日本人の運動能力を高める!『伸ばされる』の筋特性に注目~大腰筋とハムストリングの働きを最大限に生かす心得と実践~

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エンゼルス大谷翔平選手を含め若干名が在籍するMLBと違い、欧米のトッププロリーグで日本人アスリートが活躍することはまだまだ稀といっていいでしょう。

日本人選手が活躍できないのは運動能力が低い/それ程高くないためで、それは各々の競技に適した筋発揮能の習得が不得手なこと、さらに筋肉特性に応じた動きを引き出せないことが大きな要因です。

今回は特に筋特性を引き出しにくく「伸ばされる」筋肉と言われる大腰筋とハムストリングにフォーカスし、動きを理解した上でスポーツや日常動作に繋げる方法を探ります!

大腰筋&ハムストリングの特性を理解すれば、上手に刺激し伸ばす(張っている)感覚を身に付ける実践が確立でき、黒人アスリート並みの動きを目指すことも可能でしょう!(^^)!

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骨盤前傾の担い手

伸びた状態を維持することでその力を発揮する!

日本人アスリート・指導者が中々トレーニング効果を実感できない(実践法がわからない!?)筋肉、それは大腰筋とハムストリング(大腿二頭筋&半腱様筋・半膜様筋)です。

ふたつの筋とも「伸ばされる」感覚があるか否か!アスリート&一般人含め、思い通りの動きを可能にする【機能的】骨盤前傾位:FAPTAを身に付けるためにも大切な要素です。

なぜなら双方が「張る/伸びる」ことで、股関節軸まわりが前斜め下方向へ傾き、骨盤前傾位を形成するからです。

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伸びることが優先される筋肉

大腰筋と共にその筋特性に注目すべきハムストリング

筋肉には「縮める」と共に関節を介し他の動作によって「伸ばされる」という機能があり、特に大腰筋とハムストリングは「伸ばされながら」力を発揮する筋の代表です。

しかし黒人アスリートと違い日本人のそれは断面積が小さく「縮む・硬くなる」傾向が強い!さらにこれらの筋肉を働かせることがとても苦手です。

こうした筋の特性を知らないため能力を高めるトレーニング法が確立されておらず、それが日本人選手がビックリーグで活躍できない理由のひとつともいわれます。

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左股関節が中心軸となる動きでは骨盤が12時から10時方向へ傾く(骨盤前傾)と、脊柱より前の大腰筋は足方向に、後側のハムストリングは頭上方向に伸びるという関係にあります。

骨盤前傾によって大腰筋側は鼠径部から下腹部さらにお腹の奥も伸ばされるし、ハムストリング側は中・小殿筋が緊張することでお尻が上がるという外見と意識上の感覚が得られます。

最深部の大腰筋が伸ばされながら力を発揮するのと同時に、帯のように下腹部を取りまく腹横筋の緊張、腰付近は起立筋や深部にある多裂筋が収縮してお腹周りが引き締まります。

すると背骨(脊柱)を守るお腹周りの筋サポートが強固になり、さらに胸郭の引き上げ・拡大、前側にスライドしていた肩甲骨が背骨側に寄る“絞り”が促され、チーターが歩く時のように肩甲骨周りが盛り上がるようになるのです。

結果的に体の前側が伸びて背中(中背~腰)が反って横からみると弓なりになり、背中そしてバスト&ヒップとウエストの差があるメリハリボディに近づくというわけです。

伸ばされる感覚があってこそ!

筋肉(骨格筋)は元々「縮む」という働きのみですが、拮抗という逆側に付く関節を介した筋収縮作用によって、逆に『伸ばされる』働きを生み出しています。

この『伸ばされる』際に力を発揮する!?のが得意な筋肉をたくさん刺激することで、走る・跳ぶ・泳ぐ・その他の動く機能は格段に高まるのです。

このように骨盤前傾にとって重要な役割を果たす大腰筋とハムストリング、しかし問題は日本人だと特にこうした筋肉が使われにくいため、伸びにくく硬くなるという点です。

両者とも深部だったり裏側にあったりで自分の目で観れない触れられない!さらに使う(働かせる)にはちょっとしたコツがいるので、衰えやすい(硬く伸びにくい)のです。

ハムストリングと大腰筋を使えなければ人はすぐに衰えてしまう!この両者を使えるなら他部位の骨格筋や関節の動きはつられて刺激される!と言われる程重要な部位なのに!

