NBA脱力バスケの帝王:ジェームズハーデンの魅力にせまる~程よく力の抜けたプレースタイルの源は【運動脳】にあった~

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2018-19NBAシーズンが開幕!王者として三連覇を目指すゴールデンステイト・ウォリアーズに待った!をかける男がいる!

たった一人でもこの絶対王者と対峙できる術を持つ男!誰あろう:ジェームズ・ハーデン(James Harden:PG/SG ヒューストン・ロケッツ)その人である。

誰がつけたか“脱力ムーブ王”との異名をとるハーデン、その髭もじゃで飄々とした風変りな外見からは信じられない程の身のこなしで、ディフェンスのギャップをすり抜ける。

その動きはしかしクイックというわけでもなく、かといってパワフルでもない!でも気が付いたら抜かれている!という不思議!?な技を持つ選手でもある。

はて、果してこの脱獄王ならぬ・・・、“脱力王”の動きの神髄はどこにあるのだろうか?自称(あくまで)「動きを観る専門家」としてはその秘密を探ってみたい!

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ハーデンのここが凄い!

その脱力動作にはもう脱帽!

“もじゃ髭”がトレードマークのハーデン、無骨な大男(196cm)かと思いきや、その動きは「しなやかな緩さ」に富み、無駄な力の入らないプレイで相手DFを翻弄する。

現代のNBAベストスコアラーである彼の驚異ともいうべき「ゆる~い!?」動きの深淵に迫ってみると、日本人プレーヤーが絶対参考にすべき攻防動作の神髄を垣間見ることだろう。

力強さを超越した緩さ

多くのNBAプレーヤーは速さと力強さを兼ね備え、その有り余るパワーをゴールに向けて解き放つ!その妙技は観客の心を掴みNBAの大きな魅力のひとつとなっている。

しかしハーデンは他の選手とは明らかに違う!

こうしたパワフルかつクイックネスに見事なまでの無反応、関心を示すのは真逆ともいえる脱力的フットワークやステップワークで、守備陣形を事如くフニャフニャ!?にするのだ。

彼独特のステップワークはユーロステップと呼ばれることもあるが、NBAではマノ・ジノビリ(元サンアントニオ・スパーズ)を含む少数が得意とすることから、同一ではないだろう。

そう!あえて彼の動きを形容するなら“脱力”そして“ゆるさ”であろう。

過去のどんなプレーヤーでも活躍の要素に緩さを武器とした選手は見当たらず、正に常識を覆す天賦の才を秘めているのがハーデンなのである。

かつての“神様”マイケル・ジョーダンも歯が立たない!?その変幻自在の脱力ムーブは、相手ディフェンスがまったく対応できず、彼をスコアリングマシンに変えてしまう原動力なのだ。

緩さの原動力は重心から先に動く操作性

COGの基本は下っ腹の奥

こうした動きの背景にある身体的特徴は基本的には、偉大なレジェンドや他スポーツのスーパーアスリート達も持つ要素と遜色はない!

相手を翻弄する動きをする選手はしっかりとみずからの重心(体の中心点)を脳と体の両方で(無意識に)自覚しそれを優先して動かしている。

動きの中心となるポイントは仙骨より前方2~3cm手前にある“ピンポン玉”!その存在をイメージし、みずからの動きのベースとして先に動かす!という作業を無意識にできる。

こうした「重心先行操作:CGPLM*1)」は手先足先で動くと見せかける一般的な動作に比べ、体の中心(軸)が動くためディフェンスにとっては非常にやっかいで騙されやすい!

*1)CGPLM : Center of Gravity Positioning Leading Maneuver

“神様”マイケルジョーダンがなぜあれだけディフェンスを振り切ることができたのか?の答えがこのCGPLMにある。

この重心先行操作をさらに発展させたのがだれあろうハーデンなのだ!

みずからの重心を筋力による勢いで動かすのではなく、限界まで力を抜きバランスを意図的に崩すことでゴールに進む勢いに転換する。

その瞬間の最適な方向・角度をコントロールした正に究極の重心移動であり、極限的な脱力がもたらす支配的な動きといえるだろう。

重心操作の原点は骨盤の角度

骨盤の前傾は生まれつき!

この重心先行操作は黒人アスリート、つまりアフリカに人種的ルーツをもつネグロイド特有の動作であり、音楽のビートに合わせてバランスを意図的にずらせる彼らのリズム感にある。

黒人アスリートはなぜ踊れるのか?リズムを刻めるその理由~骨盤前傾位の操作イメージでおドレル体と運動性能を高める!~
我々日本人には黒人のように年がら年中踊るという意識はないようで、仮に踊るとしても恥ずかしくて非常にぎこちなく、ガクガク・ガチガチな動きになっ...

