ダルビッシュ投手が右ひじのトミージョン手術をするため1年4ヶ月程休養を余儀なくされました。
その間に実施した肉体改造により多くの恩恵を受けたお蔭で投球スタイルがガラリと変わり益々力強さも身に付いたようです。
今回は業界でも静かな論争となっている野球選手の肉体改造にスポットを当てました。TM鈴木の視点でみれば注目すべきはダルビッシュ投手の腕の太さじゃありません!
Contents
常に高みを目指した成果
現時点でみればダルビッシュ投手の肉体改造は成功とみていいかもしれません。その理由は彼が手術前に思い描いた通り、いや!それ以上の球の質を身に付けられたことにあると思います。
肉体改造の大きな利点
最も大きなアドバンテージはウェイトトレーニング等によりその動作に適した姿勢を維持できるようになったことでしょう。
実は【運動に適した姿勢】というものがあり、走る・投げる・打つ・跳ぶ等の基本動作においてこの姿勢を維持できるかどうかがパフォーマンス良し悪しに大きく影響するのです。
本来スポーツは日常生活動作とはかけ離れた非日常的な動きなので日常生活でとる姿勢では到底対応できません。スポーツに適していない姿勢であればパフォーマンスは当然最大に高まらず、最悪の場合はケガも懸念されます。
この【運動に適した姿勢】をとれる日本人アスリートは多くありません。実は日本人(アスリート)は姿勢という点で非常に損をしているのです。
ダルビッシュ投手も然りでした。それがNPB時代から継続していた肉体改造の効果が徐々に現れ少しずつ【運動に適した姿勢】に変わっていきました。
MLBにきてからはその肉体改造がさらに本格的になり、肘の手術後の休養期間でその効果を驚く程高めたことは周知の事実です。
ダルビッシュ投手はTM鈴木が提唱するこの【運動に適した姿勢】を維持できるようになったのです。これは継続して行ってきた肉体改造の最大の成果といっていいでしょう。
姿勢の違い=パフォーマンスの違い
我々一般人が普段生活する際、身体の様々な部分の位置関係をいちいち気にすることはありません。気にしないから姿勢がどうなっているかについてもまったくわからない。それが普通なのです。
しかしスポーツする際はそうであってはなりません。身体を動かすにはその動きに適した姿勢というものが必要なのです。例えばアフリカアメリカ系やジャマイカ系等の黒人です。彼ら/彼女達は【運動に適した姿勢】の典型でしょう。さらにアングロサクソン系も近いものがあります。比較するとアジア系人種、特に日本人の場合は相当不利に働きます。
【運動に適した姿勢】は主に背中の筋肉を積極的に使うことができます。上背~下背~臀部~ハムといった身体の裏側のほとんどを有効活用できるため特に勢いをつけての推進はもちろんあらゆる方向に鋭い動作が可能であり、また物体に最大限の力を与えるような動作に有利に働きます。
肉体改造をする場合必ずといっていい程重りをつかったウェイト系のトレーニングが重視されますのでダルビッシュ投手もしっかり動かせるための【運動に適した姿勢】作りが可能だったと考えられます。ひらたくいえばウェイトトレーニングをしっかり行ったことで日本人特有の姿勢を黒人選手達のそれに近づける改善ができたということでしょう。
観るべきところが違う
メディアや解説者諸氏は大きな鎖を両肩に担いでいるダルビッシュ投手の腕の太さにことさら注目しますが、観るべきところがまったく違うのです(その映像を観てメディアの考えに乗っかってしまう視聴者も視聴者ですが・・・)。
1)ウェイトトレーニングによって【運動に適した姿勢】が出来上がったこと、さらに2)今まで使いずらかった(ほとんど使われなかった)筋肉をしっかりと使えるようになったことがダルビッシュ投手の投球スタイルに大改革をもたらしたのだと言えます。
例えるなら弓矢の弓をさらに後方にしかも長い時間引けるようになったようなものです。弓が身体(胴体)を、矢は腕を示します。弓である身体がしっかりと安定し矢である投球腕が最大限後方へしかも安定した動作で引かれるため、矢はとてつもない勢いを持って標的(キャッチャーミット)めがけてぶっとんでいくわけです。
仮にウェイトを使ったトレーニングがダルビッシュ投手のメインメニューであれば、その刺激により今まで使われにくかった筋肉の出力をさらに高めることで、球速や回転数に良い影響がでたのではと考えます(実際復帰後の球の回転数はMLBで4位にランクされるし、三振奪取時のウィニングショットもフォーシームがかなり増えていましたもの)。
従来の日本式トレーニングである走り込みや投げ込みだけではおそらくダルビッシュ投手が起こした驚愕の結果にはならなかったと思います。トレーニングの世界も日進月歩なのですからやはり最新の科学的な方法論についても頭に入れて、実践するしないは別としても検討する必要があるはずです。
そういった意味でダルビッシュ投手が本格的に取り組んだ肉体改造は正論として認めるべきでしょう。付け焼刃の挑戦ではなく日本でプレーしていた時代から少しずつ知識を集め且つそれを実践してきた行動力を簡単に批評することなどできるわけがありません。
まとめ:ウェイトトレーニング(肉体改造)の是非
ダルビッシュ投手が実践してきた肉体改造はしっかりとした知識を何年もかけて積み上げ実践した成果だと思います。
運動とは非日常的なもの、その力・パワー・スピード・柔軟性等日常動作とは明らかに違うのに運動時の姿勢だけは日常動作と変わらないなんてありえません。メジャーリーガーはだから身体を鍛えているんです。そりゃぁ、意識して姿勢を改善するためにウェイトトレーニングしているわけじゃないけど、結果的に運動に適した姿勢になっていますもの。
肉体改造は“ある条件”を満たせばどんどんやるべきだと思います。あのイチロー選手でさえ肉体改造はしているのですから!イチロー選手の場合、肉体改造しない“改造”をしているわけですが。
“ある条件”とはなんでしょう?
そしてイチロー選手が行ってる肉体改造しない改造とは?
詳細は次回メルマガにて!
TM鈴木