【Run Smart】シューズの進化とパフォーマンスアップ~Nike Vapor-fly 4%が示す意味を問う~

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マラソンで2時間を切るプロジェクト「Breaking2」から始まったシューズ変革の流れはいよいよ本流となり日本長距離界をも席巻!ついには人類も42.195kmを2時間1分台で走るまでになりました!

さらに待望久しい日本選手の活躍も先日の2018シカゴマラソンで大迫傑選手(ナイキオレゴン・プロジェクト)が2時間5分50秒の日本新記録を打ち立てくれました。

大迫選手も世界のトップランナーがそうであるように、ナイキが満を持して投入した新型シューズ「Nike zoom Vapor-fly 4%」のバージョンアップモデルを履いていました。

このナイキ旋風、マラソンや長距離に革命をもたらす魔法の靴として、この1年あまりでその価値を大幅に高めることに成功しています。

シューズが人の走りを変え得るのか?それとも “神話” を信じる力が実力以上の運動性能を引き出すのか?その関係性を探ってみましょう!

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世界の潮流を変えた“厚底”の力

走りに合っている!?バイパーフライ4%」

「ナイキズームバイパーフライ4%」の能力は今さら述べるまでもありません!世界のトップランナーがこぞって記録を塗り替える時、その足元を支えているのがこのシューズなのです。

他の追随を許さないその性能は、北京オリンピック前に競泳界を席巻した“世界記録のでる水着”「レーザーレーサー」を彷彿させます。

スプーンに端を発する絶妙の角度

厚底の底力!?

「ズームバイパーフライ4%」には他社には真似のできなかった2つの先進的なテクノロジーが使われています。

そのひとつが足底全体を覆ういわばインナーソールの役目となる曲線的なカーボンファイバープレートです。

スプーンを横から観た際の柄(え)と本体(楕円のすくうところ)のなす角度を基に設計されたこのプレートは、その硬さに優れ荷重による歪みでも瞬間的に元に戻る再現性を兼ね備えた超スグレものです。

絶妙な角度がランナーの脚に魔法をかけた!?

さらに最大85%のエネルギーリターンを実現する「ナイキ ズームXフォーム」というクッション性素材とのコラボで、ランナーの脚に“推進力”という武器を与えることとなったのです。

「ズームバイパーフライ4%」を履くトップランナーの誰もが「(意識せずとも)自然に前に進んでしまう!」という推進力アップの効果を実感しています。

そして最も注目すべきはこのシューズを履くランナーの多くが、昨今流行のフォアフット走法を身に付けている(元々そうだった選手含め)という事実です!

厚底の本当の効果

青山学院大学の4連覇で幕をとじた今年の箱根駅伝でも、前年はシェア4位だったナイキが「バイパーフライ4%」を追い風にシューズ占有率で1位に躍り出て、それまでトップ2だったアシックスとミズノの牙城を崩しました。

曲線が強烈な硬く美しいプレート

動きを解析するのが得意なTM鈴木としてはこの“厚底”の本当の力は①足裏の転がり、②レース終盤に効くタレない脚、の2つにあると分析します。

①スプーンのように柄と本体部分に角度がカーボンプレートが、着地の際に足裏の地面に対する移動:足底での“転がり”*1)を強力にサポートし、足(脚)を前に進めやすくする!

*1)いわば足裏が半月(半球円)状の形をしていて土踏まずの最もカーブしている部分から前に転がるように動かす足裏の接地法

②35km過ぎのレース終盤、本来なら脚が効かなくなる場面で曲線美のカーボンプレートによる推進力維持と厚底のクッションが足の疲労を軽減、脚がタレずにゴールを目指せる!

この2要素は今までの「薄い靴底で裸足感覚の走りを実現する」という日本のシューズメーカーとは、真逆の発想です。

正にカラダ・動きをサポートするギア(製品:武器)によって運動能力を○○%高めるという現代の運動工学的思考の賜物といっても差し支えないでしょう。

走りを変えるのは人の感性

この中に割って入れるか!

しかしアスリートを支えるギアの性能が良いから結果に影響を及ぼすのか?と問われればそれは大いなる勘違いです。

重要なことはシューズに使われるという受け身姿勢ではなく、シューズを使いこなすという発想:人の感性なのです。

「使われる」のではなく「使いこなす」

「バイパーフライ4%」は走りの効率を従来品よりも4%高める(同社比較)と言われます。

しかしパフォーマンスがシューズ性能で差がつくかのような表現は一種のテクニカル・ドーピング(機械的詐欺行為)と捉えられてしまいがちにもなりかねません。

靴はあくまで人間の能力を引き出す手段に過ぎず、人が“使いこなして”初めてその能力を発揮できるというのが適切です。

「バイパーフライ4%」の機能を最大に引き出す走り方、それが東アフリカをルーツに持つ黒人ランナーに多いフォアフット走法です。

実は男性女性に関わらず黒人ランナーのほとんどは走る時、フォアフット走法にしかなりません!