我々日本人がこのCGLMを真似しようとしてもおいそれとできるものではないことを自覚せねばなるまい!

骨盤 X 角度 X 傾斜の妙

全般的にハーデンを含む黒人アスリートの骨盤は前斜め下側に過度に角度がつく前傾をしている!

日本人を含むアジア系モンゴロイドは、いくらトレーニングをして鍛えたところで黒人のような傾斜角がつくことはない。

骨盤の過度の前傾は鍛えて角度がつくものではなく、骨格配列上生まれつき前傾になっているので、変えようがないのだ。

しかし!である。

骨盤の傾斜角を変えよう(創り出そう)とすれば意図した角度にはならないことはない!

つまり傾斜角をこのくらいにしよう!という意志の元、その専用プログラムを一定期間実践することで、希望した通りの前傾位を運動中に維持することも可能である。

この黒人アスリートの骨盤傾斜角があらゆるスポーツ動作で多人種が束になってもかなわない彼らの運動能力生み出す最大の要因である!

日本人でも可能なのか?

黒人は生まれながらにしてこの骨盤傾斜角を有しているが、残念ながら我々日本人はその角度を持ち合せてない(約10°以上の差があると言われるが・・・)!

日本人はその傾斜角を日々のワークアウトを継続することでなんとか作り出せるといえ、競技力アップに余計な!しかも身に付けるまでかなり面倒なメニューを黒人よりひとつ多くこなさなくてはならない!

この現実があるため多くのアスリートは二の足を踏んでしまうこともある!というかそもそもそんなところに眼を向けるアスリートや関係者がいないことが問題なのかもしれない。

しかしこの事実に気づいて実行しない限り骨盤の前傾は身に付かず、黒人アスリートと対峙することなどは夢のまた夢というのもこれまた現実なのである!

そういった意味で日本人アスリートには骨盤前傾を熟考する機会を増やしてもらいたい!

そうした体験を可能なら幼少期からすることで、骨盤が傾く(動く)意識を脳内でイメージ化できれば我々が憧れる黒人アスリートの動きに大きく近づけるはずである!

“運動脳”を育成せよ!

骨盤前傾を理解し身に付けると、体を動かすための【運動脳】が働きだす!【運動脳】を高めれば頭でイメージした思い通りの身体操作が可能である!

実はこの【運動脳】は誰もが持っている能力なのだ!しかしこれを磨き実践で使えるようにするためには、私がおすすめする【機能的】骨盤前傾位:FAPTAを身に付けなければならない!

【運動脳】とは脳科学の「運動野」といった実在する部位や機能ではなく、“イメージ”を意味する造語であり、私・TM鈴木が考案したものだ!

「運動能力が高い」とは動作のための脳が生み出す指令をいちはやく四肢・体幹を含む体が忠実に再現することに他ならない!

こうした能力の源が【運動脳】であり、日常で体を動かすという操作からスポーツでの非日常的な動作に至るまでを高める必須の考え方なのである。

日本人アスリートに決定的に欠けている部分、それが【運動脳】でありそのカギとなる骨盤前傾にフォーカスしないというのは実に残念である。

黒人アスリート、中でも先に示したハーデンの動きにはこの【運動脳】的思考が十分生かされていると考えて差し支えない。

世界と戦う!レクリエーションで競う!あるいは日常的な動きであろうと、その達成には【運動脳】というアスレチック・インテリジェンス”が深く関わっていることを知っておくべきだろう。

まとめ:

もじゃ髭男の動きは必見の価値あり!

ジェームズ・ハーデン(ヒューストンロケッツ)はNBA2018-19シーズンで最も注目すべき選手で、黒人アスリートが爆発的でスピーディーな動きをする!という印象を大きく変えうる存在であろう。

そのユニークで程よく力の抜けた脱力!?ドライブやドリブルのリズム、そしてちょっと気の抜けたようにみえる!?ボールハンドリングは日本人プレーヤーも参考になる。

実はその動きには大きな秘密が隠されている!黒人特有の過度に前傾する骨盤が、重心先行で自在に体を操作できる【運動脳】を見事にバスケの動きに反映させている。

日本人はハーデンが持つこの動きの考え方にいちはやく気づくべきである!さもないと我々は今後NBAで日本人選手が活躍するシーンに出くわすことがなくなってしまうのだから。

TM鈴木

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