リーダーシップ覚醒【石川祐希】と全日本の活躍・今後の課題を探る~ワールドカップバレー2019を経た代表再構築と未来~

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今「ワールドカップ」といえばラグビー!しかし同時進行で行われている「ワールドカップ・バレー2019」男子大会も“それなり”に盛り上がっています。

2020年東京オリンピックまで1年をきり、バレーも開催国枠で出場が確定していますが、状況は厳しいものとなっています。

今後の成績を占う意味で男子バレー活躍の要因と今後の課題について“元”バレー10年経験者の立場から解説してみます。

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リーダーシップ

プロとして独り立ちしリーダーシップがとれる存在へ

現在全日本(日本代表)は柳田将洋選手(27)が主将、石川祐希選手(23)がゲームキャプテンというスタイルで組織されています。

チームを引っ張るのは俺だ

ワールドカップ2019を前に石川選手は「絶対にメダルを獲る」と意気込んでしました。

実際には現時点(2019/10/15)で4位が確定しているので、メダルののぞみは絶たれたわけですが、近年では最も良い成績です。

いくつかの運とチームが結束した結果であり、中でも石川選手のリーダーシップが勝ちに繋がっていったことはいうまでもありません。

イタリアでのプロリーグを1シーズンフルに戦ったことで彼には自覚が芽生えたようです。

それは「俺がチームリーダー!俺がチームを引っ張っていく!」という考え方です。

現在の全日本は正に石川が中心といってもよく彼のいないチーム構成等考えられないのです。

真のチームリーダーへ

海外で培った絶対の自信

今大会石川選手はオポジットの西田有志選手(19)と共に攻撃の要となっています。

そこには驕りも昂ぶりも感情の乱れもなく、それこそ淡々とプレーしている印象です。

実は今までの日本の選手はこれがまったくできなかったのです。

ひとつひとつのプレーにとにかく目一杯、セット開始からエンジン全開で後半になって疲れ切り東欧の高い外国勢に競い負けることがほとんどでした。

しかし今回のチームはやっと自分達の本来すべき仕事に集中することで、「わーわーガヤガヤ」して落ち着かない雰囲気だったチームカラーを払拭している感じです。

こうした全日本の体質を変えた原動力が若干19歳(大学1年生)からイタリア・セリエAのプロリーグにスポット参戦していた石川選手です。

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中央大学を卒業した昨シーズンからはイタリアリーグ・シエナで本格参戦し、フルシーズンを戦い抜いた自信と技術が今の代表を引っ張っているといっていいでしょう。

プロの誇りと状況判断

世界から選りすぐりの選手達が集まり191cmの石川選手が高さで対抗することは現実的ではありません。

どうすればサイド・アタッカーとして得点能力を高めチームの勝ちに繋げられるか?を常に考えて行動してきたはずです。

外国勢の化け物級の高いブロックと、ワンタッチをとって切り返すリードブロックの上手さに対応できるスパイク技術を高めたことはいうまでもないでしょう。

常に相手を観察し鋭い洞察力を発揮するプレー

それにも増して驚くのはどんな状況でも落ち着いてプレーに取り組み、相手の意志・感情の変化・行動パターンを探る洞察力が驚異的に高まっているそのプレースタイルです。

従来3回目でアタックがバレーボールの攻撃だったのを、石川選手が2本目でバック・アタック、またはライト・レフト側にトスを上げて打たせるパターンを確立しました。

相手の思考を常に読み状況判断をしていることが石川選手のプレーの幅を大きく広げたことの現れと感じずにはいられません。

日本の状況はいまだ険しい

ようやくしっくりきた首脳陣と選手のコミュニケーション

「日本が世界に誇る最高の逸材」とまで言われた石川選手ですが、彼ひとりがどんなに獅子奮迅の活躍をしてみたところでたかが知れています。

本当に必要なのはこれからのチーム・ビルディングであり、石川選手の考え方・プレースタイルを踏襲できる選手の育成でしょう。

課題はどこに

チームは落ち着いてきたし自分の担うべき立場や役割が明確になって、無駄に騒ぐことも競い合いながら後半勝負のパターンもできつつあります。

しかしまだまだ多くの課題が残っていることも事実です。

そのひとつがセッターです。

残念ながら日本の今のセット・パターンはほぼ読まれてしまっているのが現実です。

これではいくら石川選手がチーム力を高めようとしてもマイナス要素が強すぎて、競い合いに弱い元の代表に戻るしかありません。

特に目立つのは西田選手へのライト側へのトス!

