『体の使い方の妙』を理論から紐解く!ボウリングの動作特性~スコアアップのカギは4・5ステップでの荷重と体重移動~

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ボウリングとは非常に不思議な側面を持つスポーツです。

残念ながら東京オリンピックの追加種目では落選してしまいましたが、やるスポーツとしても観るスポーツとしても非常に魅力があると感じました。

中でもTM鈴木が注目するのはその動きです。

投げ方を解析していくとパフォーマンスがアップする、つまりスコアが伸びる体の使い方というのが存在するのではないかと考えました。

今回はそんなボウリングにおける動きについてプロ・アスレチックトレーナーの視点から迫ってみましょう。

観方をちょっと変えて身体の使い方を覚えるだけでもスコアアップに繋がる可能性が高いでしょう(^^)!

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TOKYO2020の追加種目候補だった

ボウリングは誰でも一度くらは経験があるんじゃないでしょうか。

それだけ身近にあるスポーツではありますが、実際はどちらかと言えばマイナースポーツと呼ばれることが多く、世間の日の目を見ることがあまりありませんでした。

日本における競技人口の履歴はなく、参加人口(過去1年間に行った人の数)だと1500万人という記録が残っているにすぎません。

日本のプロといわれる人達の数だと1100名前後(JPBA調べ)だそうです。

そんなボウリングは2020年東京オリンピックの追加種目で立候補していましたが、あえなく一次選考で落選したという経緯があります。

落選理由は「開催国で人気があるか否か」、そして「若者に普及しているか」という2点で、他の追加競技(例えばサーフィン等と比べ)その伸び率が影響したとも言われています。

ボウリングに関しては誰でも楽しめるという反面、「娯楽」という側面が強いというのが落選理由だったのかもしれません。

スローイング・シークエンス

実際にボウリングをしたことのある人ならわかりますが、あれだけの(重さ)ボールをコントロールして10ピンを一度に倒す(ストライク)というのは、かなりの難しさでしょう。

プロと言われる人達はその行為をいとも簡単にやっている!ように見えるのは私(TM鈴木)だけではないはずです。

そこには実践に裏打ちされたスローイング・シークエンス(ボールを持ってから投げ終わるまでの一連の動作:連続写真とでも言おうか・・・)があることはいうまでもありません。

実践と共にこれからは動きの体型立てや理論付けがなされ、さらなるスコアアップの進化の可能性を秘めています。

新たな流れの一端となるため、投法を分析することは非常に有用となるでしょう。

並進運動と回旋運動の妙

ボウリングの動きで特徴的なのは進行方向(ピン)へ向かう並進運動と、捻れの回旋運動が伴う点です。

実は多くのスポーツにこの並進&回旋運動が伴うことはあまり知られていません。

ゴルフ・バッティング・ピッチング等は動作の際、体を進行方向へ移動させつつ捻じる動作が入ります。

走る動作はゴールに向かって身体が移動しつつ、その移動に推進力を増大させる(スムース&ダイナミック)ために捻り(逆側の腕と脚が常に入れ替わる)動作が加わります。

仮に同側の腕と脚をほぼ同時に前方へ移動させようとすれば、体幹部の捻りが引き出されず並進の推進力しか得られないため、動きのぎこちなさと相まって恐ろしく遅い走りになってしまうでしょう。

それぞれが時間差で起こる動き、並進運動と回旋運動の妙によって、体幹・腕・脚およびそれらを連結する関節の動きに【しなり】が生まれ、運動として成立するのです。

大切なのは後半での体重移動

出典:https://www.aqsaints.com/sport/0/14.php

ゆっくりと前進(並進)しながら徐々にその力を大きく速くしつつ、体幹が時計回りに捻られて右回旋運動が大きくなります。

アドレス(ボールを保持した姿勢)からの左足(1)→右足(2)→左足(3)、そして4歩目の右足ステップ時に体重の移動が明確になります。

バックスイング、つまり投球腕を後方に振りだしてトップに位置させると同時に、第4ステップで全体重が右股関節に加わります。

これを右(R)股関節への荷重といいます。

この第4歩から最後の第5(左足)ステップ時に最大荷重(股関節に全体重がのる)が起こります。

第4→第5ステップの切り替え時に投球腕もバックスイングからフォワードスイングとなり、タイミングとしては左股関節に最も荷重が加わった瞬間にボールリリースとなるわけです。

重要なのは第4歩目から第5歩目にかけて右股関節から左股関節への体重移動の切り替えが行われるという点です。

右股関節(第4歩目)でしっかりと体重を受け止め、時計まわりの捻じり(右回旋)を大きくしながらバックスイングでトップにもっていくという流れです。

この第4ステップでの操作が安定することで次の第5ステップ(左足)へのスムースな体重移動が適うし、ボールに勢いをつけることができるのです。

最終ステップでのさらなる工夫

出典:http://www.sky-a.co.jp/category/bowling/11000110/

股関節荷重による体重の左から右へのスムースな移動もさることながら、プロともなれば最後のひと工夫で二つの相反する課題を解決しています。

ボールの勢い、つまり速い球を投げるため、そして自分の意思の働く限りの絶妙のコントロールを盛り込むための動きが最後のフィニッシュに観られます。

第5ステップは左足に全体重をのせた左(L)股関節荷重となります。

実はこの時踏み出した左(L)足を十数センチ程滑らせています。

ボウリングレーンは元々滑りやすくできています。

専用シューズもグリップ力を極端に抑えて滑るように工夫されています。

これは滑らせることにより前に行く力(並進運動)の勢いを相殺させることなく、下半身→上半身→投球腕へエネルギー(力)を移動させやすくしているからです。

また左足を少しだけ滑らせて止まる際に床反力(床から受ける反発力)を一気に溜めて、投球腕のリリースへ力を転換しています。

フィニッシュ直前のこの左足のスライド&ストップによって蓄えられたエネルギーが一気にボールに伝わり球の勢いが増大します。

さらに急激なストップがかからない分、勢いだけで腕を振ることがなくなり、(重い)ボールの遠心力をコントロールしながらスイングに繋がるため、ボールコントロールがしやすくなるのです。

