「骨盤前傾は何歳から身に付ければいいですか?」という趣旨の質問を受けたので、私見と知見を交えてズバリ!解説します。
ひとつ注意すべきは最も身に付けやすい年齢を、神経系発達にフォーカスしたゴールデンエイジ理論と結びつけることの危険性です。
なぜそうなのか?理由とゴールデンエイジとは違う本当の重要な要素に迫ります。
身に付けるなら今がその時!は何歳になっても変わりませんよ!他方、若いうちから取り組めば自由に動かせる体になる可能性も大幅に高まることは事実です。
時間のない方は全てすっ飛ばして最後の「ここさえ読めば誰でもわかる」をご覧ください!1分あれば理解できます!(^^)!
Contents
危うさを検証

サッカー普及に及ぼす影響大!ゴールデンエイジ理論
まずはゴールデンエイジ理論といわれるあたかもそれに合わせねばならない!といった雰囲気を醸し出す似非(えせ)科学を検証しなければなりません。
人間は不安を煽られるとどうしても行動や行為に走ってしまうもの!戦後のオイルショックはその典型でしたね(*_*;
空論:ゴールデンエイジ
Jリーグ開幕後、1996年に日本サッカー協会が打ち出した指導教本で紹介されたのがこのゴールデンエイジ理論の出所です。

うまいこと組み合わせることで不安が高まる!?
その原型はどうやらオランダのアヤックス(プロサッカー組織)で作られた!と言われていますが詳細はわかりません。
ゴールデンエイジ(GA プレゴールデンエイジ)理論では「神経系は生後5歳頃までに成人の80%の成長を遂げ、12歳までにほぼ100%に達する」と言われます。
この理論が根拠とするところは「スキャモンの発達(発育)曲線」を提唱したスキャモン(Scammon,Richard Everingham 1883-1952)というアメリカ人医(人類)学者です。
ですがこの曲線、実は20歳を発達のピーク(100%)にしているため、その後の各パーツの発達がどうなるのかは皆目わかっていません。
また神経系発達もその数(量)が増えることが根拠とされるため、脳・末梢神経の繋がりとなる質はどうなのかわからず、さらにその記述が運動神経なのかどうかも不明です。
不安を煽る手法にはご用心
簡単に言えば便宜上神経の発達ピークを20歳と決めて調査を行い、且つ神経の量に着目した結果を発表しているに過ぎません(神経の発達をどのように調査したのかも定かでない)。

スキャモン先生はただ示したかっただけ!その使い方が間違ってる
ただスキャモン先生は当時体の機能が年齢によってどう発達するかを知りたかっただけで、問題はこの考え方を似非的に運用する側にあると言えます。
つまりスキャモンの成長曲線を元にしたゴールデンエイジ理論はまったくの後付けで、組織側の競技人口増を狙った底辺層(子供)拡大戦略の一環といえるわけです。
子供を増やすには「今やらないと“この”年齢を過ぎてからでは上達は望めないよ!」というメッセージをゴールデンエイジ理論に照らして匂わせ、心理的な不安を煽る手法。
その(努力の!?)結果、見事にサッカー底辺層の競技人口は爆発的に増えましたが、その背景にはこのゴールデンエイジ理論が一役も二役も買ったことは言うまでもありません。
さて、そこで骨盤前傾を身に付けやすい年齢はこのゴールデンエイジ(年齢)とは何らかの関係があるのでしょうか?詳しく観てみましょう。
身に付けやすい年齢

身に付けやすい年齢層は確かに存在する
一般的な意見ということであれば、動作習得には脳と体が最も吸収しやすい時期が確かに存在します。
しかしそれはあくまで一般論であり、個人が身に付けようとする場合には各々の様々な要素も絡むため大きな幅があることはいうまでもありません。
FAPTAを理解
この事実をベースとして骨盤前傾の身に付けやすい年齢を考えていきます。
このトピックをご覧いただければ従来の骨盤前傾では得られない10以上もの+α(プラスアルファ)ベネフィットがあることをご理解いただけるはずです。
運動能力を倍加させるといわれるFAPTA、実はスポーツスキル(技術)向上年齢や、その前段階となる運動神経発達の基礎体力開発年代のどちらにも含まれます。
つまり技術を磨く年代であろうと運動神経が作られる(と考えられる)年齢であろうと、FAPTAを身に付けることにおいて(はやい/ゆっくりはあるものの)制限はありません。
神経ネットワークが強固になる(=動きを吸収しやすくなる)身体的特徴があれば、身に付くのははやいかもしれませんが、その年齢を超えても習得できる可能性は十分あります。
身に付きやすい年齢はある?
脳の神経ネットワークが発達する年齢は明確にはわかっていませんが、体が急激な成長に入る成長期よりは数年前になるといわれています。

