意外と思わぬなかれ!運動(身体)能力を高めたいなら、理想的な姿勢や歩きにフォーカスしそして身に付けることは大きな意味があるのです。
サッカー・ラグビー・バスケット・野球等全ての競技中には必ず立ち姿勢や歩く動きが入ることは知らされなければわかりません。
歩きの重要性と運動能力アップに繋がるヒントを提供するため、競技系歩行:競歩との比較分析やアスリートにとって必須となる機能的な歩き方を紹介します。
実践していけばプレイ間や普段の歩き方が変わり、競技技術アップに繋がるはずです!(^^)!
Contents
歩きのメカニズムを探究

競技の間でも立ったままや歩く動作が必ず入る
スポーツではプレイが中断すると必ず歩く場面があり、その時間は下手をするとプレイ全体とほぼ同等かより長くなることも少なくありません。
プレイの幅を広げ走る・投げる・打つ・蹴る・跳ぶ・泳ぐ等に関係する動きなのに、歩くことに注意を向けるアスリートがいないことは憂慮すべき事態です。
歩きの重要性とは?
歩き方を変えるだけで競技力があがるなんて・・・、にわかには信じがたいですが事実です。

歩くことは競技力アップに繋がる!確実に!
アスリートだけではありません!一般人も日常に組み込まれた動きに注目することで、歩きを本来の運動として楽しむことができるのはずです。
歩きにはスポーツ動作に必要な多くのからだ操作が含まれ、そこに注目すると運動能力を高める手段が理解できるはずです。
体重移動
前に移動するには足を前後に動かす推進(力の)切り替えと、左右の脚に交互にのり込む振り子(右⇔左)切り替えという2つの体重移動が必要です。
荷重(踏み込む)タイミング
推進や振り子という荷重の移し替えではその瞬間を上手く調整し、ベストタイミングでピタリと体重が“のり込む”ことで余分な力を入れず楽に前に進むようになります。
この荷重するタイミングがずれると歩きが非効率になり余計な力や無駄な動きが加わることで疲労が蓄積し結果的に歩く面白みも大幅に減ってしまいます。
回旋運動
あまり知られない事実ですが歩きにも骨盤を主とする捻りが生じます。
この捻りはその部位を主体的に動かす意識というより、脚を大きく振り出す(スイング)した結果起こる二次的要因です。
走りと違い腿をあげて勢いをつけられない歩行では、この回旋の強さ(大きさ)とそのタイミングで意識的に動くかどうかがわかります。
上半身と腕の追従
下半身を使うと思われがちな歩行ですが、上半身や腕振りの効力が弱いとスムースな前進にはつながりません。
腕は伸ばして使うよりやや自然に曲げる状態のまま肘を後方へ円弧のように引きながら動かし、それに合わせて脊柱がしなるようになると理想的な推進力に繋がります。
以上の4要因はスポーツのいかなる動きにも大小の差こそあれ必ず含まれ、歩きが運動の基本を成しているかを如実に示すものです。
異なる動き:競歩と歩き
あまり知られていない似て非なる歩き方:競歩との比較を取り上げからだ操作の仕組みを知りましょう。
実は競歩には2つの大きなルールがあります。
極端な話この2つさえ覚えておけば2020年の東京オリンピックで競歩を観る目がかなり変わります。
ロスオブコンタクト
常に左右どちかの足が地面に接していなければならない!
因みに走りでは両足が地面から離れる瞬間があり、それが競歩との大きな違いです。
ベントニー
振り出した前足が地面についてから(その脚が)地面と垂直になるまで膝は曲げられません。
これも走りでは垂直になる前に、という接地するときには膝は既に曲がります。
なんでこんな複雑でへんてこな!?ルールがあるかといえば、この二つがないと走ってるのとなんら変わらない!というか正に走っていることになるからです。
そうなんです!走る時両足は地面から離れる瞬間があり振り出した脚の膝は既に曲がっているわけです。
歩きの推進力はどこから?
走りの加速は腿を鋭くある程度まであげそこからガツンと地面につま先を“突き刺す”ことで前に進む反発力が生まれ推進力に変わります。
競歩は腿をあげる代わりに片足へ最大限 “のり込む(踏み込む)” 交互移動および二次的に起こる骨盤回旋も含めた前⇔後移動で前に進む勢いを得ています。
幸か不幸か膝を伸ばしながら歩けば自然と腰が振れ骨盤が大きく捻れて歩幅が広がります。
しかし膝を伸ばしたままにするには踵着地が必須でそうなると接地で一度ブレーキがかかる!
つまり一歩毎にブレーキをちょっとかけては腰の振りでまた速度を上げるという“矛盾”(ともいえる動き)を繰り返すから見た目以上に相当キツイわけです。
それに歩きを前から観ると脚全体が外側へ相当しなり、膝から下の脛(すね)は極端に内側に“ひんまがる”という見た目的「脛骨内反」がおこるわけです。

