大腰筋が発達し上手に使えるようになると腰パン(腰履き)を好む!
なんのこっちゃ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、れっきとした身体構造的理由があり、大腰筋と腰パンにはそれはそれは奥深い関係があるのです。
もしそのわけを知ったらトップアスリートを目指すあなたは見過ごすわけにいかないはず。
なぜ世界のトップアスリートは腰パンやヒップハングといった腰下でパンツをはく行為を好むのでしょうか?
世界で初めて大腰筋とパンツのはき方の関係に迫った秀逸の内容を是非!どうぞ!(^^)!
Contents
大腰筋とアスリート

腰下ではくのには身体構造上の深い意味があった
いきなり出ました!
何をかくそう100mの現世界記録保持者(引退しちゃったけど)も練習では腰パンでトレーニングパンツをはくのが常のようです(画像は本レース直後)。
なぜそうなのか?これは中々日本人には理解できない行動かもしれませんが、実は黒人アスリートに多くみられる身体構造的な特徴なのです。
アスリートのここに注目!
“バスケ界の王様”も試合の本番ではやりませんが、練習ではこんな感じでトレーニングパンツを身にまといます。

やっぱりパンツ腰履きになってます
黒人アスリート(男性)は往々にしてこういうはき方をします。こうはく!というか、実はこういうはき方の方が身体構造的に楽なのです。

ヘソ(だいぶ)下ではくほうがよい!?
前がへそよりもだいぶ下なので、後側もビーナスのえくぼが完全に見える程トレーニングパンツを下げて履きこなすわけですね。

後側もだいぶ下げる!というか下がってしまう
王様ももちろんそのようです!

ビーナスのえくぼでちゃってるもん
100mの世界記録保持者もバスケの王様もなぜこんな感じでトレーニングパンツを履きこなすのでしょうか?

短距離界で近年目立つ女子の大腰筋露出
近年短距離では女子のウェアにも革命がおこり、股上(またがみ)の短いパンツウエアを身にまとう選手が増えました。
トップアスリートは下腹部横がはっきりと出っ張りメリハリがでる!この出っ張りを覆うような履き方は彼らにとって違和感の何物でもありません!
腹横筋でお腹の圧力が高まり内側から下腹部周囲筋が圧迫されてぼっこり出るというアスリート特有の身体特性です。
しかし腰パンを好むのにはさらにもうひとつ、身体構造上特筆すべき機能性があります。
骨盤前傾にフィットした履き方
ここにとり上げたトップ・アスリートだけでなく、腰パンや“ヒップハング”でパンツを履く選手は他にも沢山います。
特に構造的に骨盤が過度といっていい程前傾する黒人はその角度にだいたい合う感じでインナー&トレーニングパンツを履いているのです。
前側は腰骨の出っ張り(ASIS:上前腸骨棘)より下、後ろは多少上がるもののビーナスのえくぼより下、この“後方からの下り坂”ベルトラインが彼らにとって最もフィットするローライズの位置なのです。

骨盤が前傾していればその傾斜角に合わせた履き方に
お尻の膨らみが始まるあたりのラインでパンツがひっかかることから、こういうパンツウェアをヒップハング・タイプと呼んだり、履き方そのものをそう呼ぶ場合もあります。
彼らがこういう履き方をするのは実はほとんど無意識なんです。
アメリカで数千人にも及ぶ黒人アスリートに接しましたが、彼らの多くはこんな感じで練習等で腰パン履きしてましたもん。
【骨盤前傾マニア】も骨盤前傾トレーニングをするようになって初めてその理由ががはっきりとわかりました。
履き方が心地よく感じるのは下腹部に感じるかなりの圧迫!ヘソまであげちゃうと下腹部への外部圧迫感が非常に強く、動きやすくないし第一とっても履き心地が悪いからです。
大腰筋と腰履きの奥深き関係

上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉
ここらから腰下履きの真実を除く探検!この腰履きに深く関わる大腰筋との深い関係を解説しましょう。
大腰筋は体の最深部にあって背骨の横から骨盤を通って股関節内側にかけて縦に縦断する筋肉、通常ならその動きを知ることはほとんどありません。
大腰筋の発達が関係
大腰筋は外からはまったくその動きが見えないため、いったいどんな働きをするのかを実感することはほとんどありません。

外からはまったくみえない大腰筋
そんな感覚的にわかりにくい大腰筋ですが、特に黒人(アスリート)は本能的・先天的にこの筋の動く感覚を良く理解しています。
なぜなら黒人アスリートは日本人に比べて10~20度以上骨盤前傾しているからです。
例えば骨盤が40度程前斜め下方に傾斜(前傾)していると、大腰筋にはほぼマックスでテンション(引っ張られる力)が働き、それが体を動かす感覚を敏感にするわけです。
この場合の「鍛える」とは縮める動きではなく、伸ばされながらその状態を維持して力を発揮するという意味で、伸張性収縮といい簡単に言えば「踏ん張る力」です。
そう!大腰筋は“伸ばされながらその状態を我慢する”ことが大好きで、逆に縮めることはあまり関心がないのです。
腰履きを好む本当の理由
この大腰筋を断面積で比較してみると、当時100m世界記録保持者のそれは同日本記録保持者のなんと2.5~3倍も大きいという結果を示したのでした。

