黒人アスリートの運動能力についてクライアントと話したときの意見「なんであんなに運動能力が高いのかしら?単なる運動神経というのではないような気がする」というのです。
若き日のほとんどをアメリカで過ごしバスケット部に所属していたというそのクライアント、黒人が放つシュートの“しなやか”なる腕の動作にとても魅了されたそうです。
たしかにNBA等をみると黒人選手の腕の動きには・・・いや体全体で観ても、力だけではない “何か” があるような感じがしてなりません。
そこで当ブログでは黒人選手の球技、特にバスケットボールにおける身体性能について、プロ・トレーナーの立場から紹介してみます。
動きの仕組みを知れば知るほど、あなたも黒人の体特性やその動きを手に入れたいと考えるはずです!(^^)!
Contents
長い手をしなやかに使える要素

しなやかなボールタッチ
NBA(National Basketball Association)に入ってくるような選手なら総じて身長が高くて手足が長いのは当たり前、その他の様々な運動能力項目でも高値を示します。
ただボールの扱い方や体の身のこなしはアジア人のそれとは大きく異なり、この辺りにフォーカスすると面白い体の特徴を発見できるでしょう。
特徴的な腕の《しなり》
そのクライアントによれば「黒人選手って体全体がしなるのよね~。シュートする時腕が柔らかい感じでしなってスムースに伸ばされて、日本人は力強さはあるけどその動きは大きく違う」と言うのです。
例えばマイケル “エア” ジョーダン(MJ)は典型的で、後ろにジャンプしながらの<フェイダウェイ(Fade Away)>、あんな動き日本人はまったくできない!とのことでした。
確かにMJのフェイダウェイは、もうほんとびっくりするぐらいの高さと後方へのけ反るように移動する幅があり、彼の空中でのボディ・バランスをして “エア” と呼ばれる所以だと強く感じます。
スリーポイント・ラインから離れるというより、フェイダウェイして角度のない所からサイドライン(コート)外へ出ながら、しかも最前列の観客席に背中が当たりそうな感じでもゴールしちゃう・・・、当時誰もやってないんだからその技に驚かない人はいないでしょう。
MJをはじめ総じて手の長い黒人選手はそれほど長くない日本人選手に比べ、折りたたんだ手を伸ばすまでの時間が長くなりそれだけボールに力を加えやすく、そして長いこと力を加えられるから正確性も増すというわけです。
掌が大きいことも有利な点でつまりそれだけボールを包み込めるから、どんな動きをしようともボールをホールドする面積やその時間も長く持ってられるため、安定したショットに繋がります。
骨盤傾斜角のヒ・ミ・ツ
身長や掌(手のひら)の大きさを変える!というのはある意味不可能なことですが機能、つまり動きの質を高めることは我々日本人でも十分にできそうです。
腕の長さを変えることはできないけど、[腕を長く見せる]ことはできるし[腕を“長く” “しなやか” に使う]ことも(やり方によっては)できるはずです。
こういった黒人アスリート特有の動き(動かし方)のヒント、実は骨盤の傾斜角つまり今よりもあと5~10°骨盤を前傾させることにあるとTM鈴木は考えています。
黒人(アスリート)はコツバン傾斜角が日本人に比べとても大きく、その角度は40°~50°に達するとの調査結果もあります(日本人の平均は25~30°)。
黒人アスリートの骨盤は他の人種に比べ“お辞儀”が深い!?、10~15°程前斜め下方へ傾いているため、前方への推進力(前に進む勢い)が高くなると予想できます。
この骨盤前傾(角)が地面から受ける反発力(弾性エネルギー)を腕にまで余すことなく伝えられる秘密であり、そのアドヴァンテージに腕の長さ・掌の大きさ、そして全体的なしなやかさが加わることでスムースな動きを可能とし、正確性を高めていると考えられます。
必殺ショット:フェイダウェイの秘密

斜め後方に飛び跳ねる!
1990年代初頭、MJが全盛期に差し掛かる直前、シカゴブルズにはボストン・セルティックスという“壁”が存在しました。
MJの最大のライバルであるラリー・バードは長距離シュートの名手で、そのボストンとのレギュラーシーズンゲームでトリプルオーバー・タイムまでいった試合がありました。
角度のないコーナーから連発!

