フルシーズン投げてこそ!「投手:大谷」その活躍は2022以降~ピッチャーとしての経験を積み上げることが進化につながる~

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“二刀流” 大谷翔平選手(カリフォルニア・エンゼルス)がメジャー挑戦4年目でついに開花の時を迎えています。

打者では異次元の活躍!トラウト選手離脱の中“獅子奮迅”の活躍でチームを牽引しています。

投手としては奪三振・防御率とも秀でていますが、相手打者を圧倒する投球や駆け引き、マウンド捌きでもうひとつもの足りなさを感じてしまいます。

投手:大谷に今必要な要素とは?シーズン後半と2022年へむけ課題となる投球とメカニクス(動作)を探ります。

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足りてない!?投手としての課題

投手:大谷の確率にはフルシーズンの経験が必要

メジャーリーグでフルシーズン投げたことがない大谷投手にとって今最も欠けているのがマウンド経験でしょう。

なぜならシーズン通した投手としての積み重ねが「打者との駆け引き・マウンド度胸・投球感」といった不可欠な要素を高めるからです。

フルシーズンを経験する

大谷投手の今シーズン(~6/23現在)成績を以下に示します。

  • 登板数:11
  • イニング数:53 &1/3
  • 総対戦打者数:248
  • 総投球数:929(84.5球/試合)

通常先発投手は1シーズンで200イニング前後を投げます。二刀流の大谷投手がシーズン終了までケガなく投げるとおそらく100イニング超に達するはずです。

因みにデビューシーズンとなった2018年は以下の通りです。

  • 登板数:10
  • イニング数:51 &2/3
  • 総対戦打者数:211
  • 総投球数:853(85.3球/試合)

特筆すべきは肘内側靭帯損傷でトミー・ジョン手術を受けた2018年の半分も経過しないこの時期、既に登板数・イニング数で上回っていることです。

肘のケガから手術後の復帰まで1年半を要したため2019年は全休、2020年は復活後に再度のケガに見舞われ、実質2021年がフル稼働のシーズンとなります。

試合と移動・休息の流れを経験

投手として「試合と移動・休息」や「ナイトゲーム/デーゲーム」、「現地の気候条件」といったシーズン中の流れを体と脳に慣れさせることが経験につながります。

例えば次のようなスケジュール

6/23㈬vs ジャイアンツ 16時開始

6/24㈭vs ジャイアンツ 13時開始

大谷選手は23㈬打者(DH)として出場(ナイトゲーム)し24㈭投手(デーゲーム)として投げています。

夜試合が終わり次の日午前中のはやい段階から準備しなくてはならず、これに次試合(vs レイズ)の移動であらかじめ荷造り済ませた上でのジャイアンツ戦です。

こうしたスケジュールがシーズン中は繰り返され、暑さといった気候的要素に加え今回のように西から東への大陸間移動や時差(3時間)が加わります。

体内時計といった自分の“標準時間”をキープし打者として投手としてパフォーマンスを維持することが如何に大変かがわかります。

こうした「試合ー移動・休息」というスケジュールもフルシーズン経験しなければ体がどう反応し投球へ影響するかも知ることはできません。

打者としては既に経験済みでも投手としてのフルシーズン稼働という意味で今、大谷選手は多くのことを学び経験しているわけです。

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投球動作での課題

「ねばる」下半身を引き出せるか!が重要

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大谷投手は今シーズンどういうテーマ、さらにどんな感覚で投げているのかをその動き(メカニクス)から課題と共に探ってみましょう。