スタメン・セッター関田誠大(25)選手のトスはレセプションがB・Cパスでライト側へ寄ると、そのほとんどを西田選手へセットしていました。

相手にすればミドルも含めたブロッカー2枚が西田選手をマークできるので、完璧にブロックかもしくはワンタッチで切り替えされる場面が相次ぎました。

西田選手へのこうした攻撃を多用したいのであれば意図的にレセプションをレフト側におくり、5~6m(セッターから)離れた状態でのトスが望ましいでしょう。

こうしたマンネリの攻撃パターンを排除するためにも、藤井選手をスタメン起用するほうが良く、本来なら190cm前後の選手(金子聖輝選手 JT等)を大胆に採用すべきでしょう。

今大会勝利したイタリアやロシアは主力選手が来日せず控えを試していました。アジアのライバルイランもオリンピックでは確実に強くなってくるはずです。

ワールドカップでの強豪国撃破は日本が強くなったというより様子見の相手国が控え選手中心で臨んだ結果とも言えなくもありません。

積極的な海外挑戦を

石川選手はもちろん柳田選手もドイツ・リーグでプレーし、古賀太一郎選手もフィンランドやフランスでプレーした経験を持っています。

今後は海外へさらに多くの選手が挑戦すべきですが、日本のバレー界は実業団を中心とするアマチュアイズムが長年蔓延り、チャレンジしなくても生活していける環境があります。

多くの選手が海外挑戦できる環境を

90年代のサッカー・最近のバスケ・ラグビーも海外挑戦をきっかけに選手がひとりの人間として壁を乗り越えることで、代表強化にもつながり人気への道標となっています。

Vプレミア(日本)での挑戦を否定するわけではなく、海外で生活し文化を知り技術・体力・メンタルを磨くことは、人としての真の強さを形成することにつながります。

石川選手がプロとして気持ちの面で落ち着いたこと、柳田選手が「これではだめだ!」とプロで自らを叱咤していること、古賀選手が海外でリベロとして欠かせない地位を築いたことが代表の強化を後押ししていることはいうまでもありません。

選手自由化・帰化をも視野に

協会もファンもそして所属した日本チームも海外挑戦の門出をしっかり開いて送り出す位の器量が欲しい!

これからは日本という小さな島国には入りきらない選手が少なからず出てくるはず。

(企業)所属チーム・協会のルールをある意味取っ払う程、バレー界もバックアップ体勢を確立すべきです。

またラグビーのように代表チームであってもユニバーサルな視点を取り入れるべきでしょう。

海外から身体能力に優れた人材を確保する!日本国籍を取得できるハイブリットなタレントを発掘することが急務です。

女子バレーでも紹介しましたが純血日本人だけで勝つという思考は時代錯誤だし、勝てないのは目に見えています。

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ムセルスキー(ドミトリー 218cm:サントリーサンバーズ)選手のようなキル・スパイクやキル・ブロックを放てる選手を帰化させる等、日本人が得意とする地道な交渉で多くの外国選手達に活躍の場を提供すべきでしょう。

ポーランドのウイルフレッド・レオン選手、イタリアのユアントレーナ選手(いずれも元キューバ)を筆頭に、帰化選手が活躍し強国の地位を築くことは世界でも当たり前のことです。

純血だけでなく多民族が融合したチームとして代表の強化をしていく柔軟性が求められます。

石川選手・西田選手そして柳田選手と打ち屋はそろってきた日本、さらなる奥の手を披露しパリ2024やLA2028ではミュンヘン以来の金メダルを目指してほしいですね!(^^)!

まとめ:

よくもわるくも石川のチーム!

▼ワールドカップバレー2019全日本は石川選手・西田選手の活躍もあり最終のカナダ戦を待たずして4位が確定

▼プロとしてイタリアリーグでもまれた石川祐希選手には覚悟そしてリーダーシップが芽生え、相手を常に観察し変化に対応する洞察力が磨かれている

▼攻撃を組み立てるセッターの確立が急務、さらに外国選手を帰化させる、国内・海外にいるハイブリット選手の発掘等、4~5年先を見据えた強化が必要

▼本当の戦いは東京オリンピック、今回勝利したイタリア・ロシア・イランは次回の日本戦では本格的に牙を剥いてくるだろう

TM鈴木

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