投手が肩・肘をケガしたら早めに手術!が最高選択のわけ~滅多にない好機を逃さず最良の精神状態を作り出す休息のススメ~

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大谷翔平選手(LAA)の右ひじ手術がいよいよ現実味を帯びてきました(日本時間2018/09/12時点)。

当人はシーズン終了後に最終決断を下す模様ですが、残念無念なのはファンとそしてチーム(フロント)なのかもしれません。

なぜなら投手:大谷の復活は2020中盤(160km/hを超えるフォーシームの復活という意味で)以降になってしまうからです。

大谷選手の“二刀流”ロードが一時中断となりますが、これは本人にとってはみずからを見つめ直す良い機会となるはずで、かなり有効だとTM鈴木は考えています。

その理由(わけ)を今からお話ししましょう!(^^)!

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トータルのキャリア年数が示すもの

大谷選手の目標設定シート

プロアスリートはみずからのキャリアプランを明確にしておく必要があります!投手としての大谷翔平選手の今後をプロ・トレーナーの視点から予測してみましょう!

肘の手術から復帰までの試合に出ない約16ヶ月間をどのように過ごすかで、今後メジャーリーガーとしての彼の道筋がが立てやすくなるはずです。

注)大谷選手は打者として6~8ヵ月での復帰が期待されているため、一般の投手のように1年以上試合に出場しないということはないでしょう。

キャリア中盤での“ブレイク”効果

長年の金属疲労は要因のひとつかも!

一般にプロキャリアは18歳からはじまり、一流と呼ばれる選手であれば約20年は続くと考えられるため、大谷投手も40歳近くまでは現役を続けられると予想できます。

その間20年まったく休みなく職務を全うしようとすれば、かなりの頻度で体各所へのダメージ蓄積が予想されます。

注)試合のないオフシーズンは設定されているものの、プロアスリートとしてメディアへの露出やその他の営業等、純粋な休みはほとんどとれないのが現状

高卒でプロに入った大谷投手、そこから20年間を毎シーズン出場するとなれば、相当の肉体的・精神的負担を伴うことが予想されます。

であれば日ハムで5年、LAエンジェルスでの1年目と合わせた6年の後、2年弱をアクティブレスト(積極的休養)に充てることで、残りのキャリアに良い影響を及ぼすはずです。

手術前提でのキャリアプランを!

手術の成功率は9割超!その後のリハビリがポイント

20年に及ぶ選手生活でたかだか2年弱を休んだとしても何の問題もないはず!もし経営面でマイナスとなるようなら、休息期間を含んだ契約を結ぶことも可能でしょう。

むしろ肘を壊して手術をする前提という捉え方のほうが、キャリア全般で高いパフォーマンスを発揮する意味においては健全だと考えます。

約20年もの間野球一筋であればどんな素晴らしいアスリートであれ、ベストパフォーマンスが続くとは到底思えません。

例えばウサインボルト氏は2002年から2017年までの約15年間を選手として過ごしました。オリンピックを1サイクルとする陸上競技なら、毎オリンピック後の1年間は精神的・肉体的疲労を取り除く期間に充ててもまったく問題ありません。マイケルジョーダン氏は通算15年にわたる現役生活で、途中1年間の休息(MLB挑戦のためNBAを1度引退)を挟み、後半2度目の3ピートを達成しています。

途中に入れる(入らざるを得ない!?)“ブレイク”を有効活用すれば、心や肉体を一度リセットすることで、継続的なトップパフォーマンス維持に役立つことはいうまでもありません。

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手術とゴール・プランニング

ピッチングメカニクスby大谷 https://goo.gl/TjGNCU

トミージョン手術(肘の腱移植術)に踏み切るかどうかは日米で、というより両国民性の違いでその考え方は大きく異なるといえます。

術後一定期間での復帰確率は8割以上(9割というデータも)と高いものの、その後10試合以上の登板となると67%に落ち込み、中にはマイナーに落ちるケースも多々あるからです。

大谷投手は果してこのデータのマイナス要素に身を置くことになるのでしょうか?それとも・・・。

精神面の充実と目標設定

術後のリハビリ期間は最低でも1年(以上:16~18ヵ月)必要となるため、モチベーション維持には相当の気を使う必要があります。

おっと!大谷選手はバッターとして2019シーズンの半ばには復帰するプランも計画されていましたね!(^^)!

最も大切なことは体は休めても、心は常に(特にシーズン中は)試合を想定したタイムスケジュールを設定しておくことでしょう。

スプリングトレーニングに始まり、シーズン中のホーム&アウェイの試合調整、さらにブルペン入りを含むポスト・スロー・ルーティン(PTR;登板後からの5日間の調整)等。

こうしたスケジュールを予め体に馴染ませておくことは、年単位での登板がない(であろう)大谷投手が設定するべきゴールのひとつとなるはずです。

誰も成し得ないこと『二刀流の進化』を望む大谷選手なら、この程度のことは誰から言われるまでもなく自ずと計画を立てていくことでしょうが。

キャリア・ピーク・プランニング

キャリアピークプランニングを明確に!

