日本のスーパースイマー池江璃花子選手に観る大きな身体の動き~とても優雅に泳ぐのは手足が長いだけではない理由~

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昨年のリオ・オリンピックでも大活躍した池江璃花子選手、日本女子水泳界に彗星の如く現れた東京オリンピック期待の星です。

長身且つキュートなルックスで可愛いと評判のこの現役女子高生、実は凄い才能を秘めたスーパースイマーなのです。

池江選手はまだまだ力強さという点では劣りますが、長い手足を使ったとても大きく伸びのある泳ぎをしています。日本記録を連発する彼女の速さの秘密はどこにあるのでしょう?

子供時代からの様々な運動や動きが現在の彼女の泳法や考え方に影響を及ぼしているのかもしれません。

現在5つの長水路(50m折り返し)日本記録と3つの短水路(25m折り返し)日本記録を持つ池江選手、その秘めたる凄い才能の秘密について迫ってみましょう。

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幼少期から培ってきた大いなる才能

ズバリ!池江選手に宿る大いなる才能とはなんでしょう?知っているようで実はあまり知られていないものの、この能力は幼少期に獲得する要素としては最も重要とTM鈴木は考えます。池江選手にはこの才能を十分体験し養える環境が幼少期にあったということでしょう。

『身体を大きく動かす』ということ

池江選手は母親の影響もあり、子供のころから姉や兄と一緒に様々な遊びや運動に取り組んできたそうです。遊びの一環として雲梯は家にまでつけるという凝りようでした。

どんなことをさせるにしても最も大切なことは、身体を大きく動かす大きく使うような動きを我が子の日常習慣に取り入れることです。実はこれができそうで中々できないことなのです。

池江選手の母親が知っててそうしたのかどうかは別として、例えば雲梯や姉・兄と遊ぶ際の動きもそうした大きな動作を身体に染み込ませるためのひとつの手段だったのかもしれません。

より意識して身体を大きく動かせるような動作を日常にとり込んでいたことで、彼女の才能がここへきて一気に開花したのではないかとTM鈴木は考えます。

大きな動作は関節可動域(動く範囲)が最大限広がらないとできないし、関連する関節に付く筋肉がしっかりと伸びなくてはできません。

この二つの要素によって日常的に身体を大きく動かせるかどうかが決まります。大きな動き運動野感覚野記憶野結びつき(神経刺激伝達)強固なものにし、上手な動作の習得にも繋がります。

池江選手の母親は我が子をただ楽しく遊ばせるだけではなく、身体大きく動かすという考えを念頭において様々な刺激を与えていたのだと考えれば、現在の彼女の活躍にも合点がいくというものです。

アンバランスな状態で骨盤前後傾斜をしながら、体幹を大きく動かしてもらっています。こうした日常の【遊び】の中に大きな動きの要素を取り入れて体の動きを洗練させていきます。

TM鈴木はこうした【遊び】を通して子供の運動能力を高めるサポートをしています。詳しいことを知りたい方はこちらまでお問合せください。

大きな動きから生み出されるダイナミック泳法

一見手足を速く動かす方が速く泳げると思いますが実は違います。その証拠に池江選手は優雅にゆっくりと泳いでいるように見えますが、それでいて実に速い!そこには着実にしっかりと水を捉える技術があるからです。

『優雅に!ゆっくり!』がキーワード

優雅にゆっくり泳いでいるように見えても実は非常に速い!気が付くとも隣のコースの選手とは身体半分の差がついてしまう。それが池江選手の泳ぎの特徴であり、才能あるスイマーとしての証といえるでしょう。

腕を速く回せば回すほど一見速くは見えますが、水中への腕の入れ方(リカバリー)が「バッシャーン!」ではせっかく勢いを増した腕の速度を入水時で逆に落としかねません。手を入水させる際には多少抑え気味にして最も効果的な入水角度で水中に入れる必要があるのです。

彼女はそうした技術も既に一級品であり、だから人より速い!

そして入水直後からの腕の伸ばし方は彼女の真骨頂です。幼少時から培ってきた身体大きく動かす才能がこの瞬間に如何なく発揮されているのです。

最大限に伸ばした腕は通常でも十分な長さをさらに長くしています。それは肩甲骨の上方回旋(腕を真上に挙げるために必要な土台となる肩甲骨の必須の動き)を最大限にできることが大きな要因です。

さらにこの肩甲骨大きな動きを可能にするのが機能的骨盤前傾位による脊柱の大きなしなりです。脊柱が若竹のようにしなるからこそ肩甲骨が大きく動き、その結果が尋常ならざる程伸びるというわけです。

あとは今彼女の最大の武器でもある水を上手に捉える技術(プルでのハイエルボーとプッシュ&リカバリー)にしっかりと繋がっています。

身長と手足の長さ

スイミングは比較的、というか絶対的に長身で手足が長いことが有利です。過去の例でもみてもマイケル・フェルプス選手(193cm)やイアン・ソープ(200cm)選手は言うに及ばず、女子でもフェデリカ・ペレグリーニ選手、ケイティ・レデェッキー選手、カティンカ・ホッス―選手など180cmオーバー(前後)の選手はゴロゴロいます。

池江選手の体格は泳ぎに有利!?

