いきなり「グキッ」とか「ピキッ」腰に走るあの衝撃、あなたもそうした腰痛に悩まされることはありませんか?
病院に行くまでもないけど「なんだか腰の辺りが重だるいなぁ~」とか、痛いというより違和感だとか、人間と(慢性的な)腰の痛みは切りたくても切り離せない関係にあるようです。
そんな腰痛との付き合い方について、プロ・アスレチックトレーナー・・・、というかよりマニアックな視点からそのメカニズムを検証し、腰痛にならない習慣に迫ります。
最後までお読みいただければあなたの生活習慣が変わり、腰痛とうまく付き合っていく方法が見つかるはずです。
Contents
腰痛は起こるもの
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腰痛のメカニズムを知れば予防可能!
おいおい、いきなりお前は何をたわけたことを言っているんだ!とお叱りを受けそうですが、人の体の構造上、「腰痛は起こってもおかしくないもの」なのです。
ただ、そこに至るまでにはいくつかの条件があり、それらを取り除けば腰痛を発症する可能性は限りなく低くなる!人のカラダというものはそういうものです。
脊柱の可動域低下が要因!?
腰が痛くなる最大の要因は脊柱にある椎間と骨盤にある仙腸関節の可動域低下(動く範囲が制限されること)です。
椎間とは椎骨(背骨)の間のことでここには椎間板といういわば“クッション”があり、頭や重力による重さを吸収・分散させる働きがあります。
重力は地球にいる限りどんな生物にも均等にかかる、「地球の中心に向かって(上→下に)働く力」で、一般的には自分の体重分だけの力が上から下にかかると言われます。
立位では常に自分の体重分(60kg重という力)を受けることになるのですが、その力を吸収・分散してくれるのが椎間板と脊柱の(生理学的)カーブなのです。
真横から観てちょうど緩やかな“S”字に見えるこのこのカーブは、その人がおかれた環境(日常生活や動きの癖等)によってその形が微妙に変わります。
例えば加齢によってそのカーブがなくなり、真っ直ぐになることもあったり、いつも右ばかり向いている人は右への傾きや捻れが強いという特徴が出てきます。
しなやかさの消失が意味するもの
さらに(真横からみた)骨盤の傾斜角が脊柱のカーブ(彎曲)に大きな影響を与えます。
骨盤が中間位から後傾位気味になるに従って脊柱のカーブはその綺麗なラインを徐々に失い、脊柱はあたかも真っ直ぐな俸状に変化することで、椎間板にかかる圧力は一気に高まります。
この時背中には頸の辺りに贅肉が付きやすく、上背部にも余分な脂肪がたまりやすくなり、背中は徐々に丸みを帯びた形(ラウンドバック:Round Back)に変化します。
逆におヘソの両脇から鼠経部にかけての縦ラインは縮まりやすくなり、こうなると円背(えんぱい)といわれる独特の姿勢が完成し、いわゆる悪い姿勢になるのです。
そうした形状的特徴がある一定ラインを超えると、動きのしなやかさが失われた結果、痛みを発症する可能性が高まります。
この時の筋肉の引っ張り(筋長)具合は体の前面が縮まり、後面(背面)が伸ばされた状態になります。
背景を知れば予防は可能
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竹のしなりを身につけるには?