逆にこの二つを刺激できればスポーツ・パフォーマンスはもちろん、アンチエイジングという目標は着実に達成することが可能でしょう。

鍛えるはX、伸ばされるで力発揮〇

さらにやっかいなのが日本人が「鍛える=トレーニング」という混同や固定的思考が意識の中にありることです。

この “常識” とされる思考を如何に改善できるかが、運動能力を高める秘訣であり、そこにフォーカスできない現場指導者やアスリートがなんと多いことか!

この両筋を『鍛える』とイメージすることは大変危険であり、多くの場合レッグ・カールやスクワットで「縮める」を意識した動作によって、本来の機能発揮を阻害している現状を知りません!

ハムストリングと大腰筋はアスリート・一般人であれ「緩める/伸ばす」ことが必須で、両筋とも伸ばされるながら一定の筋長を維持して、力強くスムースな動作に貢献するのです。

スクワットでは体を沈めていく過程で、大腰筋の伸びを維持しながらハムストリングがしっかり伸ばされる感覚を得られるのが理想なのです。

体を支える力持ち

(左)股関節を軸として骨盤が前斜め下方に傾斜する!

筋肉は体をどう動かしたいのか?によってその働きは大きく異なります!だから常識的な範疇とかテキスト通りにその機能を覚えてしまうことは非常に危ういことです。

動かし方によって重要度が変わる筋機能やその働きの違いを認識しなければ、運動能力を高めるどころがまったく意味のないトレーニングになる可能性さえあるのです。

大腰筋は骨盤を前傾させない!

「大腰筋は骨盤を前傾させる!」これは正直いえば正解ではありません!腸腰筋(大腰筋・小腰筋&腸骨筋)なら骨盤を前傾させる!でいいはずですが。

骨盤前傾に直接関わるのは大腰筋と途中から交わる腸骨筋の収縮で、大腰筋は腸骨筋の働きをサポートするものの、骨盤前傾には直接関わりません。

大腰筋は股関節内側に付着する筋端の停止部付近の力が強ければ強い程、腰椎を反らせ反り腰(腰椎前彎)を誘発します。

腰椎が過度に前彎すれば“クッション”としての椎間板を上下の椎骨(背骨の骨)が圧迫することで、酷くなればヘルニアに移行する危険性もあります。

逆に大腰筋が縮み硬くなって腰椎前弯を含む脊柱のカーブが失われ、重力荷重と体重が椎間板を過度に圧迫し一本の棒のようになった結果、腰痛を招く場合もあります。

大腰筋は強く縮み過ぎても弱くて硬くなりすぎてもダメ!脊柱が程よく(できれば最大限に)伸ばせる/しなる状態を維持するための「伸ばされ感」を維持しておくことが、体を自在に動かす秘訣です。

走りで差がつく大腰筋の真の働き

大腰筋が使われないと片足荷重でこうなる!

さて、大腰筋は単なる屈曲(脚をお腹側に引き寄せる)動作じゃない!といいましたが、であれば他にどんな重要な役割を担っているのでしょうか?

その答えは走る際の片足荷重(逆足が空中に浮いている状態)時、つまり片脚で体重を支持するミッドサポート(MS)で浮き彫りとなります。

MSでは荷重する側の股関節を中心とする骨格機能、つまり骨と関節で体重を支持しますが、そこに大腰筋の筋長固定という深い関わりがあって初めて安定するのです。

つまり片足荷重で同じ側の大腰筋が働き骨盤ー腰椎の横ブレや、真横から観た際のお尻が落ち気味で背中が丸まるブレを抑える役目を担っているのです。

骨盤から背中にかけての反りで力がフルに伝達!

片足荷重になる直前、骨盤前傾位によって適度に伸びた状態の大腰筋は、着地の瞬間に腰椎ー股関節内側の筋長ラインをギュッと固めることで上半身に起こるブレを制限しています。

大腰筋が働けば働く程推進力の妨げとなる上半身の無駄な動きを抑えるため、骨盤と腰椎部は無駄なく下肢からのエネルギーを上肢に伝えるので、真っ直ぐに走ることができるのです。

注)ボルトは上半身ブレブレだったけどあの走りってどうなの?       ボルト選手(現在は引退)が揺れているのは胸椎より上であり、「骨盤ー腰椎」部分におけるブレはほとんどありません。因みに彼の走りは肩甲骨の内旋&下方回旋が左右交互に起こることでブレるだけで、それは彼の走りをむしろ勢いがいついて速くすることに貢献していました。

横から観た前後の動きを引き出す!

