前回は市民ランナーなら誰もがしっているであろう膝の痛み、特に腸脛靭帯炎についてその仕組みと速度を含めた走り方の問題に迫りました。
今回は[Part2]膝外側の痛みの解消を目的として、膝下走りによる腸脛靭帯のテンション(緊張)を緩め、骨盤後傾位を改善する方法をお伝えします。
痛みを引き起こさないためには大切なことは痛くない走り方に変えること!特に・・・
①膝の屈曲角30°付近(インピンジメント・ゾーン)での擦れる回数を少なくする
②ある程度速度をあげる!そのためには骨盤の後傾を“気持ち”前傾に起こす
走行時に①②を実践できると痛みは解消するはずです。
では早速、TM鈴木オリジナルの後傾位改善メソッドにチャレンジしてみましょう!(^^)!
Contents
走る姿勢は変えられる!?

出典:https://goo.gl/4iD1Yu
賢明なあなたなら既にお分かりのように、走る姿勢に気をつけないかぎりこうした膝周囲の機械的ストレスを減らすことはできません。
どういった姿勢が理想なのか?それはトップレベルの走る姿勢が参考になるはずで、特に東アフリカ(ケニア・エチオピア・タンザニア)勢の走りは理に適っています。
トップレベルは?
日本人の中間位から後傾位という骨格構造に加え、主に膝下が動く(膝下走り)市民ランナーの走りの特徴によって骨盤は後傾気味となり、腸脛靭帯の緊張は一層高まります。
一方トップランナーは大腰筋を主としたコアを中心に共働するハムストリング、そして下背部&臀筋群で着地の衝撃を吸収・分散、膝の外側荷重を含む横ブレストレスを最小限にして、安定した走りを実現しています。
膝下を中心に動かす市民ランナーが、外側脚荷重が最も高まる膝関節屈曲30°付近で着地するのとは対照的に、世界レベルは脚を30°以下で伸ばし気味にして着地し、膝周囲にかかる負担を驚く程減らしているのです。
走りのメカニクス(仕組み)と体の機能を理解すれば、単に走る練習だけでは起こりうる様々なリスクを回避することはできないことに気づくはずです。
一流どころはそのためのトレーニングも積んでいるわけで、だからこそケガを避けて世界で活躍できるのでしょう。
走る姿勢に負荷を加える
骨盤を前傾させて走るためには、考え方を根底から変えそのための専門的な体づくり(肉体改造含め)等、多くの時間と労力を必要とするため現実的ではありません。
通常は速度をある程度高めないと走る勢いは高まらないし、前進する推進力がないと骨盤を前傾して走るというスタイルは難しいのです。
だからこそ遅い速度でも(骨盤前傾とまではいいませんが・・・)、骨盤を中間位から多少前側に傾斜させた姿勢を維持できる走法に変えていくことが膝への負担軽減に貢献してくれます。
そのためには体や動きの仕組みについて理解を深めつつ、走る練習以外のトレーニング時間を確保(目安は走りの練習の1/3)し、実践する必要があるでしょう。
とはいえ骨盤前傾を意識すればいいかというとそういう問題ではなく、体や脳に「骨盤の傾斜角をすこ~し前斜め下方向に傾けて走れるように今、○○をやっているよ~!」と毎日少しずつでも信号を送り続けなければなりません。
違いを体感する!骨盤後傾/前傾位

「骨盤前傾 vs 後傾」の比較
体の動きは脳でコントロールされ、イメージする動きを覚えるまでには小さな子供と同じで、たくさんの時間を必要とします。
子供が少しずつ色々なことを覚えるのと同じように、体もまずは希望する動きを何度も試すことで脳がその動作を認識するわけです。
毎日チャレンジ!「Everyday you make challenge!」
それは歯を毎日磨くことと同じです。
腸脛靭帯を緩める方法
骨盤前傾を維持する走りにも繋がるとっかかり、そして骨盤後傾で膝下しか動かない走りを改善する方法として以下の方法をおすすめしています。
①腸脛靭帯を緩める

腸脛靭帯を緩める方法:【ツブツブ】を使う!
腸脛靭帯は[靭帯]なので伸びませんが、緩まります!そしてそれを緩める条件がほぼ一体化している大腿筋膜腸筋(TFL:Tensor Fascia Latea)を緩めることです。
TFLは筋肉ですのでストレッチングも有効ですが、靭帯との比率だと1/5程度の大きさのため、伸ばすより圧を加えて弛緩させる方が効果的でしょう。
そこでセルフ・ボディコンディショニング・ピラー【ツブツブ】にのってTFLに圧をかけることで筋を緩めてその上でストレッチングをおすすめしています。
骨盤前傾位を体感する

【ツブツブ】を骨盤の出っ張り(PSIS)より少し脚よりに置いてのってみる!
まずはとっかかりなので骨盤前傾がどういったものか?これをあなた自身の身体で体感することが最もわかりやすいでしょう。
上後腸骨棘(PSIS)より横指2本分程下付近:ヴィーナスのえくぼより下に【ツブツブ】があたるよう仰向けになり両手を頭上にあげてみましょう。
そのまま脚を伸ばしていただき1分程ゴロゴロ/ユラユラしていると徐々に骨盤周りの筋肉が緩まり脚の重さで骨盤は前傾になります。
・左右鼠径部からおヘソの高さ位辺り(下腹部)にハンパない伸びがあります
・お腹の表面だけでなく奥の方が伸びる感覚が現れます
・下背部付近、いわゆる腰は縮まる感じの緊張があります
まずは緊張している腸脛靭帯そのものを【ツブツブ】にのり圧をかけて緩めた上で、骨盤前傾を仰向け姿勢で体感されてみては如何でしょう?
骨盤周りの筋肉の使い方を再教育することで骨盤後傾での走り方が変わり、長い目でみれば膝周りの痛みをコントロールすることが可能です。
現在膝に問題を抱えていたり、タイムを少しでも縮めたいと考えるあなた、もし新しいことにじっくり取り組んだりチャレンジしたいスピリットがあるなら、こうした手段を試す価値は大いにあるはずです!(^^)!
まとめ:

痛みのない走りへ!
腸脛靭帯炎を解消するため、緊張する靭帯を緩めながら走行時の膝下走りを誘発する骨盤後傾(位)改善に取り組む必要があります。
まずはTM鈴木が提唱する【ツブツブ】を使った大腿筋膜腸筋の弛緩と大腿骨外側部のストレッチングを試してみましょう。
同時に【ツブツブ】を使って前傾の感覚を体感することで、骨盤後傾との違いをあなた自身の感覚で体感することができるはずです。
体や動きを変える!ことはそうたやすくできるものではありませんが、毎日カラダに感ずる[驚き]と[発見]があれば興味を持って継続が可能でしょう!(^^)!
TM鈴木