ハムストリングストレッチの前にやっておくとっても大切な作業~坐骨に繋がる付け根(筋腱ユニット)を解す理由(わけ)とは?

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ハムストリングとは腿裏の筋肉です。主に3つの筋肉が力を合わせて膝を曲げたり股関節を後方へギュンと伸ばしたりしてくれます。

このハムストリング、人が動くとき中々その機能をしっかりと発揮してくれません。ちょっとひねくれ屋さん!?、天邪鬼的!?なところがあるのですね。

気難しい「ハムストリングさん」になんとかしっかりとその機能を発揮してもらうにはどうしたら良いのでしょう?

今回はハムストリングのストレッチにちょっと工夫を加えることで、その伸びが驚く程変わりハムストリングを使っていることが実感できる、TM鈴木式コンディショニング法をお伝えします。

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ハムストリングの機能

ハムストリング

image1:

ハムストリングを理解することは動きを認識すること

ハムストリングは起始が坐骨(結節)、停止が大腿骨遠位部(最先端)と脛骨の近位部につく二関節筋です。

二関節筋というのは二つの関節をまたぐ筋肉という意味で、ハムストリングだと股関節と膝関節をまたいでいるということです。

ハムストリングは膝関節の屈曲・股関節の伸展動作に関与し、特に股関節を伸ばす動作はハムストリングがそのほぼ半分をカバーしています。

つまり走る・跳ぶ等のスポーツ動作の際は、ハムストリングが非常に大きな役割を担っているということです。

実はこの走る・跳ぶ動作、ほぼ全てのスポーツ動作に含まれるチョー必須な動作で、ピッチング・バッティング、サッカーのキックといった陸上での動作だけでなく、競泳でのキックでさえ股関節伸展能力が低ければパフォーマンスや記録は高まりません。

さらに陸上動作では加速した直後のストップやカッティング(カットイン)といった瞬時の体重移動にも関わるハムストリングは、スポーツパフォーマンスを高める上で最も重要な筋肉のひとつといえるでしょう。

骨格筋の特徴とその形

ハムストリングを含めほとんどの骨格筋はその両端が腱になり(移行し)、骨に付着するという特徴を有しています。

骨に付着する腱の内、心臓に近い側を起始(きし:Origin)、心臓から遠い側の付着部を停止(ていし:Insertion)といいます。

その両端から中央に向かうに従ってこんもりと膨らんだ部分を筋腹(きんぷく: Muscle Belly)と呼び、筋肉が最も収縮する部分です。

筋腹にはしっかりと血流が通っているため赤く見えますが両端の腱に行くほど白く見え、それはつまり腱には血流が少ない、またはほとんど流れていないことを意味しています。

この筋腹から腱に変わる部分を筋腱移行部(きんけんいこうぶ:Muscle Tendon Unit MTU)と呼び、そこは腱になり骨に付着するというのが一般的な骨格筋と骨の構造です。

尚、当稿ではこの骨格筋のことを筋肉と称します。

筋肉はそのほとんどが縮まるのを得意としていますが、伸びながら力を発揮するという特性もあり、さらに筋肉を縮めるためには前もってその筋肉がしっかりと伸びている必要があります。

その『しっかり伸ばす』について筋肉の特性を理解してみると、どうやったらしっかり伸ばせるのかが自ずと理解できるのです。TM鈴木は正にそこに目を向けてみました!

新たな仕組みとストレッチ法の確立

腿裏付け根ゴリゴリ

image2:

筋腱移行部(MTU)への圧刺激が伸ばすコツ

注目するのはこの筋腱移行部で、血液は筋腹に比べれば流量は少ないもののある程度期待でき、腱のようにほとんど伸びないということもなく、多少伸びる要素も備わっています。

この特性を上手く利用したのがTM鈴木式ハム・ストレッチングで、この筋腱移行部に【圧】を加えることである程度の伸びを期待できます。

腱は筋肉のように伸びませんがを加えると緩む性質があるので、坐骨に近い(筋)腱への刺激も同時に加えて腱を緩めてあげましょう!

