“使える”(=確実に効果をだす)ワークアウトと、使えないトレーニングがあることを知ると、みずからを高める目標設定が具体化します。
ワークアウトには適切な負荷や方法(挙上法:動き方)だけでなく、どういう動きが含まれているか?でその効果の度合いが大きく変わることがあります。
”使える”ワークアウトと“使えない”トレーニング、双方にある違いとは何なのかを検証してみましょう。
筋肉の動かし方が大きなベースとなることを知れば、今実践しているワークアウトの見直し方が洗練され、競技能力が大幅にアップするはずです!(^^)!
Contents
“使える”ワークアウトの基準

ハムの使い方にはその特徴がある!
まず何をもって「“使える”/使えない」の線引きをするかは大きな課題です。
“使えない”トレーニングとは例えば伸びや緩みが必要なのに縮めてしまったり、その行為をマシン(機器)を使って行うことです。
TM鈴木はそうしたやり方を「死んだ(デッド)トレーニング」、逆に“使える”ワークアウトは「アクティブ・ワーク」と呼んでいます。
筋肉は伸ばしてこそ価値がある

座骨付近を緩めることがカギ
特定の筋肉(骨格筋)は「伸ばす」ほうが、パフォーマンスが高まりやすいことを知っていましたか?
一般的に考えれば筋トレ等はどうしても筋肉を縮めることに目が行きやすく、例えばスクワットだとウェイトを担いで重心を下げていくより、持ち上げる時に注目してしまいます。
筋肉の動きは上腕の力こぶをつくるように、筋繊維が縮みながら(能動的に)力を発揮する短縮性収縮と、筋が伸ばされながらその状態を維持することで(受動的に)力を発揮する伸張性収縮があります。
単に筋肉を「“伸ばす”=ストレッチング」だと考えてしまうのは早合点というもので、それでは逆に競技力アップにはつながらないでしょう。
なぜ「伸ばす」ことが特定の筋発揮能力アップにつながるのか!?そしてその「伸ばし方」はワークアウト効果を高めるための非常に重要な要素です。
使えるワークアウト
骨格筋は「伸ばされてから縮む」という順番が絶対であり、それが逆になることはまずありえません!
筋肉は他動的に「伸ばされる」ことで縮む力に転換されるので、如何に伸びる(伸ばされる)能力を高められるか!が筋発揮力をコントロールするポイントなのです。
伸ばされる際も筋長(筋肉の長さ)が最大限に伸ばされるようなポテンシャルを備えておけば、しっかりと縮まることに貢献してくれます。
「十分に伸ばされて」「しっかり縮む」というのが筋肉の理想的な動きです。
ではどの筋肉が “伸び” を必要としているのか?代表的なのは大腰筋とハムストリングです。
どちらも伸びる時に筋の長さをなんとか維持することで力(張力)を発揮します。
伸ばされながら耐える

完全に伸びてからが本領発揮!
大腰筋は腰椎から骨盤を経由して股関節の付け根についていて、上半身と下半身を繋ぐ唯一の筋肉です。
上半身と下半身の連携(連動)を高める、片足で踏ん張る動作の際、下肢の力を上肢に伝えてしなやかでスムースな動きにするには絶対的に必要な筋肉なのです。
一方のハムストリングは座骨(結節)という左右の出っ張りから膝裏の脛骨についている腿裏の筋肉です。
前に勢いよく進む際の推進力はこの腿裏筋のバネがその源となりますが、先の大腰筋と共に最大限に伸ばせる“余裕”があってこそ、その力を存分に発揮してくれるのです。
2つの筋肉は機能的に股関節の軸を中心として伸ばされることで、骨盤を前傾させるための動力源となるのです。
この性能と機能美(機能的にとても美しいさま)を理解していなければ、みずから意志をもったワークアウトができず、結果的に”やらされる”トレーニングになってしまいます。
動かし方にフォーカス

弊害でしかないトレーニング!
ワークアウト・メニューを考える際、気をつけるべきポイントにフォーカスします。
考え方次第ですがTM鈴木が指導する場合、マシントレーニングはあり得ません!その理由(わけ)を紹介します。
マシントレーニングの弊害
レッグカール/レッグエクステンション等のマシントレーニング、学生を含むアスリートでも未だにそれをやって脚を鍛えるといった考えがあることに驚きを隠せません!
例えばスプリントやラン能力を高めるためにハムストリングを鍛える場合、レッグカールを使い相当な重量でカールをこなす選手のなんと多いことか・・・。
無駄の極地!デッドトレーニングとは正にこのことで、こうした動かし方では単にハムが縮まることに慣れるだけで、最大限伸ばされた状態から縮まる性能には全く関与しないのです。
「やらされ感満載」のトレーニングで筋肉(量)は大きくなるかもしれませんが、それは筋肉がただ重くなるだけ!
確かに見栄えはよくなるかもしれませんが、重くなった筋肉を動かすためにさらに多くの筋を動員し、他の筋肉をさらに大きくするという悪循環に陥るのが関の山でしょう。
やらされ感満載!という意味ではこちらも同じかも!
伸ばされる働きを上手に利用
ハムストリングや大腰筋には他動的(他の部位の力によって)に『伸ばされる』状態を耐え抜くことで強くなる!という(ちょっと不思議な!?)特性があります。
こうした筋の特性を上手に利用することで筋肉は非常に「柔軟に・しなやかに、そして強く」なっていくのです。
大腰筋やハムストリング(その他の筋にも刺激としては有効)等、伸ばされる状態を維持することで強くなる筋肉には伸張性収縮という動かし方に注目すると良いでしょう。
先のレッグカールなら膝を曲げていく(カールする)動きよりも、真っ直ぐに戻す動き《ネガティブ・ワーク》のイメージを高めることです。
実はこの「意識する」という行為は非常に難しく、その前提として「その筋肉の形・動き・仕組み」という機能解剖をわかっている必要があります。
意識を高めるために
動かし方に注意を向ける・意識するためには以下の順で筋(ローカル)と脳(セントラル)とのつながりを良くするTMSメソッドを実践してみましょう!

伸びを感じる感覚を高める!
★骨盤前傾操作(FAPTAテクニック)
1筋端の筋腱移行部(MTU)への圧刺激
2筋腹へのストレッチング
★”骨盤前傾操作(FAPTAテクニック)
3伸張性収縮(EcC)
★”骨盤前傾操作(FAPTAテクニック)
4アクティブ・ワークアウト
大腰筋・ハムストリングは通常の伸ばし方をしても伸張性収縮(伸ばされながらその筋長を維持する)は上手くできません!
重要なことは
無駄なトレーニングを排除し、ワークフル(workful)で効果絶大のワークアウトにチャレンジしたい方、TM鈴木にコンタクトしてみてはいかがでしょうか!
まとめ

動きが激変!?筋の「伸び」を利用したワークアウト
“使える”ワークアウト/”使えない”トレーニングのスタンダードがどういうものなのか?について言及しました。
レッグカール・レッグエクステンションといったマシントレーニングは、目的の筋を縮めること注目してしまうため、その働きを十分に高められない“使えない”トレーニングの典型です。
伸ばされながら力を発揮することが“得意”な大腰筋・ハムストリングは、通常の縮める動きではスポーツに関連する動作やパフォーマンスを高めることはできません。
こうした場合、伸張性収縮を上手に利用した動きの中で筋を高めるメソッドが大いに役立つことを知っておくべきでしょう!(^^)!
TM鈴木