資料提供:I氏(骨盤前傾フレンズ) 脛のひんまがりが尋常じゃない!?
2020年東京オリンピックで金メダルを狙う鈴木雄介選手を筆頭に競歩選手の歩き方は、我々が日常目にする動きとは全く違います。
動きを高める歩き方
では歩きをいかに上手くみずからの競技に繋げるか(利用するか)を考えましょう。
先にあげた歩行の4要因が自身の中で感覚として確立されていれば動く感覚は大幅に高まり「あれ!?なぜこんなに思い通りに動けるのか?」といった驚きに出会えます。
“究極”の感覚を身に付けるには今までやったことのないアプローチに取り組むことです。
足・脚全体ではなく股関節に“のる”
競技に直結する歩き方のコツその1は脚全体で体重を感じるのではなく股関節にしっかり 1)“のる” 感覚を身に付けることです。

+5度骨盤前傾なら既に股関節に“のれて”いる
そのためには横から観て骨盤を今より少なくとも+5度前斜め下方へ傾ける+5度骨盤前傾(+5°APT)操作が必要です。
実は+5度骨盤前傾ができれば多くの場合ほとんど股関節にしっかりと体重がのります。

既に股関節荷重!+5度前傾
試しに+5度骨盤前傾になった時の股関節の感じと日常レベルの骨盤傾斜角に戻した時を比べてみてください。
鼠径部奥や大転子の奥あたりが緊張している(+5度骨盤前傾の場合)、あるいはそこへのストレスや違和感を感じるのであればしっかりのりこんでいる証です。
歩行動作でいえばちょうど足が体の真下から後方へ移る瞬間(ミッドスタンスからターミナルスタンス移行期)、この前後で+5度骨盤前傾を維持できれば股関節にしっかりと “のる” 感覚がわかります。

ゲイトサイクル
さらに感じるのは地面接地した際、股関節で足裏を接地面にギュンと抑え込む感覚です。
この荷重ポイントを意識できるまでには多くのプロセスが必要です。ビーナスのえくぼでツブツブfitにのり込みゴロゴロするのもそのひとつです。

+5度骨盤前傾を身に付ける基本
最初はその “のる” 感覚”に気づかないかもしれませんが、+5度骨盤前傾でのバリエーションに富んだ様々な動きをしていくと動く感覚が敏感になり徐々に「これだ!」というのがわかります。
多くは歩くときに「どこに体重がのっているか」「どこを緊張させているか(いないのか)」という感覚を瞬間的に考えることはありません!
でも+5°APPTを身に付ける過程で自分の動きを事細かにイメージできるようになり、その思考がとても面白く感じるようになります。
その“創造力”がスポーツや動きそのものをさらに面白くしてくれる事実にそろそろ気づくべきでしょう。
腸骨から始まるスイング操作
腸骨とは骨盤を構成する一部で脚と直接繋がる股関節の受け皿を形成します。
前への振り出し(スイング)を腸骨から動かし始めることが歩行をパフォーマンスに繋げる第2のコツです。

先に動かす部位(腸骨)の動きを高めるのが+5度骨盤前傾
多くは生まれてからそんな動きはしないし、目で観えるものが動かしやすい人間にとって手や足は意識せずとも動くのに比べ、腸骨始動のスイングは簡単ではありません。

ゲイトサイクル
競歩のように膝を真っ直ぐにして歩けば骨盤がまわしやすくなるけど、色々な意味で難ありなわけでそこはより自然な歩きにするため+5度骨盤前傾を効かせた動きを身に付ける方が得策です。
+5度骨盤前傾が維持できると立脚直後に後方へ移る足側(左から5番目のターミナルスタンス直後のプレスイング)腸骨を引き上げる操作が可能になります。
腸骨の引き上げ/引き下げ
通常歩行では支持脚と反対(遊脚)の骨盤位置は下がりますが、+5度骨盤前傾が効いていればそれを引き上げる感覚も生まれます。
逆にプッシュオフ(ターミナルスタンス直後)では支持脚の腸骨に力を加えて脚全体を一本の棒として(固めたまま)地面を蹴ることができます。
この骨盤を加えた脚の動きは脚(足)だけで蹴る場合に比べ約3割のエネルギー増加が見込めます。
この動き方だと遊脚の腸骨始動が一瞬速くなることで腿を自然な形で鋭く引き上げられ、逆に支持脚側は腸骨から下をひとつのユニットとしてプッシュオフして地面を蹴る力が増えその分反発力をもらうことができるのです。

理想的な歩きは走る能力を高める!
如何でしたか?
+5度骨盤前傾はその能力を最大限に高め骨盤・脊柱・胸郭・肩甲骨・股関節といったコアの動きと腕・脚との連動性を高め動く感覚を鋭くしてくれます。
歩く感覚だけでなくスポーツ・日常含めた全ての動きを脳内で感じる能力が高まる!だから動くことが面白くなりさらに色々な動きにチャレンジしたくなる!
アスリート・一般人だけでなく子供達にも是非!試していただきたい革命的なアプローチなのです!(^^)!
まとめ:

今から感覚を変えてみない?
▼歩く仕組みと含まれる4つの要因にフォーカスすることで、体を動かす感覚が敏感になり競技パフォーマンスや日常生活の動きが今より確実に高まりその行為そのものが面白くなる
▼歩きに+5度骨盤前傾の考え方やアプローチを取り入れるとは腸骨から下の脚をひとつのユニットとして地面を圧すタイミングや腸骨そのものを単独で動かすイメージを確立すること
▼競技中実に半分近くは立ち姿勢や歩く動作で占められるにも関わらず歩きに注意を払わないアスリートが多いことは憂慮すべき事態である
TM鈴木