このハムストリングへのストレッチ前に行う一連の作業が『ツブツブ』を利用した腿裏付け根ゴリゴリです。

腱が圧刺激を受けて緩まり、筋腱移行部も伸びやすくなって初めてメインとなる筋腹へのストレッチングでしっかりとハムストリングを伸ばすことができるというわけですね。

動画でその方法を示しているので是非、観てくださいね!

movie1:

筋腱移行部(MTU)への圧刺激を体感

ハムストリングの特性と収縮形態

ハムストリングは大腰筋等と一緒でその機能は伸ばされる時に最大張力を発揮します(伸張性収縮)。

ハムストリング(大腰筋もそう!)は他の多くの筋肉と違い、縮まるより伸ばされながらその張力(力)を発揮するのが得意な筋肉なのです。

外からの力(外力)によって伸ばされようとする時、伸びてしまっている最中でもなんとか耐えてその張力(伸ばされようとする力)に対抗・維持するのが得意なんですね。

そうした伸ばされるときになんとか我慢しようとして力を発揮することを伸張性収縮(または遠心性収縮 EcCentric Muscle Contraction)といいます。

学生時代伸張性収縮とテキストに載っているのに「なぜ縮まないんだ?おかしいだろ、それ!」と思ったものでしたが、歳を経て今ではその意味をようやく理解することとなりました。

だからハムを機能的に鍛えようとするなら意図的に伸ばされる状態を作ってあげることが必要なのです。間違ってもレッグカール等でうんとこしょ!などとと頑張らないように願いたいものです!

それは短縮性収縮(求心性収縮:ConCentric Muscle Contraction)であり、ハムストリングの力を最大限に発揮するためのトレーニングとしては正直物足りません。

レッグカールがダメということじゃなく、筋肉の特性を生かす最適な刺激方法を選んでエクササイズしましょう!ということなのです。

遊びながらできる!TM鈴木オリジナルメソッド

TM鈴木が薦めるのは階段や坂道を後ろ向きで登ったり降りたりする動作で、例えば坂道を下る時股関節は曲がり(屈曲)ます。

この時ハムは強制的に伸ばされます(伸張性収縮)が、さらに伸びるために骨盤を前傾位にすることでハムの張り(ピーンと張った状態)を引き出すことができ、ハムの付け根である坐骨結節付近にしっかりと引っ張る力をかけておくことが可能です。

movie2:

リズム・バックウォークを実際やってみよ!

ハムのバネ(性能)を高める

そうしてハムストリングの中心である筋腹(きんぷく)もしっかりと伸びる要素が整うので、ここで初めてトレーニング効果を最大限に得られる身体の準備が完成するというわけです。

骨盤前傾で下っていくとハムストリングは一歩ごとにEcCされる、つまり【引っ張り力】が加わりそれに耐えようとするため筋の機能を最大に高めてなんとか引っ張られないように我慢をするのです。

このようにハムストリングの機能を最大限に発揮するためにはその前段階としてその筋肉がしっかりと【緩む・解れる・伸びる】という状態が整っていることが前提です。

ハムストリングの感度を高める

TM鈴木がお薦めする『ツブツブ』を利用したこの【腿裏付け根グリグリ】のコンディショニングは、ハムを伸ばす前の筋腱移行部を【緩め・解す】効果が非常に高いのです。

この作業の後、骨盤を前傾した状態でストレッチをすることで今までに感じたことのないしっかりとしたハムストリングの【伸び】を体感できるはずです。

ハムストリングストレッチの際、この坐骨付近の感度を高めないとハム全体がしっかり伸びてくれません。

そのためには坐骨との付着部である筋腱移行部に圧を加えて、その部分を緩めておく必要があるわけです。

【ツブツブ】とは?
【ツブツブ】とはプロ・アスレチック・トレーナーであるTM鈴木みずからが考案・開発し、販売までを手掛ける、セルフ・ボディコンディショニングに特...

