速く走るには足が地面に着く時間をできる限り短くするほうが弾むような走りにつながります。
子供にとってはそうした理屈よりむしろ【遊び】として浮かぶような走りを定着させたほうが自然と「着地・離地」のメリハリを身に付けることができるでしょう。
そこで《弾む走り》感覚を磨ける『ハシリウカビ』を紹介します。
ランナー・スプリンター(成人)のトレーニングにも十分応用でき、みずからの走りに気づきをもたらします。
実践!ハシリウカビ
体も心も成長する時期は、動きながら体の働きを高めたりさらなる動作習得を目指せる絶好の機会です。
走りに気づく!速く走る!上手に走る!といった汎用的な動きをこの時期に取り入れることで、子供は走りの面白さに気づき始めます。
映像でチェック
大人(親)が一緒になって走るのもいいですが、例えばタオル等を使って少しだけサポートすることで、速く走るイメージが驚く程高まります。
今回は「弾む(ような)走り」を体感する!身に付ける!という観点から、TM鈴木オリジナルの『ハシリウカビ』を実践してみます。
映像を元にだいたいのイメージを掴んでください。
あとはサポート役の大人の足元がふらつかないことに十分注意しましょう。
ポイント整理
①バスタオルまたは大き目のタオルを用意
②程よくねじっておく
③子供の骨盤に少し強めでまわす
④ビーナスのえくぼ付近(仙骨)でタオルを交差
⑤交差部分を利き腕でさらに捻じり上げながら持つ
⑥骨盤がほどよく前傾する(+5度骨盤前傾になる)
★☆★走る準備完了!☆★☆
⑦サポート役は握る部分を斜め上後方に引き上げる
⑧初めは5割のスピード、慣れたら6・7・8割程で走る
注意:
▲転んでもケガに繋がりにくい場所(芝生や草原等)で実施
▲走行中子供のバランスが崩れてもいいよう止まれる心の準備をする
▲浮かぶ感覚を高めるためできる限り交差部を後上方へ引き上げ続ける
▲決して押さない(あくまで子供がみずからの力で走るのをアシスト)
▲最初は5m程を5割程度で走るペース
▲最終的には10~15mを8割程度で走るペース
ハシリウカビの効果

走る時両足は地面から離れている
子供の『もっと速く走れるかも!』という能力を引き出すことが『ハシリウカビ』で得られる最大の効果です。
走る面白さを引き出す
最初はあくまで我が子と楽しむこと!『遊び』感覚で楽しく走る喜びや、走る面白さに触れられるようにすることです。
真剣に走る必要はなく、子供ならむしろ浮かびやすくなった動きや前にスムースにグングン進む走りの面白さがわかるといいですね。

重く感じたら走ることを好きになれない
※注)サポートする側にとっては“真剣”にタオルをホールドをするという責任が伴いますが!
芝生でしかも緩やかな坂道でもあれば、より自然に体や動きへのストレス(負荷)にもなるため、心肺機能アップや脚力アップ等の副次的効果が望めます。
大人も走り方が変わる!・・・サポート側の条件にもよりますが、実は大人のほうが前方への体重移動(スムースに前へ進む)感覚はわかりやすいでしょう。 平地ならなゆるやかな下り坂を走るように、上り坂なら臀筋・ハムストリングを使った走りに気づくかもしれませんよ。

ハシリウカビなら上りで臀筋・ハムストリングを使う走りに変わる
アスリートが『ハシリウカビ』を練習として取り入れるなら、なんといっても走る時の様々な気づきに繋がるはずです。
前に進む際の重心(体重)移動・股関節に“のる”・お尻や腿裏を使うので前にぐんぐん進む感覚変化などがその典型です。
走る/動くことを考えられるのは唯一人間にしかできません。
せっかくの神から与えられた唯一無二の能力、最大限に生かすのはみずからの“気づき”があってこそですよ。
感覚重視!動きを確認

ここに働きかけると前にスムースに進んでいく
最初はゆっくり、それこそお子さんの最高速の半分(50%)くらい、慣れてきたら徐々に速度を高め8割程度で走れるようにしてみましょう。
もちろんサポート側の走力も考えながら実施してください!決して無理はなさらずに!
《弾む走り》だとその直後の着地で地面を蹴る感覚も生まれるので、より着地と離地のメリハリをイメージをしやすくなります。

前にグイグイ進む走りに気づくこと
そうした動く感覚を遊びを通じて得られるのが『ハシリウカビ』の最大の効果です。
体が動きやすい時期に楽しくチャレンジできるし、走力アップや動きの感覚が高まる「ハシリウカビ」は最適な「遊び(練習)」でもあるのです。
《弾む走り》まさにあなどれず!
さあ!さっそくお子さんとチャレンジしては如何でしょう
まとめ

この年代から走りに気づくことが大切
▼地面から離れる(離地)時間をできる限り増やすため、弾む走りを体感できる「ハシリウカビ」について紹介
▼理屈より【遊び】として楽しみながらチャレンジしてもらうと、自然に着地・離地のメリハリが身に付く
▼「遊び」ながら体をつかって学べる体験は、子供の「次はもっと速く走れるかも」という意欲を搔き立て、動きの感覚も高める
▼『ハシリウカビ』は体重移動・股関節荷重・ハムストリングのバネといった大人(アスリート)がチャレンジしても走る面白さに気づく要素がたくさんある
TM鈴木