格”にまつわるビジネスマインドを紐解きます。
骨盤の構造や機能を理解し「歪む」という話との関連性を知れば骨盤の働きをさらに高め、思い通りに動く体への一歩を踏み出せます!(^^)!
Contents
質問がきた!
骨盤って歪むのですか?私の骨盤って歪んでますか?
と突然聞いてきたクライアントのMさん。
「ん?な、なんだ???」と思ったのですが、よくよく聞いてみるとたまにいく整骨院で『骨盤が歪んでいるので矯正しましょうか?』と言われるそうです。
その(矯正!?)施術後は確かに腰の重だるさもなくなり調子が良くなるということですが、『歪むのかぁ』と考えたときに、「はっ」と気づいたそうです。
『骨盤って本当に歪むもの?』と。
そこで骨盤って本当に歪むのかを“骨盤前傾マニア”の視点で検証してみました。
歪みの正体

骨盤は底のないバケツと同じ!?
真意を探るにあたり歪みとは何なのかを調べる必要があります。様々な文献等も含めこの歪みの定義を調べてみました。
骨盤の歪みを定義する
というのが一般的な定義とされますが、この意味に照らし合わせると骨盤は「歪まない」ということになります。
なぜなら骨盤は外からの大きな力(車に衝突されたとか)が加わると歪む前に骨盤自体が折れて(破壊されて)しまうからです。
ですので骨盤が歪むということは(常識的に考えても)まずありえないことです。
例えば骨盤をプラスチック製のバケツと考えればわかりやすいでしょう。
両手でバケツに様々な方向から圧を加えると、バケツの形がその加えられた方向によって多少いびつに変化します。
歪みとは正にこれであり、骨自体が非常に硬くつなぎ目を強力な靭帯組織で支えられた骨盤がその程度の力で歪むことなどありえません。
骨盤構造と消費者マインド

出典:https://goo.gl/9gR5nH
骨盤の構造を観ればわかりますが、骨盤には3カ所のつなぎ目があります。
左右の仙腸関節は関節面自体の凸凹構造だけでも接合部が比較的しっかりしています。
その上に超強力な靭帯結合によって強化されていますので動いても数ミリ程度、関節とはいうものの一体型の骨といってもいいくらいです。
残り1ヵ所、恥骨結合は出産時に産道が開くという意味からすると歪んでもおかしくないと思われるかもしれませんが、出産後には数ミリと違わずほぼ元通りに戻ります。

不安を煽られると人は弱い!?
産後で歪んでしまったからと「○○ベルト」といったものを骨盤周りに巻きつける人を見かけますが、こうした行為は不安を煽って消費を促そうとするビジネス手法ひ他なりません。
そういった外部からの圧力ごときで骨盤(恥骨結合)の接合部が影響を受けることはまずありえないのですが、ここには売り側のビジネスマインドが関わっているからやっかいです。
「産後は骨盤がズレてしまい腰痛や違和感、体重が戻らない等の原因になりますので○○ベルトを付けて元に戻しましょう!という不安商法の一種と捉えることができます。
不安にのっかる業者や専門家、そしてメディアが沢山いればいる程、それに影響される人達は拡大し商品が売れるという構造が見え隠れします。
背後にあるビジネスマインド

歪みをタイプ化するなど“一応”下地を作る用意周到さ
人の脳内にパッと浮かぶのがイメージであり、それは瞬間的に浮かべば浮かぶ程印象に残ります。
「骨盤=歪んでる」というイメージはその人の(腰痛や体型等)の悩みが大きければ大きい程、“腑に落ちる”ポイントといっていいかもしれません。
便利な“マジックワード”

骨盤に目を向けると観えてくる!?
Mさんを観た治療家のように『骨盤が歪んでいるので云々・・・』という説明とその対処法、現状では確かに受ける側の心を揺さぶるビジネス手法です。
ネットで「骨盤 歪み」で検索するとその数の多さに驚くし、それだけ「骨盤」と「歪み」はセットとして販売!?され実際売れ続けているといっていいでしょう。
ただ医学的・機能解剖的に「骨盤が歪む」というのは本当ではないとしても、「歪む」という言葉を別の意味で使用するケースもあり単なるウソと結論づけることもできません。
その種の専門家が使っている「歪む」の意味であっても、受ける(患者)側にとっては別の意味で捉えられているケースも少なくありません。
「ハッ!」とする“気付き”を引き出す

