侍ジャパン運命のカギを握るキープレーヤーは4番筒香!~体幹の時間差を使った捻じりのバッティングには必見の価値あり~

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第4回WBC、侍ジャパン(SAMURAI JAPAN)の戦いもいよいよ佳境に入ってきましたね。

開幕当初はなんとなく盛り上がりに欠ける感じでしたが、試合を追うごとにファンのボルテージも上がり、5戦無敗で準決勝進出を決めたことで侍ジャパンへの応援気運が高まっています。

決戦の地LAに入ってからは多くのメディアや関係者によって日米決戦がいやがおうにも盛り上がっているようです。

さて、22(水)10:00~の準決勝は果してどのような試合になるのでしょうか?

そこで準決勝・決勝(仮に進出すれば)と侍ジャパン勝利の行方を左右するキープレーヤー、さらに今後の日本球界を背負っていくであろう選手に注目してみました。

それは誰あろう筒香嘉智選手(横浜DeNAベイスターズ)です。

昨シーズンは正に“覚醒”した感のあるこのホームランバッターについて身体操作“ろん”の面から解説しています。

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遠くへ飛ばす能力とは?

両翼約100m、センターまでが約120m、左(右)中間約115m、これが日本のプロ仕様の球場の大まかなサイズです。

フェンスの高さも考慮すればまた少し違ってくるかもしれませんが、少なくともこの程度の距離を飛ばせなければホームランを打つことはできません。

スイングスピードが衝撃を生み出す

遠くへ飛ばすにはタイミングやバットがボールに当る角度等様々な要素が必要ですが、中でもスイングスピードは重要項目のひとつといっていいでしょう。

150km/h前後で向かってくるボールに対しタイミングを合わせて瞬時にバットを振る、それがヒットやホームランに繋がるバッティングです。

その際バットのヘッド(スイング)スピードが上がれば上がる程、ボールにダイレクトヒットした際の力は大きくなり、結果ボールは遠くへ飛びやすくなるというわけです。

プロ野球選手の大まかな平均スイングスピードは140km/hだそうです。

ある計測結果によれば筒香選手のスイング速度は160km/hを超えていました。これは球界でもトップの柳田選手(ソフトバンク)163.6km/h以下4位にランクされる速さです。

185cm・97kgの体格がこの速くパワフルなスイング速度を可能にするひとつの要因ですが、さらに身体の使い方に目を見張るものがある!というのがTM鈴木の見立てです。

骨盤ファースト!次に上半身

筒香選手のバッティングフォームを観ていて最も印象的なのは腰、というか骨盤の動き(まわり方)です。

他の選手に比べスイング時の身体の動かし方に明らかな違いがみられます。

①骨盤が動く(回る) → ②グリップエンド始動 → ③上半身が動く(回る)

というようにまず骨盤が回り出してから、(間髪入れずに)グリップエンドが動き、(わずかの時間差で)上半身が回るというイメージがあります。

つまり骨盤と上半身の動きに明らかなメリハリがあるのです。

通常ホームランバッターと呼ばれる選手でも、まずはグリップエンドが動くにつれて腰が回るとほぼ同時に上半身が回り出す印象です。

つまり

①グリップエンド指導 → ②骨盤が動く(回る)/上半身がほぼ同時に動く(まわる)

なのです。

中田選手(北海道日本ハム)や柳田選手(福岡ソフトバンク)、2013年に60発を放ったバレンティン選手(東京ヤクルト)にしろ、グリップエンドが動いてから骨盤と上半身がほぼ同時(期)に回るという印象が強いのです。

しかし筒香選手は骨盤が回り出すまではグリップの位置がほとんど動きません。

そして“一瞬の間”を置いて上半身が回り出すという言わばムチの動作を体幹で体現しているわけです。

様々なボールに対応するため全てのフォームがそうなっているわけではありません。

しかし例えば昨シーズンの41号(巨人宮國選手:外からのスライダーを右中間へ運ぶ)は特にその動きの印象が強い一発でした。

因みにもうひとり骨盤始動ーグリップエンドー上半身始動の順に体幹を使っている選手がいます。

賢明なあなたならもうだれかおわりかりですね(^_^)

そう!昨シーズン球速165km/hを記録した今話題の二刀流の選手です!

並外れた連動性が本塁打量産の秘訣

筒香選手は昨シーズン44本の本塁打を放ちました。前年が24本ですから20本以上も増やしたことになります。

遠くへ飛ばすとなれば、通常はどうしても腕力や上半身に頼った打ち方をしてしまいます。特に身体や体格に自信を持つバッターなら尚更でしょう。

連動とは一緒に動くことにあらず!