なぜなら彼らの骨盤過度前傾しているからです!

骨盤の角度に注目!

つまり骨盤に角度がつき前斜め下向きに傾斜している!これがつま先の前側部で着地するという自然な接地法にならざるを得ない理由なのです。

そんな彼らの走りと今回開発された「バイパーフライ4%」の機能がミラクルにフィットした結果、魔法の厚底シューズが長距離・マラソン界に旋風を巻き起こす!ことになったのです。

2020東京での可能性

あと2年に迫った2020年東京オリンピックマラソン、期待が膨らむ日本人選手の活躍にはどんな要素が必要でしょうか?

東アフリカ出身、またはルーツとする黒人ランナーの牙城を崩すことは容易ではありません!

黒人アスリートに元々備わる骨盤前傾の骨格形態は「走る・跳ぶ・投げる・打つ・泳ぐ」等といったスポーツ全般で大きなアドバンテージを生み出す要素なのです。

従ってその利点を何らかの手段で補わない限り日本人ランナーに勝ち目は全くないといっていいでしょう。

現に最新の世界歴代ランキングでも大迫選手の日本記録は20位にも入りません(2018年ランキングでは14位)!

いくら2時間5分台を出しても1分・2分台を誇るエチオピア・ケニア勢、そしてマラソン転向後今回のシカゴで優勝したモハメッドファラーには歯が立たないのが現状です。

黒人アスリート/ランナーは骨盤の角度に斜め前下方の傾斜がついているのです!無尽蔵の心肺機能と共にこの骨格形態が彼らにとって走る際の最大の武器といっていいでしょう。

骨盤前傾にはFAPTAで対抗!?

だったら日本人も骨盤前傾で対抗すべきです!

私・TM鈴木が開発したFAPTA:【機能的骨盤前傾位を身に付ければ「バイパーフライ4%」の機能を最大限に引き出す走りに近づきます!

速く力強く走るための機能的骨盤前傾位(FAPTA)にフォーカス~ただし周囲筋群がしっかり働く状態にする必要あり!~
速く走るにはいくつかの要素が必要です。例えば100mや200mでは最低でも4つ程の要素が必要になってきます。 ③は中長距離にも生かせる...

大迫選手はナイキ・オレゴン・プロジェクトで世界の一流どころと接しているだけあってフォアフット走法には精通しているものの、もし試しているのならその完成には遠く及びません!

なぜなら彼の骨盤傾斜角度はキプチョゲやファラー選手のように過度に前傾していないため、頭上に弾み前方への推進力には生かしきれていないのです!

前日本記録保持者:設楽悠太選手は骨盤がフラットになる日本人選手特有の動きから、フォアフット走法すら身につけられずにいます。

これは(できるかどうかは別として)彼らがFAPTAに適合する特別なトレーニング(ワークアウト)をしらず、チャレンジしようとする思考がないからです!

フォアフット走法は骨盤が過度に前傾するから体が自然に斜め前方に倒れて走る推進力に変わるもの!前傾があまい日本人がただフォアフットにしても、体は前に倒れず頭上に弾む無駄な走りでしかありません!

体を前に傾けて走る黒人ランナーvs上に跳ねる日本人ランナー~その推進力に大きな差が生まれる理由(わけ)を考える~
先日の東京マラソン2018で設楽悠太(26:HONDA)が日本人最高記録を16年振りに更新した。 2020東京を前に日本記録が塗り替え...

道具に使われる身体ではなく道具を使いこなす動きを身につけてこそ本来の実力で結果を勝ち取ることができるでしょう!

さて、あなたならこの事実をどう受け止めるでしょうか?

まとめ:

強豪続々!日本人対抗馬は果して・・・

世界のマラソン界に旋風を巻き起こすナイキの「ズームバイパーフライ4%」、その性能をランナーの動きの視点から探ってみました。

業界の潮流を変えたシューズには①硬いカーボンプレートによるフォアフット接地の再現性、さらに②特殊な厚底素材によるレース終盤の激脚効果があるようです。

この特殊な性能を十分に引き出す黒人ランナー特有の骨格形態:骨盤前傾が、シューズを使いこなす走りに繋がることはいうまでもありません!

日本人もいい加減、骨盤の角度を変えて動く(走る)という優位性に気づくべきで、黒人ランナーに対抗する唯一の手段としてFAPTAを身に付けるチャレンジ思考を持つべきでしょう!

TM鈴木

TM鈴木が【機能的】骨盤前傾位に出会うまで

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