人体の立体的基本面
上のイメージは人の体・動きを観る時に必要な考え方を示しています。
①前額面(人を前後方向から観る):左右腸骨の高さの違い
②矢状面(人を横方向から観察):腸骨の前後傾斜角度
③水平面(人を頭から観察):腸骨の捻じれ具合
この立体面での考え方を患者が混同し理解しづらいと思えば、それを一言で片付けられる歪みという言葉は説明をより深く理解してもらう上で最も簡単な解決策かもしれません。
患者にとっても理解しやすいとくれば便利なことこの上なく、「あっ!なるほど~!」と手をポン!と叩いてしまういわばマジックワードといったところでしょう。
そもそもどこのだれが「骨盤は歪む」と最初に言ったのでしょう?
こうしたある意味噂の範疇はそのほとんどが出所不明で、患者側からすればこの「骨盤&歪む」はとても腑に落ちた!体験なのかもしれません。
骨盤周囲筋群の再教育

骨盤周囲の不必要な圧を取り除く位置で『ツブツブfit』に “のり” ごろごろ
こうした捻れや高さの差が腰痛(鈍痛)や活動時の動きの違いに関わっていることは、様々な調査等で明らかにされています。
普段の生活環境やその人が持つ癖が深く関わって起こる不具合・違和感であり、骨盤周囲筋群を再教育・再構築・リフレッシュすることで動きを大幅に改善可能です。
筋長のバランス維持が難しい
(骨格)筋には主働筋と拮抗筋があり、片方が縮めばその動きに関係する他方が伸びるという相互関係が生じます。
こうした互いに伸縮関係を持つ筋肉に縮み過ぎる/伸び過ぎるといったバランスの崩れが起こると、その部分は骨盤に余計な圧力をかけてしまうことが大きな問題となるのです。
余分な圧力あるいは一般的に現す「歪み」は前述の通り骨盤が強固な骨と靭帯結合構造によりいびつになる(その形が変形する)ことはありません。
周囲筋で縮み過ぎたり/伸び過ぎたりするポイントは、筋の中央部(筋腹)または筋腱移行部・腱の筋端等、様々な部分に現れるため、改善していくことは中々困難です。

骨盤と他の部位との理想的な位置関係を探る
前後・左右・捻れの不均衡(アンバランス)を放っておくことで骨盤への圧(力)差は徐々に大きくなり、結果的に骨盤の正常な位置が崩れた状態で動くはめになります。
すると理想的な動作からは逸脱しかも腰や背部等へ違和感が出現する可能性が高まるというわけです。
骨盤は上半身と下半身を繋ぐエネルギー伝達の“仲介役”であり、周囲筋群の(筋長)張力バランスの崩れは地面反力を利用する際の力のロス(逃げてしまう)に繋がります。
この全体的/部分的に骨盤にかかる圧の不均衡は、スポーツ動作にも多大なストレスを与えるため、自在に動かそうとする身体操作面においても大きなマイナスとなってしまうのです。
骨盤の動きにフォーカス
人間が本来動くための最適な骨盤の位置や角度を認識できれば、快適な日常動作やスポーツ時の身体操作感覚を高めることに繋がります。
したがって骨盤の理想的な位置や角度、そして最適な動かし方にフォーカスすることで、アスリートも一般人も最高の動き(パフォーマンス)を引き出せる可能性があります。
そのためにはあなたがあなた自身の骨盤に適切なストレス(刺激)を加えることが、その能力を最も引き出す唯一の方法なのです。

+5度骨盤前傾感覚を高める
パワー・コンディショニング・ギア『ツブツブfit』は骨盤の理想的な位置と角度をあなたが理解し自在な動きを引き出す最適な身体調整ツールといえるでしょう。
『ツブツブfit』をのりこなし最適な骨盤前傾角とスポーツや日常の自在な動きに繋がる骨盤周囲筋の発揮能力を十分に引き出す+5度骨盤前傾メソッド『かるのび』を理解してください。
ご興味ある方はこちらまでご連絡を!
アスリートだけでなくダイエット・アンチエイジング、そして産後の体調にお悩みの方も『ツブツブfit』に“のる”ことでその効果を実感できるはずです!(^^)!
まとめ
image6:
歪まないが頻繁にある圧の変化
以上のことを踏まえると「骨盤が歪む」という表現は医学的には正しいとはいえません。
しかしクライアントやそのことを知らない人達に伝える情報としては、非常に便利な言葉・表現であり、話を聞く方としても受け入れやすいという現実があるようです。
どうして「骨盤が歪む」という言葉が普及したのかがなんとなくわかりますね!(^^)!
正解か否か!それは使う側の事情よって正当化されてもいいような気もしますが、果してあなたはどう考えますでしょうか?
その余分に加わる圧を毎日のちょっとした工夫で取り除くことの方が、「動かしやすい体」や「健康面」を考える際にはより重要なことなのです!(^^)!
TM鈴木