損傷した靭帯の再建は極めて高確率が予想されるトミージョン手術、問題はその後のキャリア・ピークをどこに設定するか?ではないでしょうか。

MLBでプレイした日本人投手達が軒並み成功しなかった(していない)要因は、おそらくこのキャリア・ピーク設定の曲解にあるのかもしれません。

投手としてのピークを知る

投手:大谷のピークを考えた場合、2018シーズンが終了し10月に手術を行った際の完全復帰は2020年シーズン初頭(26歳になる年齢)と考えられます。

ただ2020シーズンは移植した腱が肘の動きに馴染むための期間に充てると考えられ、アイドリングとMAX8割程度の“回転数”での、いわば試運転期間と位置づけるべきでしょう。

2021シーズン(大谷投手27歳になる年齢)も試運転と“ほぼ”全開を行ったり来たり、さらに肘の疲労具合とコンディショニング(調整)を考えながらの登板が予想されます。

二刀流の大谷選手、今季の登板ペースは中6日でレギュラーシーズン20~23試合程度、術後の’20はその2/3程度、’21シーズンに中6日に近づけるというプランが妥当でしょう。

注)もちろん意に反してチームが勝ち進んでしまった場合、それも反故にされ、投手:大谷は大きな負担を強いられることも十分考えられますが。

従ってほぼ数年間の“自重”期間を経て、剛腕復活は2022シーズン(大谷投手:28歳となる年齢)と予想されます。

’22・’23シーズンは大谷選手の契約後半年となり、彼を中心とするチーム作りの完成域に近づくことが予想され、2002年以来のワールドシリーズ制覇も現実味を帯びてくるでしょう

復活に必要な要素

キャリアで肘を故障しない投手もいる事実

ただ「投手:大谷」としてのリハビリ期間には是非、動きの改善に取り組むことも今後MLBで二刀流を浸透させるための必須条件となるはずです。

復帰に際しての課題をあげてみましょう!

課題1) FAPTA【機能的】骨盤前傾位を身に付ける

コッキング後期~加速初期にかけての肘関節に加わる引っ張り(牽引)力をコントロールするため、FAPTAを身に付けることが必須です。

球速・回転数アップのための機能的骨盤前傾位:FAPTAにフォーカス~ただし骨盤周囲筋群がしっかり機能する必要あり~
投げる技術もさることながら、ピッチャーの球速をあげるには体の操作性(扱いやすさ)を高めることが重要です。 思い通りの動きとのギャップが...

FAPTAは骨盤前傾位と股関節可動域拡大・脊柱のしなりを含む胸郭ー肩甲骨のスムースな動きを可能にするため、投球腕の肘の負担を大幅に軽減することが可能です。

課題2)全力で抑えるから全(脳)力で抑える!への転換

いくら160km/hオーバーのフォーシームや鋭く落ちるフォークがあるといっても力で抑え込むには限界があります。

また30歳前後の数年が投手:大谷のピークと考えると(実際に球威のピークは平均するとその年齢に落ち着く)、今回の休息期間で制球(脳)力の思考を高め、ここぞ!でズバッと抑えられる投球術を身に付けることが必要なのかもしれません。

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『アメリカではゴルフをはじめ他のスポーツでも、”量をこなす”練習が推奨されることはあまりない』 出典: 実に気になる一言を先頃、とあ...

目指すのであればグレッグマダックス投手(350勝)が理想だと、個人的には感じます。

誰も足を踏み入れたことのない道を開拓したい!と願う大谷選手、そのチャレンジング・スピリットがあるからこそ球速への拘りより、二刀流の覇者としてビックリーグを席巻してもらいたいと願っています!(^^)!

まとめ:

ボールを持つ手が1塁側を向く!

ロスアンジェルス・エンジェルス大谷翔平投手のトミージョン手術が今季終了後に現実味を帯びてきました。

手術をすすめない(保存療法でやりくりしていく)元経験者はいるものの、その成功率の高さと打者として来シーズン中の復帰が見込めることから、手術を前向きにとらえるべきでしょう。

さらにアメリカ的な考えとしては痛んだ靭帯に拘らずパーツ(腱移植・再建)を取り換えて復活する可能性が高いのに、しないのはおかしいともいえるはずです。

重要なのは術後のピーク設定とリハビリでの課題をクリアにすること:FAPTAの習得や全力でなく全(脳)力で抑える思考の転換にフォーカスすることをおすすめします!(^^)!

TM鈴木

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