コートから飛び出す程の勢い!?
シュートが入り出したジョーダンを称して担当アナウンサーの「He is on Fire!(彼はもうとまらないっ!」という言葉は未だに耳に残っています!(^^)!
試合終盤、そしてOTで連発し「He is On Fire!」を世間に知らしめたのが、MJのフェイダウェイショット(角度のないコーナーからディフェンスブロックの手を避け、のけ反るように打つ)でした。
コート外へ飛び出し、時にはベンチや観客席に《後ろ向き》で飛び込んでしまうかのようなフェイダウェイなので「MJが飛び込んできた!」と観客は大喜びしたものでした(*^_^*)
バードも何度も3ポイントをねじ込みブルズに迫りましたが、トリプルOTの末ジョーダン率いるブルズがついに勝利をものにした試合、あれこそがMJの“神”としての始まりだったと個人的には考えています。
「空中であんなに高く後ろに向かって跳べる(飛び込む!?)選手がいる!しかも着地直後にベンチや観客席に飛び込んでみんなに背中を支えてもらって・・・」と衝撃を覚えたのでした。
腿裏・臀筋・下背部の働き

座骨とのつなぎ目にしなやかさの秘密が!
こうしたフェイダウェイ、そしてストップ&ゴー・カッティング等に代表されるバスケットボール特有の動きは、体の裏側の筋肉がモノをいうと考えてよさそうです。
ハムストリング(腿裏の筋肉)を中心に臀筋群・下背部という部位の筋発揮機能が特に重要で、骨盤前傾によってそうした部位の最適な伸縮性能を創り上げておくことは、MJのように相手を翻弄する動きやショット姿勢には必須の能力です。
フェイダウェイのように相手の視界やハンド・リーチ・エリア(HRA:手のとどく範囲)から離れていく動きは、完全に斜め後方へ跳び上がるためハム筋腱移行部*1)の “バネ” を使える能力の有無が深く関わります。
骨盤前傾はこのハムストリング筋腱移行部におけるバネ機能を飛躍的に高めるため、前傾角が大きい黒人アスリートは、この部位のバネ機能をしっかりと働かせることができるわけです。
骨盤前傾位によって得られたハムストリングの最適な伸びは、爆発的なテンション(筋を伸ばそうとする力)が加わった斜め後方へ跳び上がるフェイダウェイ動作において、急激な縮む状態へ変化します。
程よく緊張している大臀筋・下背部筋と相まってハムストリングのバネの力を最大限に発揮してくれるというわけで、常人のイメージする域を超えたフェイダウェイが可能となるのです。
筋発揮能力を最大限にする骨盤前傾
MJを筆頭に筋肉・腱・関節等、関連組織を十二分に使える(発揮させられる)能力を有する黒人選手、彼らのその動きには力強さだけではなく、爆発的な瞬時のスピード・変化に富み柔らかな身のこなしを可能にする“洗練”された動きが備わっているといっていいでしょう。
骨盤前傾を含めた黒人特有のこうした動きを、先天的(持って生まれた才能)と称することに疑いの余地はありませんが、その機能を後天的に獲得することも決して無理なことではありません!
全盛期のマイケルが使いこなした「フェイダウェイ」、彼が得意としたディフェンスをスムースにかわす[ファンクション・コア(機能的コアの動き):FCD]の動き等、日本人でも十分近づけるる*2)とTM鈴木は考えます。
さて、ではどんな方法・手段がいいのでしょう?それはTM鈴木と話をすればわかるはずです!(^^)!
骨盤前傾を維持したまま様々な動作をすることなんですが、慣れていないその骨盤前傾(位)は多くの場合、頭の片隅に追いやられることが殆どです。
その状態をカラダ(コツバン)感覚を高めることで動く性能を変えていこう!とするメソッドを【機能的】骨盤前傾位:FAPTAといいます。
TM鈴木が独自開発したオリジナルな手法、その考え方や実践法に興味がある方はこちらまでご連絡ください!
チャレンジには様々なリスクを伴いますが、本当に必要ならば恐れる必要はないでしょう!(^^)!
まとめ:

ファンクション・コアとは?
バスケットボールで観られる黒人アスリート特有の動きは、例えばジャンプシュートではボールの扱い方が抜群にソフト&スムースでしなやかなタッチを示しています。
腕が長く掌が大きい選手はそれだけ長い間ボールを保持することができ、動きのブレに左右されにくい特徴を有します。
斜め後方へ跳びだしながらのフェイダウェイ・ショットは全盛期のマイケルジョーダンの得意技のひとつですが、骨盤前傾位によるハムストリングの働きが高まる結果成し得た技術と言えるでしょう。
ジョーダンのような超絶動作は誰もができるものではありませんが、【機能的】骨盤前傾位:FAPTAを身に付けることで近づくことは可能でしょう!
TM鈴木

TM鈴木が【機能的】骨盤前傾位に出会うまで