沢山の動きを経験することなしにその先は望めない
年齢でいえば4歳頃からでしょうか!でもこれは個人によって大きな差があるため、必ずしもそこから始めなきゃいけないということではありません。
最初骨盤の動きを意識するのは難しいかもしれませんが、お母さん・お父さんがお子さんの後方に位置し骨盤の動きをリードする『コッツバン×2』を施すといいでしょう。
成長期を過ぎたらダメ(効果がない)!ということでもないので遅いことは全くありません。
あなたが、もしくは親が我が子のために身に付けさせよう!と思った時期が“今”、つまり最も身に付けやすいチャンスというわけです。
習得メカニズムの違い

ものごとの捉え方に大きな違いが!
大人と子供では物事を学習したり身に付ける際にその習得メカニズムが異なります。
だからFAPTAを身に付けるのに最も良い年齢は何歳なのか!という議論はそもそも無駄でしかありません。
あえて言うなら「今」がその時なのです。その理由をこれからお話します。
大人と子供:身に付け方の違い
20歳前後になると、話を聞いて感情より理論を含めた知識を吟味しながら物事を学習していきます。
英語を習うにも「慣れる」ための話を仕掛けるアプローチより、頭の中で分節に分けたり文法に合わせて話そうとするのは、そうした思考プロセスがあるからです。
しかし子供の場合は目で観たものや肌に触れた感覚をそのまま脳が受け入れ表現することができます。
これが大人にはない子供の最大の特徴です。

感情要素を吸収しやすくダイレクトに表現できる子供たち
これが実は習得がはやいか遅いかの最も大きな違いであり、神経云々の話とは全く別の要素なのです。
あれこれ考えたり躊躇することなくただその動きが楽しいか?不思議か?斬新か?といった感情的視点で、それが本人に当てはまるなら頭にスーッと入り体が吸収していきます。
「あ~っ、ここ(骨盤)って動く(前傾)ものなんだね~!」という本人にとっての(新たな)発見・気づきがあるかどうかなんですねぇ!(^^)!
子供は元々動きやすい!
それに子供は骨・関節・筋肉、脳を含めた多くの組織・パーツ全体が常に動かせるよう準備が整っているのです。
だから大人のように準備(体操)が必要というわけでもありません。
トップアスリートであってもそれは同じです。普段から骨盤を動かす習慣がなければ思ったようには動かすことはできません。
「骨盤は動く!」にも関わらずです(次回掲載予定)。
こうした身体的特徴や感情・直観思考とその身に付く速さに違いはあるものの、習得する「“今”という機会」は子供/大人やジュニア/トップアスリートに関係なくあるのです。
世界でまだ誰もやっていないこの運動理論「身に付けるなら絶対 “今” でしょ!」という理由がお分かりいただけたでしょうか!
興味がわいたのなら是非、骨盤マニア(TM鈴木)にコンタクトしてみてください!(^^)!
ここさえ読めば誰でもわかる

可能性は伸ばすためにある!
ゴールデンエイジ理論はスキャモンの発達曲線を歪曲的に後付け利用し、結果的に不安を煽るメカニズムで、特定スポーツ人口の底辺層拡大を狙った戦略的手法です。
骨盤前傾マニアがおすすめするFAPTAは、子供でも大人でもチャンスだと思った時がチャレンジする時なのです。
理論を重視する大人と違い、子供は「楽しそう!面白そう!」という感情が高まれば体がすんなり受け入れるので、骨盤前傾という未体験の動きにもいち速く反応します。
速いとかそうでない!の違いはあるものの、大人にとっても子供にとっても身に付けるなら「今でしょ!」の機会を逃さないこと、これが動きを変える大きなきっかけです。
後はあなた(とお子さん)の決断次第ではないでしょうか!(^^)!
TM鈴木