池江選手の体格は170cm56kgです。先の女子トップスイマーと比べると正直体格差はどうしようもありません。現在高校生の池江選手が今後どんなに伸びたとしても5~6cmがいいところ、あくまで希望的観測ですが。。。

池江選手が専門とするフリースタイルやバタフライでは体格は大きなアドバンテージになります。この種目は技術はもちろんですが、身体周りの水をできる限り多くとり込んで、後方に如何に上手く押し出す(流す)かがポイントとなります。

こうした理由もありこの種目で活躍する選手には特に長身で手足の長い選手が多くなるというわけです。でもこれってニワトリが先なの?それともタマゴなの?っていう話にもなりますよね。手足が長いからクロールやってるのか?それともクロールやってたらか手足が長くなったのか?ってことなんですが・・・。

身長とリーチの関係

出典:https://goo.gl/lohSra スポニチアネックス(Sponichi Annex)

しかし池江選手170cmの身長に対し左右の手を広げた長さであるリーチ(ウイングスパンWing Span)は186cmあります。身長より15,6cmもリーチが長いことは泳ぐ上で非常に有利に働きます。

ある数値を分母で割る(除す)と相対比較(他の選手達と)ができます。リーチを身長で割れば他の同種目の選手との身長に対するリーチの割合がでるのです。因みに池江選手のリーチを身長で割ってみると

186cm/170cm=1.094

でこの数値を仮にR/H値(Reach:リーチ/Height:身長)としましょう。

今のところ世界のトップスイマーのこうした数値がありません。世界ではおそらく身長はもちろんリーチも長いはずですが、ことR/H値(リーチ/身長)に関して言えば、ウイングスパンが長い池江選手は世界のトップスイマー達と肩を並べる程の体格といってもいいでしょう。

手足の長さと泳ぎの関係

手足が長くその長い手(足)を使って上手に水の流れを足元に運べる技術があれば、おそらくは過去のどんな偉大な記録にも引けを取らない程の結果を残せる!池江璃花子選手を観ているとそんな感じがします。

バタフライもフリースタイルも彼女の泳ぎは水を捉える技術が非常に優れていると言えるでしょう。でなければこの2種目でこれだけ日本記録を連発できるはずがありません。

今後は腕の搔き方にみる『キャッチープループッシューリカバリー』動作をさらに洗練させることを念頭に水を捉える技術の精度を高めることが予想されます。

金メダルを狙う秘策

2020年東京オリンピックで金メダル獲得を目指す(おそらくそうでしょう!)池江選手にとって如何に今持っている技術を高めるかが課題となるでしょう。ひとつには泳ぎをさらに洗練させること、そしてもう一つがブリージング(息継ぎ)かもしれません。

50mを無呼吸で!

池江選手は先日行われたレースで50m(フリースタイル)をノーブレス(息継ぎしない)で泳ぎきりました。通常であれば1回または2回程の息継ぎでゴール!というところ、今回彼女が息継ぎをせずに泳いだのにはちょっとした訳があったのです。

特に50mという競泳で言うなら短距離種目では息継ぎをしない方が断然速く泳げます。息継ぎをするということは身体をローリングさせる必要があり、そうなると水の抵抗が増してしまうのです。

競泳においてローリングは必要不可欠な技術です。ローリングとは頭部側から観た場合身体の中心軸を回転させることで、右向きで息継ぎする場合水底に正対していた身体を約45~50度右側に傾けることです。

特にフリースタイルではローリングしなければ息継ぎはできません。しかしローリングすることは水の抵抗を増やすことになり速さを追求するとどうしても足枷になってしまうというわけです。

そこで50mでは息継ぎをしないで水の抵抗を極力減らすことが考えられたわけです。ノーブレスだと効率性の面では多くのメリットがあるということで、現在はノーブレスで泳ぎ切ろうとする泳法に変わってきています。

100m・200mの記録を伸ばすため

息継ぎに関しては例えば100mや200mでもその回数を減らすことが速さに繋がるのではと言われています。ただレースの後半では疲労がピークに達するため身体の軸も乱れやすくなり、泳ぎの効率性と言う点でいえば息継ぎの回数を減らすことは必ずしもメリットにはなりません。

さらに言えば後半での息継ぎ回数を減らすことは筋肉や脳への酸素供給が減り身体全体への負担も一気に高まるということで中々難しいのが現状でしょう。

ブリージングコントロール(回数を減らすこと)、終盤での疲労がピークに達する際に起こる体幹部の軸の乱れを瞬時に補正する技術、その上で水の抵抗を如何に極限まで減らせるか、池江選手にとって金メダルへ向けて取り組む大きな課題ではないでしょうか。

また池江選手は50mを37回のストローク(腕搔き)で泳ぎます。左腕から搔き始めて37回搔いて左手でゴールにタッチします。世界の一流どころも50mでは現在37回が主流です。

まとめ:池江選手の速さの秘密

幼少期から沢山の遊びを体験した根底には身体を大きく動かすという考え(アイディア)があったのかもしれません。雲梯等を含めた様々な動きの経験をさせることで、身体を大きく動かす使う技術が高まり現在の泳法にしっかりと生かされているといえるでしょう。

外国人とは多少の体格差はあるものの、機能的で上手な身体の使い方が水泳の技術の洗練に伴ってしっかりと発揮されています。池江選手はこうした自分の体格特性や機能特性を最大限に生かした泳法で世界と戦える稀有な存在なのです。

もしあなたが我が子の運動能力を高めたいと考えるのであれば、様々な動きを体験させる習慣をつけ、その中で身体を大きく動かすような遊びやその環境作りを考えることが何より大切でしょう。

技術・戦術習得はその後でも十分遅くはないことを理解しておくと良いですよ(^_^)

TM鈴木

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