腰が痛くなるのは人が生きていく以上は必然であり、それを完全に止めることは不可能と言えるでしょう。
しかしこうした脊柱や骨盤の動くメカニズムを知ることで、その影響はある程度低く抑えることが可能で、だから日々の継続したケアや関わりがとても重要となるわけです。
専門家が腰痛にならない理由(わけ)
腰痛を治療したりそれに関わる人達には腰が痛くなる人が少ないのですが、それは腰が痛くなる要因(なぜ痛くなるか?)をわかっているからです。
まあ医者でも治療家でも腰痛治療専門家!?と名乗っている以上、腰痛になっていては商売あがったりですから、腰痛持ちとは口が避けても言えないという事情もあるかもしれません。
だから痛みを発症しない予防としてどういうことをすれば、どんなことを継続すれば予防できるのかを実践している人も多いと聞きます。
腰の痛みがでたり、腰痛が継続してしまう人はこの予防をできていなかったり、そこに気を配れない人達なのです。
腰はあなたの体の一部なのですからある意味子供と一緒、子供とは毎日接していて当然!気にかけてあげて当然!だから我が子のちょっとした変化にも気づくことができるのです。
自身の身体の一部を子供のように可愛がり、時には叱咤激励して動かしてあげられるなんて、とっても素敵なことだとおもいませんか(^_^)
脊柱の伸縮性能を保つ
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驚愕!チーターの脊柱のしなり
冒頭で紹介した通り(慢性的な)腰痛原因のほとんどは脊柱や骨盤の可動域が低下すること、つまり一本の棒のようになって(しなやかな)動きを失ってしまうことです。
ならばその「しなやかさ」を保つことが腰痛を予防することの最優先事項と言えるとTM鈴木は考えています。
脊柱の「しなり」はいわば若い竹のようなもの、風や嵐で大きくしなっても折れることはなく元の真っ直ぐな状態に戻る復元力が格段によろしいのです。
脊柱を形成する椎骨ひとつひとつがしっかりと安定した範囲内で動きやすい状態にあること、そうなれば脊柱にはそれがもつ独特の「しなり」が生まれ、その動きを生み出す元になる筋肉の筋長バランスが保たれます。
「しなる」脊柱は単に腰痛予防となるだけでなく、スポーツにおける運動性能に大きな貢献を果しています。
地上最速のチーターがなぜMAX110km/hにも届くスピードを維持できるのかといえば、驚く程柔軟に伸び縮みする脊柱と周囲筋群を持つお蔭なのです。
眼の行き届かない部分は鈍感!?
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背中は目がいき届かない場所
あなたが自分の目で見れる範囲は限られていて、それ以外は「目が行き届かない」部分にあたります。
例えば体の前面は自分の目でみることができますが、後面(背面)は観ることができませんよね(鏡を通して観ることはできますけど、それはこっちに置いておきましょう)。
肩甲骨や腰周辺、お尻や腿(もも)裏等、みようとしても観れない部分なため、自然と鈍感(何が起こっているかわかりずらいし、だから発見が遅れてしまう)にならざるを得ません。
さらに言えば脊柱や骨盤、そして肩甲骨・胸郭等の骨格配列は外からは全くみることができないため、頼れるのはあなたが持つ体“感覚”のみです。
眼で見れない部分についてはこの“感覚”が頼りなのですが、普段から気にかけていないためそれを高めることはかなり難しく、従ってカラダはどんどん鈍感になってしまうのです。
体感覚が鈍くなっていると腰が痛くなる“気配”というのが感じられず、実はそこが腰痛になる人の一番の問題なんですね。
“マニアック”的腰痛予防法
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眼がいき届かない部位を
刺激し体感覚を養える!
腰痛に限らずケガや病気を予防するには、その時点での体や心に起こる変化を適切に把握できる必要があります。
このカラダ・動作感覚が優れているか否かで、ケガや病気の発症はほぼゼロに近づけることも可能なわけですが、ではこの体感覚とはいったいどういうものでしょう?
カラダ感覚を磨く思考
特に慢性の腰痛は運動をすすめられる場合が多く、筋肉を鍛える(鍛えるという言い方はちょっとどうかな?と思うのですが、一般的な表現法として使います)ことも確かに良いことですが、それ以上にこのカラダ感覚を磨くという利点があるのです。
常々TM鈴木が言っていますが運動とは“非日常”的環境に身を置くことであり、そこでは様々な動き例えば「速さ・高さ・捻れ・傾き・強さ」等といった変化を、カラダと脳の両方で感じ取る行為が行われています。
しかし、ただ運動するだけではそのカラダ感覚は磨けないことも事実で、そこにはあるちょっとした工夫が必要となるわけです。
腰痛予防の観点では脊柱や骨盤も含め如何に目の届かない部位への刺激を増やすかが重要で、一例として「セルフ・ボディコンディショニング・ピラー【ツブツブ】」を使った体感覚を磨くエクササイズを推奨しています。
椎間圧を下げて「しなり」を生む脊柱に!
