今シーズンスキージャンプ女子で大活躍している高梨沙羅選手、その快進撃は今も止まらず先頃ワールドカップ通算最多勝利数(53勝)を達成しました。
高梨沙羅さんの実家(北海道上川町)はコンビニ(セブンーイレブン)を営んでいて、小さいころからバレエを習っていたということです。
一方、芸能界ではその活躍を知らない人がいないとまで言われる人がいます。日テレの「世界の果てまでイッテQ」で有名になったイモトアヤコさん
2人は目的は違えどちょっとした共通点がありました。今回はそのお話しです。
Contents
2人に共通するもの、それは・・・
高梨選手もイモトさんも強い体幹(能力)を持っています。一般的には「体幹が強い」等と言われますが、TM鈴木的には『機能的な体幹をしている』といったほうが良いでしょう。
機能的な体幹の意味
メディアによれば高梨選手は子供のころからバレエをしていることや、“かまぼこ”の形をしたストレッチポールを使って体幹トレをしていること等がパフォーマンスアップに役立つと報じています。
つまり、バレエをしていたから体幹が強くなった、かまぼこを使ったから体幹が強くなったということ、でもこれはTM鈴木的にはちょっと違います。
体幹を【強さ・弱さ】で判断すると必ずといっていいほど、「ブレない・固める・安定」等のキーワードに繋がります。でも体幹の機能ってそういったキーワードで括れる程簡単なものではありません。
TM鈴木は体幹を【強さ・弱さ】では判断しません。あえて言うなら機能的かどうか、つまりその動作に対してどの程度体幹の能力が働き・貢献してくれるかを観るのです。
人の身体や動きは機械に例えることはできないということです。いや、正確に言うなら機械に例えることは簡単ですが、例えても当てはまらないことが多いのです。だから技術の進歩はある部分だけを修正すればまったく違う!ということはありません。
どこかを修正すればどこかにその歪(ひず)みがまた生じる。それを直しながら、その直すことでできた歪みをさらに修正するといった延々と続く作業の繰り返しなのです。
体幹はブレるもの!?
人は考え方ひとつでその行動やパフォーマンスが見違える程に変わるものです。凝り固まった考えを排除できる“脳”の柔軟性を洗練させるだけで、今あなたが実践している仕事や勉強の最強のパートナーとして生かすことができることを知るべきでしょう。
体幹は固めるものじゃない!
高梨選手はジャンプの際、
①急斜面を滑り落ちる助走での低い姿勢
②踏み切り時の爆発的な飛び出し
③飛び出したその滑空(空中)姿勢の美しさと風を捉える能力
が優れていると言われています。
いずれの動作でも「体幹をブラさず安定させる」ことが身体に求められています。
このことから
体幹=固定→ブレない→安定
といったキーワードが関係するようなイメージになるのでしょう。
しかし人が動くとき、体幹は常にブレているのです。この辺が先述した「人は機械ではない!」という意味です。
大切なことはブレている体幹を常に身体の中心とする場所に戻せる能力です。これが体幹の本当の機能なのです。
そう!体幹はブレてもいいんです!体幹はブレるものなのです。
そう考えれば、相手にタックルを食らいそうなときに体幹をガチっと固めたり、バランスが崩れそうになるのを防ぐためにブラさないように!等と考える必要がなくなるでしょう!そう思いませんか?考え方・捉え方ひとつで動きが変わるというのは正にこういうことなのです。
車のハンドルと同じです。我々は曲がるときにハンドルをその曲がりに合わせようと切りますけど一発でその曲がりに合わせて切っているわけじゃないですよね。カーブの曲がりに合わせながらハンドルの切る割合を微妙に変えています。
身体もまさしくこういうことをしているのです。ブレそうになった身体を元に戻すという作業を繰り返しながらその運動をしているわけですね。
体幹はブレるものと考えれば『体幹トレーニング=固める・固定させる』という考え方が如何に身体の機能を損なっているのかが理解できるはずです。
ブレたら直ぐに元に戻す
ではどうすればいいか?ブレたらすぐに戻せるようにすればいいのです。それが体幹トレーニングの真実であり、最も大切な根幹の考え方なのです。
高梨選手が“かまぼこ”を使って行っているあの体幹トレ、あれは元々不安定で身体がブレる状況でそのブレを瞬時に元(身体の中心)に戻そうとすることが目的です。決して動かさないようにすることが目的ではないのです。
目的を誤っていてはその運動効果は・・・、推して知るべしですね。高梨選手はその辺りを知っているのかどうか、そしてそれを教える指導者も【その事実】を知っているのか、その辺りを報道するメディアも含め知らせるべきかもしれません。
イモトさんの真実
高梨選手とイモトさんに何か共通点はあるのでしょうか?最近目元メイクばっちしで可愛くなったと世間で評判の高梨沙羅選手と、かたやまゆ毛メイクばっちりのイモトさん、あまりにも違い過ぎるような気もしますが。
いえいえ、実はあったのです。イモトさんも体幹トレーニング(らしきもの)はやっているようです。ただ今回取り上げるのはそこではありません。
イモトさんはTVの企画でキリマンジャロ・モンブラン・マッターホルン・マナスル・マッキンリー・アイガー等、名立たる山を登頂しています。さらにその前段階であるトレーニング登山等はその数倍以上の経験数をもっています。
登山は上り坂や下り坂はもちろん、岩や不安定な道を進んでいく必要があり、行程中はその疲労も伴いながらのいわゆる運動なのです。股関節(大股)を広げて身体を移動させる場面や、落ちないように身体の中心(軸)をブレたら直ぐに元に戻す必要があります。
こうした動きを何度も経験することでイモトさんの身体には自然と「ブレた身体の中心を元に戻す」という機能が身についている可能性があります。
身体の【中心】を理解する
体幹はブレるものなんだからブレたら元(中心)に戻せばいい!ではその“元(中心部)”はどこなのか?それを理解することが体幹トレのもう一つの真実なのです。
お腹の中生まれる球!?