フィニッシュでのエネルギー放出

ボールリリース直後はフォロースルーに向かって腕を振り上げながら、骨盤前傾が効いた形で体幹で伸び上がるような動きをしています。

投球腕を斜め前方へ振り上げるのと同時に同側の右脚を斜め後方に流すことで、ボールを投げた際に生まれた大きなエネルギーを放出(解放)し、投球腕の勢いを停めるという働きを担っています。

ボールを投げた腕の動く勢い(エネルギー)は、同側の肩甲骨周囲筋群の“いわゆる”急ブレーキだけでは中々停止させにくいため、右足を斜め後方に伸ばす動作によるサポートも加えていわば体全体でブレーキをかけ、安全にスイングの勢いを止められるようにしているというわけです。

プロボウラーが魅せるこうした一連の動作にはそのひとつひとつの動きに確たる理由があることが伺えます。

7kgにもなる重さで30km/hを超えるような球速で、しかもコントロールする(ストライクをとる)ことが如何に難しいかを示していると言えるでしょう。

シークエンス:補足

「スローイング・シークエンス」、先述の通りボールを投げる際の連続動作のことです。

プロによってはTM鈴木の見立てとは異なり、3歩目の左足ステップを最も重要視し、歩幅を広くとって並進運動の推進力に繋げたいとする考えもあるようです。

歩幅を広くとるために大切なことは以下の2点です。

①ハムストリングがしっかりと伸びる状態を維持しておく

②脚の根元を股関節ではなく、ヘソとイメージすることで機能的な歩幅を稼ぐ

仕組みを知れば自ずと手掛かりがつかめるもの

①はわかりやすいでしょう。

腿裏の筋肉(ハムストリング)の一端は坐骨(結節)に付着しています。

常識的に考えれば腿裏が伸びない(伸びにくい)という人は実質的に歩幅が広がりません。

方法はハムストリングを緩めて伸びる状態を作っておくことです。

しかし骨格筋は筋の真ん中(筋腹:きんぷく)が断面積が太く、両端に行けばいくほど細くさらに腱に移行しそれが骨に付着しています。

そしてストレッチングの効果は筋腹には全面的に、さらに筋から腱に移行する部分では一部はストレッチング効果が実証されています。

しかし問題となるのは両端にある筋腱移行部は圧によってその緩みがコントロールされているということです。

ハムストリングがしっかり伸びるようにするためにはハムストレッチングの前に、ハムの近位付着部にあたる坐骨結節付近の筋腱移行部に圧をかけて緩めておく必要があるのです。

ではハムをしっかり伸ばすための筋腱移行部への圧刺激、どういった方法があるのでしょう。

下記で紹介するのはハムストリング筋腱移行部への圧刺激です。

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ヘソから下が脚のイメージを掴む

腿裏(ハムストリング)をしっかりと伸ばすためにはストレッチングだけでなく、筋腱移行部への圧刺激がポイントなのです。

ではさらに②の『ヘソから下が脚』というイメージを掴むことで動きがどのように変化するのでしょう。

答えは骨盤の動きです。

特に腸骨という骨盤を形成する左右にある骨が同側の脚よりも一瞬先に動くことで、歩幅は自然に広がりやすくなります。

しかし骨盤を動きやすくするためには機能的前傾位の仕組みを覚え、投げる時に実践しておくことが最も有効な手段となります。

『スポーツ動作に骨盤の動き(前傾位)を取り入れるなんて・・・、そんなこと今まで聞いたこともない!』と言われそうですが、人と同じことをやっていてはトップにはなれないことも事実です。

いずれにしろあなた自身にあった身体の使い方をイメージでき、それを実践(ボウリングを含め様々なスポーツ)に落とし込んでいくことが、その世界でトップになれると考えれば、こうした新たな方法も大いに価値があるというものでしょう。

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まとめ

ボウリングと言えばスポーツというより娯楽として家族や友達と楽しむという側面がある反面、ひとつ一つの動作プロセスが非常に大切でボールをコントロールする技術と身体の使い方の妙が際立ちます。

特に重要なポイントは第4歩目と第5歩目の右(左)股関節への荷重と、右(足)から左(足)への体重移動です。

スムース且つ瞬時に荷重の移動ができれば重いボールを余分な力を加えることなく効率的なスローイングが可能となるはずです。

ボウリングも含め、その中身つまり体の動かし方を観察していくと、観る面白さが数十倍にアップします。

理論づけされた動作を身に付けることでスコアアップにも役立てることが可能で、如何に体の機能的な動きを身に付けるかがこのスポーツの勝敗を左右するポイントになるかもしれません。

TM鈴木

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