大腰筋比較黒人vs日本人
これは黒人が先天的に骨盤前傾のまま日常生活やスポーツ動作を行うことで「筋長を伸ばされながら維持する」伸張性収縮が常に起こっていた結果と考えれば辻褄が合います。
大腰筋(断面積)が太く強靭になればなるほど腹空圧が高まり、内側から外側へかけて放射状に内臓や筋肉が押し出される圧迫が生じます。
すると前側の腰骨内側付近には強力な圧がかかり、それをパンツで覆ってしまうと余計な圧によって内側への圧迫感が強くなり、動く時とても不快になるのです。

これは下げすぎ!でも“大腰筋”露出は必然
黒人アスリートが腰履きを好むのは下腹部の圧迫を避けるためです。骨盤前傾で筋長が伸び踏ん張る状態を日常的に繰り返すため、大腰筋が知らず知らずに発達します。
すると内側から外側へ下腹部を放射状に圧迫する力と、そこをパンツで覆うときに内側へ圧される高まる違和感を避けたいからです。
外側に向かってパンパンに張っているため、トレーニングパンツで覆ってしまうと逆に内側への圧迫が強まりかなり居心地がわるいわけです。
日本人の大腰筋は?
太い腕やぶ厚い胸板と同じようにメリハリ(ディフィニッション)の効いたそのボディパーツをみせたい!のではなく、身体構造上機能的にすべき理由があるから腰パンなわけです。
ならば日本人アスリートはどうか?といえば(私の知る限りですが)、残念ながらわずかな数を除き腰パンやヒップハング履きする人は見かけません。
大腰筋露出を目指せ!
腰パン履きは日本文化の影響もありここ日本ではあまり受け入れられないかもしれません。
女子も男子も礼節を重んじウェアの着こなしもそれなりにしなければならない!という文化的背景があるから!というのがその理由です。
とはいえやはり大腰筋を上手く使えるようにならない限り、日本人の基本的な運動能力は伸びていかないことは確かです。

短距離日本のトップは大腰筋をかなり上手く使えてる
大腰筋が使える/使えないで世界と戦える!という結論づけはでませんが、確実に黒人スプリンターの走りに近づけることは確かです。
女子短距離界を長年牽引する選手とそれ以外では、大腰筋のメリハリを露出し圧迫を解放するのと、それを気にしないレベルという違いが結果に現れるようにも感じました。
黒人と比べ骨盤前傾しずらい日本人も、世界トップに匹敵する大腰筋/腹横筋の動く様を感じる骨盤前傾トレーニングが必要なのです!
+5度の骨盤前傾トレーニング『かるのび~kaRuNobi~』は、こうした下腹部の動きを意識し感じるオリジナル・メニューが多く含まれています。
『かるのび』を継続すると下腹部を覆う履き方に違和感を覚え、パンツをヘソ下に下げたくなりヒップハング履きを好むはずです!(^^)!
「動く大腰筋」を育てる
日本の男子短距離をリードするこの人もおそらく腰パン&ヒップハング派なのではないでしょうか?
実際にその履き方を観たことはありませんが、走り方をみるとその可能性は高いです。

東京2020の切り札も大腰筋の圧迫は避けたいはず!
あっ、この下の人はアスリートじゃありません!
だってパンツ上げすぎですもの!このレベルであげすぎ!と言うところに自分ながら大腰筋“愛”を感じる半端なさがあるけど・・・。
ちなみに普通のウエストラインでパンツ履く人には、大腰筋が動く(伸びる)感覚はわかりません!
だからこのメリハリ・出っ張り含め下腹部全体をパンツで覆っても気にならないわけです。

パンツの上げすぎは”アスリートもどき”かにせ者か
「ならばどうやればお主のいう“アスリート”とやらになれるのか?」
その辺りを是非知りたい!という方、骨盤前傾トレーニング『かるのび~kaRuNobi~』をおすすめするTM鈴木までご連絡を!(^^)!
スポーツでの心技体を高めるためには、様々なアプローチがあることをまずは念頭にいれ、大腰筋と腰パン/ヒップハングの関係を実際に体感することをおすすめします。
これさえ読めば一目瞭然

サッカー界のエースもやっぱり!
▼動く感覚がわからない!誰も眼を向けないパーツだからこそ、そこへ積極的に働きかける理論やアプローチには大いに意義がある!
▼なぜ黒人アスリートの多くはパンツを「腰パン/ヒップハング」で履くのか?そこには身体構造的機能性を求めるアスリートの感覚がある
▼腹横筋発達に伴う内腹斜筋圧迫と腸骨上斜め前方の出っ張り、また大腰筋の発育・発達による内側からの圧迫をパンツで覆うと起こる外圧迫的違和感を避けるねらいがある
▼骨格構造的に骨盤前傾が不利な日本人も、黒人に匹敵する大腰筋/腹横筋の動的活性化を再考し実践すれば、下腹部を覆うパンツラインを下げたくなるはず!(^^)!
TM鈴木