うるさかった蝉の鳴き声が途絶え、いつの間にやら秋の気配が漂い、鈴虫のリ~ンリ~ンという鳴き声が聞こえてきました。
季節は確実に変わりはじめ、既に夏の面影はなくなってきたといってもいいでしょう。
今日は私、TM鈴木の【腑に落ちない】体験談をひとつ。
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学生への学ぶ機会はそこかしこに転がっている!
いつだったか忘れましたが仕事を通じてR大学ラグビー部のトレーニングコーチであるTさんとお話する機会がありました。
間を取り持ってくれたのはそれこそいつもお世話になっている編集者のAさん。
3人でお茶を飲みながら雑談をしていると突如、Tさんが自大学ラグビー部の学生の生活態度について話始めました。
『うちの学生たちは寮(ラグビー部専用)の掃除をやらなかったり、やっても適当にやってたりどうにかならないものか・・・』というお話。
さらに『学生たちに毎回「ちゃんとやれよ!」と注意するんですが聞いてんだか聞いてないんだか・・・』
『監督にも言うのですが(掃除の件)、「やらない学生にはガ~ンと注意したれ!」というので言ってるんですけどね』
『TM鈴木さん、どうしたらいいとおもいますかねぇ?私生活がああだからラグビーも勝てないんですよ』とTM鈴木に同意を求めるそぶりを。
その監督にしてこのコーチあり!ということなのでしょうか。
例え指導者と言えど間違っていれば批判されるべき!
『えっ、それって例えば学生にそう注意する前にTさんが率先して掃除してます?』と問うと
『いえ、私はやってませんよ。たまに文句を言いながらゴミを拾ったりはしますけど』とTさん。
『おそらくTさんや監督が率先してやれば学生たちもやるんじゃないですかねぇ』
Tさん:『ふ~ん・・・、そういうもんですかねぇ・・・』
TM鈴木の疑問は、学生にゴミを拾わせて何を学ぶのか?ってことです。
学生なんだから学ぶ機会があることは良いことだと思います。
しかし一番学んでもらいたいのはこの指導者達なのかなぁと。
学生に掃除をやってもらいたいなら指導者自らゴミを拾う必要があるでしょう。
TM鈴木が監督なら自ら拾いますけどね。
リーダーがとってこそのリーダーシップ
カー用品大手のYHの社長は会社設立当初から続けている習慣があります。
それは毎朝他の社員よりも1時間速く出社しトイレやオフィスの掃除をすること。
彼にとってトイレを綺麗にすることが目的なのではありません(もちろん結果的に綺麗にするので気持ちがいいことは確かですが)。
掃除の間に今日の仕事の進め方や昨日の反省、時にはまったく考えられなかったような発想が浮かんでくることもあるそうで、彼にとってその掃除の時間がクリエイティブワーク(創造性
を紡ぐ)の貴重な時間というわけです。
企業のトップが掃除をしていたら下の者がやらないわけにはいきません。
ということでその会社では社員が1時間速く出社し掃除をすることが習慣となりました。
そこからはオフィスだけでなくその地域周辺に“掃除の輪”が広がり外のみちっぱたの掃除も始まり慣例化していったそうです。
そんな会社なので当然地域住民との関係も良好で自社の商品を買っていってくれる、そして会社の利益アップにつながるというお話しなのですが。
翻ってこのTさんと監督です。
もし彼らが率先して寮のゴミ拾いをしていれば学生も最初は仕方なくやっていたことも習慣化し、身の回りを綺麗にすることの意義を見出し、さらにはそこから何かを学んでいたかもしないのです。
残念なのは社会にでる前に学ぶべきことがたくさんある学生が実社会で本当に役に立つであろう経験をできずに終わってしまったということです。
そういった意味で指導者側の責任は非常に大きいのです。
普段の生活がああだから・・・、といったコーチのTさん、そう!ああだから試合に勝てないのです。
でもその意味をはき違えていますよ。
普段の生活で経験できる貴重な体験を学生にさせてあげてないあなたや監督の(ゴミ拾いに対する)その姿勢が試合に勝てない原因を作ってしまうのです。
こういうことも別の意味でリーダーシップなのですが、そういった経験をしてこなかった人にはわかるべくもありません。
リーダーが汚れ仕事をしてはいけない!という法律があれば別ですが・・・。
『ゴミ拾い???、僕が(私が)・・・』と思わずに率先してゴミを拾っていると違った世界が見えてくることもあるのです。
学生諸氏、指導者共々そのことを考えてみる良い機会かもしれません。
それが人生というやつかもしれません。
TM鈴木