スポーツ時のパフォーマンスアップに必要なエクササイズは数多く存在します。
しかし意外に見落としがちでやってそうでやられていない運動として、4点支持系と呼ばれるトレーニング法があることをご存知でしょうか。
こうしたエクササイズはウォームアップやクールダウンとしても活用でき、コツを掴めば意外な程効くということが未だに理解されにくいようです。
すぐにできる!~やってそうで実はやられていない動き~を習慣化することで、競技力に必要な能力を活性化し高めることが可能です。
当ブログではこうした4点支持系エクササイズについてその効果や方法に迫ってみます。
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4点支持がポイント
こうした4点支持系エクササイズをTM鈴木は「ハンドX2&フットX2」とかサミット(summit:頂)等と呼んでいます。
両手両足で体幹部を支持しながら様々な動きをすることでパフォーマンスアップを含む多くの効果が期待できます。
体幹支持機能活性化
体幹部は地球上に発生する重力に逆らったり(抗重力)や体重を支持するため、様々な動きに耐えられるよう周辺筋肉を総動員させる必要があります。
普段あまり使われない筋肉が多くなればなるほど体幹部の体重支持や抗重力機能が衰えてしまい、その分動きは鈍くなってしまうというわけです。
アスリートであってもこうした状況は避けられません。
いつも同じ動き、例えば立位でそのスポーツ特有の動作以外あまりしないという状況は最もあってはならないことです。
そこでこうした4点支持系エクササイズ等で体幹部やそのつなぎ目(中継点)である肩甲骨・骨盤周辺の活性化が必要になってくるのです。
胴体(体幹部)の重さを4点で支える動作ですが、やり方をちょっと工夫するだけで体幹筋群が総動員され、肩甲骨や骨盤周辺筋群をしっかり働かせ関連する筋の能力を最大限に引き出すことが可能です。
ハムストリング伸展が可能
さらなる特徴としてハムストリングを伸ばしながら働かせる(伸張性収縮)ことが可能です。
筋肉にはその特徴として縮みながら働くのが得意な筋肉と、(ウェイトや体重等によって)筋が伸ばされながら働くという2つの伸縮形態があります。
前者であれば上腕二頭筋や大腿四頭筋等がそれにあたり、後者ではハムストリング(腿裏)や深部筋群のひとつである大腰筋が該当します。
ハムストリングは身体を(前方を中心とする多方向へ)移動する際に特に重要な筋肉であり、縮めるのと同等かそれ以上に伸びながら働く状況を作ることで能力を最大限に引き出すことができるのです。
「ハンドx2&フットx2」エクササイズでは骨盤前傾位維持+背中弓なり(生理的彎曲)に加え、支持している両肩をしっかりと“いれる”ことでハムストリングが張力(引っ張られる力)に対し力を発揮してくれます。
「突っ張った感じ」「伸びてる~!」感じがあるほどハムストリングのトレーニングとして有効です。
*1)但し必要以上の突っ張り感はケガの元になりますので、実施する際は専門家管理の元で行うことが肝心です。
「ハンドX2&フットX2」のやり方
以下に「ハンドX2&フットX2」のやり方を説明しています。
ハムストリングを伸ばしにくい場合は四つん這いのスタートポジションから始めてみましょう(映像後半に実施)。
30秒~1分を目安として3セット程トライしてみてください。
ハムストリングや臀部の適度な突っ張り感、肩甲骨周りや背中の適度な緊張感を感じれると良いでしょう!
期待される効果
スポーツをする際に体幹の支持機能安定化は欠かせません。
運動時の様々な動きにつられて体幹がブレにくくなり、またはブレてもすぐに元の位置に戻せる能力が高まることで、“(中心)軸”をよりイメージすることが可能です。
そしてハムストリング(腿裏の筋肉)の伸張性収縮をより引き出すことができ、素早く(大きく)力強く移動する際の推進力が高まります。
例えばピッチングを含む投球動作、ソフトボールのアンダーハンド投法等のスローイング系では前への移動(並進運動)と回旋運動の安定化により球速アップや高いボールコントロールが期待できます。
ゴルフスイングを含む打撃系やスプリント系種目においても回旋軸が安定することで打球の速さや飛距離、そして中間疾走からのスプリント力に明らかな違いが望めるでしょう。
まとめ:
トレーニングはウエイト等を利用するだけではなく、自重を上手く利用することで期待できる効果が高まります。
今回は「ハンドx2&フットx2」、またはサミットと呼ばれる4点支持系エクササイズの効果や方法について迫ってみました。
骨盤傾斜角を変える(前傾にする)ことで背筋が弓なりになり、また“肩を入れる”ことでハムストリングの伸張性収縮を引出しより筋トレの効果を引き出すことが可能です。
意外に見落とされがちな動作ですがその効果は非常に高いものがあり、コアスタビリティ(安定化)と共にスポーツ時のパフォーマンスを高める一因となる種目です。
あなたの身体機能を高める意味で是非、継続チャレンジを試みてください!(^^)!
TM鈴木