①前後方向から観た横のブレや②骨盤ー腰椎ラインが曲がる上半身と下半身のバラツキを抑える代わりに、③真横から観た前後の “しなる” 動きはしっかりと引き出す!

大腰筋によって脊柱の “しなる” 動作が勢いを増すことで、③の動きは、特に50mからの最高速度維持区間で大きく発揮されます!

TM鈴木が長らく提唱してきた鳥類が走るときに頭を前後に動かして推進を勢いづかせる「コッコ走り」は正にその③の典型です。

大腰筋とハムストリングの「伸ばされながら」筋の長さを維持する(能)力が骨盤前傾を強め、隣り合う脊柱と下肢の動きが体幹のしなりを生み出すことで、さらに走りの推進力を高めます。

骨盤前傾によって起こる隣接部位への(比喩的にいうなら)「“奇跡的”な位置変化の連鎖によって運動能力が高まる!」この動き創り理論と実践法をFAPTA*1)といいます!

*1)【機能的】骨盤前傾位の略

驚くことにFAPTAでは大腰筋の一般的に言われる役割とは違ったこうした貢献が必要になるのです。

「伸ばされる」感覚の身に付け方

骨盤前傾(位)!これが姿勢のベース

思い通りに体を動かせるための大切な筋肉、それが大腰筋とハムストリングということは理解できたはずです!

ではこの両者どうすれば「伸ばされる」感覚を身に付けられるのでしょうか?それは常識の範疇を超える斬新な発想から生まれました!

ヴィーナスのえくぼon【ツブツブ】

【ツブツブ】を通じてみずからの“意志”を体に伝えよう!

◎運動能力を高める

◎自分のおもった通りに動く体にする

というふたつの観点から大腰筋とハムストリングの「伸ばされる」感覚を身に付けるワークアウトをご紹介します!

ポイントは以下の2点です。

①セルフ・ボディコンディショニング・ピラー【ツブツブ】*2)を使う

②ヴィーナスのえくぼを支点にする

*2)TM鈴木が考案・開発した「動く体を身につける」多機能コンディショニング・ツール

【ツブツブ】とは?
【ツブツブ】とはプロ・アスレチック・トレーナーであるTM鈴木みずからが考案・開発し、販売までを手掛ける、セルフ・ボディコンディショニングに特...

股関節を軸とした伸ばされる感覚

ヴィーナスのえくぼにフィットさせると自然な骨盤前傾が!

体に対して(床やマット上に)直角においた【ツブツブ】上にあなた自身が「ビーナスのえくぼ」でのるようにします!これでセット完了!

*お尻の上にあるヴィーナスのえくぼで【ツブツブ】にのる!

最初は両膝を立て少し位置を調整しながら最も“すわり”の良いポイントを探してください。

なんとなく「あっ、ここだ!」というところが見つかったら両脚をしっかり伸ばして両腕を頭上にあげます。

この時以下の感覚的な発見があればベストポイントで、【ツブツブ】があなたの体にミラクルフィットしている証です!

①骨盤が最も前傾する

②下腹部が頭上に伸びる

③腰が縦方向に縮む

④お腹まわりが縦方向に伸びる

「ヴィーナスのえくぼ」でツブツブに上手くのれれば、股関節軸を中心に自然な骨盤前傾によって深部大腰筋と後側のハムストリングが同時に程よく伸ばされる感覚が得られます!

まずはこのペルビックワーク(骨盤動作)を継続し、両筋肉への伸張性刺激(伸ばして張っている感覚)を高めてみてはいかがでしょう!

体中に巻き起こる新たな感覚によって心身共にリフレッシュするのと、全く違った姿勢と動きが感じられるはずです!(^^)!

まとめ:

大腰筋&ハムストリングの活性化がFAPTAに貢献

体を思い通りに上手に動かす!その大元は筋肉、特に重要なのは筋特性を理解した動き方を身に付けることです。

「伸ばされる」ことが得意な大腰筋やハムストリングに如何にその感覚を伝えるか!これがスポーツや日常動作における動きのセンスを高める秘訣です。

まずはセルフ・ボディコンディショニング・ピラー【ツブツブ】で、股関節軸を介した大腰筋とハムストリングの「伸ばされる」感覚を脳と体に植え付けてみてはいかがでしょう!

TM鈴木

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