「おへその指3本幅分下のさらに奥にピンポン玉より一回り小さい球がイメージできますか?」いきなりなんのことか!と思うかもしれませんが、良く考えれば理解できます。
体幹ばブレるもの!ブレたら瞬時に元に戻せばよい!
そう捉えるなら戻すべき“元(中心部)”の位置を知っておく必要がありますよね?知っておく、つまり脳で理解しておくということです。
そのポイントが【おへその下指3本幅分のさらに背骨側に人差し指分の奥行のポイント】です。簡単に言えば第3腰椎の前辺りです。丹田と言われる所に近いかもしれません。
TM鈴木おすすめのコア・エクササイズをしていくとこのポイント(=Axis Core Point:軸芯)にピンポン玉より一回り小さい球がイメージできるようになります。
身体のブレを戻すための中心となる点がACPであり、それが脳で理解できていれば(実際に下っ腹の奥にあるイメージが描ければ)ブレる場面であっても戻すことは容易なのです。
体幹トレにおいては如何にこのACPを脳内にイメージできるか、そこが重要な要素でありそのための種目でなくては意味がないのです。
脳内イメージとローカルを結びつける
高梨選手もそうした脳内イメージとローカル(体幹の中心部であるACP)の結びつきが非常に高い!だから実際の動きでああした圧倒的なパフォーマンスができるのだと考えられます。
イモトさんにしても、実際の登山やそのための訓練がACPと脳内イメージの結びつきを強めたと考えれば、いくつもの高所を制覇している結果を観るにつけ納得がいくものかもしれません。
単にかまぼこの上に乗って静止していればいいということでは絶対にありません!
それではその状況(かまぼこに乗っかっている)でのブレにくい体幹は確立できても、実際の(運動中)様々な変化に合わせてブレを瞬時に修正する能力は身に付きません。
普段のかまぼこエクササイズや他の体幹トレで如何に脳内イメージとACPがあるローカルを結びつけるかといった行動や考え方が重要なのです。その脳とローカルへの刷り込み作業を行わずしてただ“かまぼこ”に乗っていても、素敵な効果を得ることは難しいでしょう。
だから体幹トレーニングってば特別なもの!ではないのです。
体幹トレって立っていても座っていても寝ていても、さらに動いていても普段の日常生活でできるものなのですよ!手と足で身体を支えてブリッジを作って・・・といった動き以上に、日常生活の中で脳内イメージと体幹部というローカルを繋げる作業がとっても大切なのです。
あなたの脳内イメージと身体の仕組みをしれば特別なことをせずとも体幹トレーニングになることを知っておくべきでしょう。従って大切なのはあなたの考え方次第というわけで、わざわざ書籍やメディアで紹介される関連運動をしなくても日常の動作で十分体幹トレーニングになるわけなのです。
まとめ:高梨選手とイモトさん
如何でしたでしょうか?
あなたに少しでも体幹トレーニングの真実を知っていただけたらTM鈴木は嬉しいです。
ネットや書籍やTV等、巷に溢れる体幹トレのポーズや姿勢、あの中にどれ程の意味が込められているのかを知っていただければあなたの目標にググッと近づけるはずです。
高梨選手がなぜあれほどのパフォーマンスを発揮できるのか?
イモトさんはどうして苦しみながらもあんな断崖や高所登っていけるのか?
身体の仕組みを知ることで上手な動かし方の手がかりに大いに役立ちます!
あなたもおへその下の奥に【ピンポン玉】がイメージできるはずです。こうした機能的な体幹を身に付けたい方はこちらまでご連絡ください!
TM鈴木