“意図しない”シュート回転

最大の課題はシュート気味に外高めに外れてしまうボール軌道、右打者なら胸から上、下手すれば頭付近に意図しないシュート回転(気味)ボールがいってしまうのです。

シーズン前半の特に3試合目まではこの“意図しない外れた”ボールが1球目・2球目に多く、みずからカウントを悪くしてフォアボールになるケースが目立ちました。

カナ選手(アスレチックス)やカブレラ選手(タイガース)へのデッドボールはこの意図しないシュート気味ボールの典型です。

ストライク先行で投手優位のカウントにならず投球全般のほぼ半分以上を苦しい展開で投げるため、無理して決め球のスプリットを多投し乗り切る場面が目立ちます。

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投球フォームの問題

大谷投手の目下の課題はこの“意図せず”外高めにはずれる球を極力減らすこと、そのためにはいわゆる重心を下げた状態での体重移動で「下半身のねばり」を出すことです。

左脚が地面につくまでに重心をしっかり下げられないまま腕の振り(加速)が始まるため、ボールに十分な力が“のり移る”ことなくリリースする動きが目立ちます。

その理由は以下の2つ。

  • マウンドの形状(傾斜角度)/硬さに体が慣れていない
  • 出場試合が多く蓄積疲労から下半身の踏ん張りに影響

結果、加速期に上半身先行でホームベースへの体重移動が起こり、腕振りもおくれてこない分ボールをうまくコントロールできないのです。

それでも何とか防御率2点台、6・7回(6/31現在)まで持ちこたえられるのは投手:大谷のポテンシャルの高さといえるでしょう。

課題克服のカギ

完璧な体重移動こそが急速UPと球のキレを生む

セットから投げる現在の投球スタイルで最も大切なのは、右股関節に十分荷重し重心を下げながらの完璧な体重移動(並進運動)です。

左脚をあげ地面に突くまでの間に右股関節から曲げ始め重心を真下に下げながらキャッチャー方向への体重移動、この連続する動きが必要なのです。

十分な体重移動によって・・・

右股関節へ体重をしっかり“のせる(荷重)”と重心が下がりやすく、地面をける準備と十分な反発力(地面反力)で完璧な体重移動につながります。

100kg超の体で膨大な反発力を生み出せるのにその特性を十分生かせず、なんとなく力感のない投げ方になるのは体重移動に関わる投球メカニクスの問題です。

最近スプリットが “抜け球” になりやすいのも重心の十分な下がりが不足した結果、腕の振りが“横振り”傾向なのが原因です。

大谷投手のスプリットは完璧に近い“縦て落ち”なので打者からは「消える魔球」になるのに、今のような横振りの単なるぼんくら球では痛打されるケースも目立つのです。

調子が良い時スライダーは“横滑り”、スプリットは上から投げることで“縦て落ち”となり、その変化に十分なメリハリがあります。

フォーシームも含めどれもが指にしっかりとかかり、打者の胸元をえぐったり視界から消えたかのように通過するのが大谷投手本来の投球スタイルなのです。

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股関節荷重と体重移動で力感UP

重心をしっかり下げながら体重移動ができると投げた直後の左脚(足)にしっかり体重が“のり”、好調時に観られる軸足斜め後方への「“ひっかく”ステップ」が見られます。

支持足を斜め後方(ショート側)へ“ひっかく”ステップがみられるか!?

左膝が伸びて体を支えつつリリース直後にショート(斜め)後方へ左足で地面を“ひっかく”大谷投手特有の動作がそれです。

重心をしっかり下げながら体重移動できれば地面を “ける”力が強くなり反発力が高まって、強力な腕の振りにつながります。

前回のジャイアンツ戦では現地特有の暑さ、遠征前準備と登板が重なり連続出場での疲労蓄積と“ひっかく”ステップでの豪快な投球は影をひそめたもののなんとか試合をつくりました。

調子が悪いなりに点を取られないための工夫もフルシーズン通した経験でしか得られません。悪いなりの投球を積み上げるには絶好の機会だったわけです。

経験を生かす対応力

MLBでフルシーズン戦ったことのないからこそ今は日常生活含め様々な経験を積むことが今後「投手:大谷」を確立する上で不可欠になるでしょう。

死・四球で自滅することもあれば決定機にHRを打たれ点を取られること、打者にもなるDH解除「リアル二刀流」で力を使い果たすことだってあるはずです。

大変だけど彼にはこうした経験を糧とし次の機会に生かす才能があります。

130m超のホームランや160km/hの球速もさることながら、マウンドで得た経験を生かせる順応性対応力は多くの猛者が集うMLBでも群を抜いているのです。

投手として大活躍するのはおそらく来年以降、今はシーズン通して100イニングを超える投球機会、多くの試合・移動/休息を経験することで二刀流さらに進化するはず。

まとめ:

体重が十分にのることで体に“タメ”ができて力感のある投球フォームになる

●今シーズン大谷翔平選手は“二刀流”として大活躍していますが、フルシーズン稼働したことのない投手としてはさらに多くの経験が必要

●「試合ー移動・休息」といったシーズン中のルーティンに慣れることが活躍のカギ

●30(チーム)の球場と気候順応、そして理想とする投球フォームの確率は容易ではないが、調子が悪いなりの対処がプレーの幅を広げる

●フルシーズン100イニング以上の登板は投手として必須!そこでの対応力が「投手:大谷」をさらに進化させる

TM鈴木

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