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各椎間の圧力を下げて
脊柱の「しなり」を育む
【ツブツブ】上に背中面をのせるとある箇所は伸びて気持ち良い、また別の個所は伸ばそうとしても伸びない!、あるいは非常に辛い!というポイントが感じられるはずです。
椎間への圧力は場所によってかなりバラツキがあり、上から下への圧力(重力)を一手に受ける所もあれば、そうでもない箇所もあります。
キツイなぁ!というところはゆっくり椎間を緩めるようにしつつ、にじんわりと広がる感覚があればある程度時間をかけて背伸びをしてみましょう!
伸びにくいこともあり最初はかなり苦しいかもしれませんが、継続するうちに粗かった呼吸も安定し、しっかりと緩まって椎間圧を下げることも容易に可能となるはずです。
単に“背伸び”というだけでなく椎間のひとつ一つを伸ばし緩めていくので、【ツブツブ】を使って伸ばしていくのが非常に気持ちよく楽しくなります!(^^)!
「傾き」あれば「しなり」あり!?
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骨盤前傾位が思うがままに!
【ツブツブ】の利用法は色々ありますが腰痛予防の大切な視点、つまり『自分の目で観えない箇所や感覚でしかわからない脊柱や骨盤等の骨格配列の感覚を知る」というのが重要なポイントなのです。
脊柱が竹のように「しなり」ながら動く状態を維持しておく、そのためには骨盤の傾斜角も【ツブツブ】をつかって広げておくことをおすすめしています。
骨盤のあたりにはだれでも左右にくぼみ、俗に言う「ビーナスのえくぼ」があり、【ツブツブ】をそれより指横幅1本分程下に位置させ仰向けになります。
30秒程ムニュムニュと左右に頭上と左右に揺らしていると徐々に力が抜けて、骨盤がちょうど良い角度に前傾しおへそから鼠径部にかけてが緩んできます。
仙腸関節のロッキングを解消
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臀部上に位置するくぼみ
その直下(足側)に仙骨中央部
「ビーナスのえくぼ」のちょっと下(足側)は仙骨を横断する位置にあり、骨盤の前傾位を広げると同時に腰痛と関連する仙腸関節のロッキングを解消するという副次的効果もあります。
仙腸関節のロッキングは腰痛を引き起こす大きな要因とも言われ、誰の手も借りずにセルフで効かせられる【ツブツブ】の効果は計り知れません。
こうした継続できる(定期的な)“運動(アクテビティ)”が、カラダ感覚を高め腰痛の“気配”を知らせてくれる警告灯となるのです。
少し“マニアック!?”感は拭えませんが、歯を磨くのと同じように毎日継続してできる楽しくも面白い『ライフ・フィット』な腰痛予防法、あなたも是非試してみてはいかがでしょう!(^^)!
まとめ
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体感覚を高めることが最大の予防法
慢性的な腰痛に対して少し違った視点をとり入れ、多少マニアック感のある予防法とその考え方を紹介しました。
腰痛の根本的な原因は脊柱や骨盤といった骨格配列の可動性低下であり、重力に対する椎(骨)間への圧力を下げ安定した動きを高めるための“背伸び”運動が不可欠です。
最終的には痛みが起こりそうな気配を察知するカラダ感覚を磨くことが、腰痛予防の最大のテーマとなるでしょう。
背中や臀部等、目の行き届かない部分の感覚を敏感にすること、脊柱や骨盤へ自分の体重を利用して圧をかけ特定部位を緩めるといったセルフ・コンディショニングの考え方はとても有用となるはずです。
TM鈴木
PS:洗面所の鏡の前に立って鏡を見ずに目線を足下に下げていって、胸よりもお腹がみえてしまう場合、あなたの姿勢は崩れているかもしれません。
なんとも言えない腰への違和感・鈍痛等、気になるようならこちらまでお問合せ下さい!(^^)!