筒香選手程の体格(185cm97kg)と素質であれば、上半身主働で普通に打ったとしてもそれなりに本塁打は打てたでしょう。

しかし彼はそれでは満足しなかったのです。これはお父さんをはじめとする家族(母・兄・双子の姉)や周りの人達の指導の賜物なのかもしれません。

尊敬する元メジャーリーガーの松井秀喜さんを追い抜き近い将来MLBで活躍することを目標に掲げる筒香選手です。

自分の理想とする、いうならば下半身から始動するバッティングで成果を出すことが大前提だったのではないでしょうか。

『連動』とは決して「あるもの」と「そのものとは別のもの」が一緒、つまり同時期に動くことではありません。

バッティングにおける『連動』は股関節までの下半身と、骨盤・上半身・腕・バットといった各分節(身体の各部分のこと)がわずかの時間差で動くことを理想とします。

動き出し(始動)に差がでることこそバッティング時に体幹によるムチのしなりを生むための必要不可欠な要素なのです。

筒香選手のバッティングは2015年後半頃からそうした体幹の捻じりにしなりを伴った動作に少しずつ変わっていった経緯があります。

骨盤ファーストを可能にする前傾姿勢

 

出典:https://goo.gl/LyLvuq

バッティング時の構えからボールを捉えようとバットを振る前まで、これからグリップの位置を変えないで骨盤が回るという直前の映像です。

構えからこの瞬間以降も筒香選手の骨盤は前下方に傾く前傾位にあります。

対比の写真と比べると良くわかるかもしれません。その前傾角度はおそらく40度近くあるでしょう。

だから腰から背中にかけての部分も反っているように見えるのです。

骨盤が前傾するとバッティングにはどのような影響があるのでしょうか。

様々な効果がありますが、最も大きい影響は体幹が最大限まわしやすくなるということでしょう。

大腰筋・腸骨筋・多裂筋・内腹斜筋といった姿勢安定保持機能を高める深部筋群が、しっかりと伸びることでしっかりと使われやすくなる

強くバットを振るための理想的な脊柱の“S”字カーブが完成する

腹直筋・起立筋・ハムストリング・臀筋群等の表層筋群が、深層筋群の安定に伴いよりダイナミックに働く・回旋する。

こうした役割の異なる筋肉が協調した形でバットを鋭くパワフルに振りやすくしています。

体幹部のこうした前傾状態を保って力強くバットを振るには体幹内部を動かせる機能が相当高まっていないと無理なのです。

新人時代からインシーズン、オフシーズに関わらず明確な目的を持って積極的に体幹を鍛えてきた成果が現れていると考えて良いでしょう。

こうした体幹部の捻じる動きや使い方はゴルフの松山選手の動きにも通じるものです。

行かないとわからない真実

筒香選手は2015年オフに多くのメジャーリーガーを輩出しているドミニカ共和国へのウィンターリーグへ単身武者修行に出向いています。

その時のTVインタビューで以下のように述べていたのが印象的です。

ベイスターズで一番(良い)成績出して・・・、ちやほやされるって言ったらあれですけど・・・、居心地いいじゃないですか!? ベイスターズにいたら! でも居心地悪いところでもっとやった方が成長できるんじゃないかなと。

出典:バースデイ DeNA筒香嘉智 チームの4番から”日本”の4番へ(https://goo.gl/xRqFqQ)

温厚な筒香選手ですが、しっかりと主張していて彼が今後のどのように見据えているのかが伺えます。

精神面の強化を主な課題として挙げていた印象ですが、日本ではごく限られた外国人投手のムービングファーストボール(MVF:打者の手元で微妙に変化する球種)をドミニカでとにかく体験したかったのかもしれません。

第1戦こそ手元で微妙に動く球に手を焼いていましたが、バッティングフォームをマイナーチェンジする等して試合をこなすごとに対応することができたようです。

MVFボールは手元までしっかり引きつけることで球の見定めができ芯でとらえることができます。

からだのなるべく近くでボールを捉えるためには(シャープなスイングのための)身体のキレが必要です。

そのためには以下のような順番で下半身が先に始動し、その捻れが徐々に上に伝わるような動きが必要なのです。

骨盤が動く(回る)→グリップエンド始動→上半身が動く(回る)

ドミニカ共和国での経験はまさしく「いかなければ体験できなかった」彼にとって昨シーズンの“覚醒”への財産に繋がったといっても過言ではないでしょう。

勝利への打撃は平常心で!

WBCは誰もが主役です。何しろ日本を代表して各球団から集められた精鋭ぞろいなのですから!

しかしその中にあって4番に任された役割は累上のランナーをホームに返すか、みずから得点すること以外にありません。

得点のチャンスにはなぜかそのチームの勝利のカギを握るプレーヤーにお鉢が回ってくるものです。

そして今の筒香選手はその機会を与えられた唯一無二の選手だと確信しています。

その時如何に平常心を維持してバットを振れるか、いつも通りの下半身が始動し骨盤・上半身へと繋がるスムースでパワフルな捻じりを伴った動きで好球必打できるかです。

筒香選手には是非その気持ちで打席に立って欲しい!と願いながらWBC準決勝VSアメリカ戦での活躍を期待せずにはいられません。

さあ、勝負の行方や如何に!

TM鈴木

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