筋肉の伸びがぼやけない!?

そうしておいていざハムを伸ばす時は骨盤を前傾させることで、ハムストリングはさらにしっかりと伸ばせる状態になり、ストレッチング効果が倍増します。

それをやらずしてのハムストレッチでは伸び方が“ぼやけて”しまい、つまり伸びるのは伸びるけど『ここっ!』というはっきりと伸びる場所が特定できない状況になり、これではストレッチの最大効果を得られません!

ストレッチングはただやればいいってものではありませんし、ただ伸ばせばいいってものでもないのです。

骨格筋の特性をよく理解しておかないと一生懸命やってもそれほど伸びてないという事態になりかねないし、それではパフォーマンスに生かすことなど当然無理な話です。

坐骨から筋腱移行部感度を上げた状態ならハムのストレッチングをした際にはっきりと伸びている部分を感じることができます。

それはズバリ座るときにゴリゴリと感じる坐骨付近で、ここがハムストリングを伸ばすときにしっかりと伸ばしておきたい重要な箇所なのです。

なぜならその坐骨に付着した腱とハムストリング(筋)との筋腱移行部がハムの伸張性収縮時に最も張力を受けるところであり、しっかりとストレッチされれば最もハムを機能的に動かせる部位でもあるからです。

骨盤前傾が新たな可能性を引き出す

APT

image3:

ハムストリングへの拘りが動きを変える!?

なぜこんなにもハムストリングに拘るかといえば、この筋肉が動作と密接に関わっているからに他なりません。

走る・跳ぶ・投げる・打つ・滑る・漕ぐなどほぼ全ての動作でこの筋肉の使われ方がパフォーマンスを左右するからです。

ハムストリングの機能を引き出す骨盤前傾位

このハムストリングの働きを高める最も重要なポイントが骨盤の前傾位であり、骨盤が前傾した状態で身体を動かせるとハムストリングはその機能を100%使うことが可能です。

速く力強く走るための機能的骨盤前傾位(FAPTA)にフォーカス~ただし周囲筋群がしっかり働く状態にする必要あり!~
速く走るにはいくつかの要素が必要です。例えば100mや200mでは最低でも4つ程の要素が必要になってきます。 ③は中長距離にも生かせる...

日本人アスリートはこの骨盤前傾位によるハムストリングの能力を高めにくいため、パフォーマンスが効率良く高まらないのです。

骨盤前傾を良くないという指摘もありますがそれは骨盤前傾を一面的にしかとらえていないからです。

骨盤前傾と反り腰を一色たんに捉えていることがそもそもの誤解で、その思考では骨盤前傾をマイナス要因としか理解できません。

骨盤前傾は骨盤が前下方に傾斜することあり、反り腰は主に腰部が前彎することを意味し、腰椎のアライメント(配列)が崩れている状態です。

骨盤前傾と反り腰は関係してはいるものの、反り腰の原因が骨盤前傾だとするのは見る方向を誤っている考え方です。

骨盤前傾に関わる筋肉はその大部分が腸骨筋で、腸骨筋が縮まるから骨盤が前側に傾くわけです。

一方大腰筋が縮むと初めて腰椎が前下方へ曲がる、つまり反り腰になるわけで、ですから骨盤前傾が反り越しの原因とするのは極めて早計な考え方と言わざるをえません。

まとめ:ツブツブでゴリゴリ

骨盤前傾

どうでしたか?この『ツブツブ』を使った腿裏付け根ゴリゴリはハムストリングの機能を高め人間の新たな動きの可能性を引出してくれる斬新!なコンディショニング法です。

様々なスポーツでハムストリングが活躍する機会は高いので、その機能を高めておけばあなたのスポーツパフォーマンスは確実に向上するはずです。

次回は骨盤前傾で変わるハムストリングの効果的な伸ばし方を動画付でご紹介します。

お楽しみに!(^^)!

TM鈴木

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