ダイナミックな肩甲骨動作の担い手前鋸筋の伸展エクサとは?~骨盤前傾角と脊柱の大きなしなりが生み出す肩甲骨の洗練性~

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肩甲骨は「投げる・打つ(打撃含)・押す・引く」等、腕をスムースに動かす動作に必須の部位です。

そしてその動きは肩甲骨の動く範囲(可動域:ROM)に左右されるといっても過言ではありません。

肩甲骨の可動域は日常生活でも必須で、例えばこの動きが制限されると肩・頸・背中のコリや張り違和感から頭痛の要因とまで言われています。

当コラムではこの肩甲骨の動きと身体構造上セットになっている体幹部の動きの詳細に迫り、具体的なエクササイズ法を紹介していきます。

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肩甲骨を動かすために必要な要素

肩甲骨はそれ自体単独では動きません!

正確に言うなら動くことはできますが、それではスポーツ活動や日常動作での理想的な動きからはかけ離れてしまいます。

相互に関わる3部位の動き

肩甲骨をしっかりとダイナミックに動かすためには次の2つの条件が必要です。

①骨盤前傾位

②脊柱のしなり

①骨盤を真横から観た(矢状面)傾きつまり前傾角が大きくなることで、③脊柱のダイナミックなしなりを生み出し肩甲骨の大きな動きに繋がります。

肩甲骨の動きの獲得を目指すべくいくら肩甲骨そのものを動かしても、その効果の程には大きな疑問符が付くと言わざるを得ません。

肩甲骨をダイナミック且つスムースに動かしたいなら(極論ですが、黒人アスリートと同じくらい)骨盤前傾角度を大きくすることです。

それには骨盤を前傾に維持するために必要とされる体幹深部筋群や関連する組織への刺激とエクササイズが必要となります。

脊柱の【しなり】まで伴った動きの獲得も合わせて行う必要があり、その方法はTM鈴木オリジナルメソッドで提供しています。

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この3部位の構造上の統合された動きはスポーツ動作(日常動作)を行う上では基本中の基本となります。

故に骨盤前傾・脊柱のしなり・肩甲骨動作が失われることは、そのスポーツ動作における動きの制限を意味し、パフォーマンスアップを阻む大きな原因ともなるのです。

肩甲骨の特定の動きを再教育

肩甲骨の大きな動きの元は骨盤の前傾角度です。

骨盤前傾角については以下のページを参考にしてください!

黒人アスリートの身体に近づく:短距離スプリント
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なぜこの2つ(厳密に言えば【脊柱のしなり】を合わせた3要素)が関係しているのかは、以下の動きから確認ができます!

四つん這い(4点支持)での肩甲骨(前鋸筋伸展)エクササイズ:スキャピュラー・フロートです。

この動きは立位でも応用ができます。

もちろん骨盤前傾位により脊柱の生理学的な“S”字カーブができていればこそ可能となる動作です。

これがまともにできるのは実は骨盤が前傾位になった時だけです。

骨盤が後傾位や一般的な位置(中間位)では肩甲骨はその動きに大きな制限がかかってしまいます。

中間位(普段の角度)でも肩甲骨はほとんどこの動きはできないし、ましてや後傾位では肩甲骨はまったく動かない、この事実を知ることで骨盤の前傾位や脊柱のしなりの重要性が深く理解できるはずです。

肩甲骨の洗練性と腕のダイナミックな動き

肩甲骨の動きは例えばオーバーヘッドスローイング(ピッチング/やり投げ/スマッシュ/スパイク)等ではその重要性は際立ちます。

一見すると無関係のように見えるアンダーハンドスローイング(ソフトボール)やボウリングスロ―イング)、そしてゴルフスイングも肩甲骨がしっかりと働いてこその動きというわけです。

後方から観ると上下左右に動くだけでなく、斜め逆側下方への引っ張り(下方回旋)や斜め上方への引き上げ等、さらに斜め前方への移動等立体的にダイナミックな動きをすることで、腕の自由な動きを可能にしています。

鋸の歯を連想する前鋸筋を刺激

 

出典:https://goo.gl/EhmK1s

先の伸展系エクササイズは肩甲骨内転と下方回旋という2つの動きの刺激には最適です。

この二つの動きには前鋸筋(ぜんきょきん:Serratus Anterior 上手参照)という筋肉が主に関わっています。

腕を挙げる際に土台である肩甲骨をしっかりと特定位置に固定する役割を担い、肩甲骨の内転*1)と下方回旋*2)(先の動画を参照)を強力に引き出すことで大きくスムースな動きを可能にしています。

*1)左右の肩甲骨が背骨側に近づく動き(絞り)

*2)肩甲骨が逆側斜め下方に引き寄せられる動き

体幹と腕の【しなり】を結ぶ中継点

最も効率的でパワフルな能力を引き出せる動きとは【しなり(たわみ)】です。

走る・投げる・打つ・跳ぶ等のスポーツ動作で人の身体には動作対象となる腕(脚)だけでなく、体幹部でもこの【しなる】動作が起こっています。

体幹のしなりと腕のしなりを繋ぐ絶妙の仕組み(中継点)が肩甲骨なのです。

肩甲骨の動きがダイナミックでスムースであれば体幹で得られた力(エネルギー)は、ロスすることなく肩甲骨を経由し腕からボール(ラケット)等の対象物にダイレクトに伝えられます。

まとめ:

殆どのスポーツ動作に必須のダイナミックな肩甲骨の動きについて映像を交えて解説してみました。

特徴的なエクササイズがスキャピュラーフロート:前鋸筋伸展エクササイズです。

肩甲骨の動きは骨盤の大きな傾斜角度(前傾)と脊柱(体幹)のしなり具合に依存します。

プラスして前鋸筋を上手に緩められることが、肩甲骨のダイナミック動きのベースとなります。

もう一段上のパフォーマンスアップを目指すアスリートや日常生活動作を楽にしたい方々に身に着けていただきたい動きです。

TM鈴木

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