「黒人のように骨盤が前傾するトレーニングを教えてください!」という質問をよく受けます。
骨盤前傾トレーニング『かるのび~kaRuNobi~』をすれば骨盤前傾が手に入るかといえばそれは大きな誤解です!
関連する知識の蓄積や様々な実践によってその可能性が高まる!というのが正直なところであり、結果を保証するものではありません。
なぜ「骨盤前傾は一日にして成らず!」なのか?関連するボディワークやポーズを十数年実践したことで得られた【骨盤前傾マニア】の知見を紹介しましょう。
Contents
DNAに刻まれる記憶

文化を知り・生活を知ることが骨盤前傾の可能性を知る第一歩!
骨格の形態は生まれ持った先天的動作とそれに基づく生活環境に起因しており、仮に後天的に変えようとするなら、その特徴に関わる習慣を日常と関連づけなくてはなりません。
それが「動作中、骨盤前傾にする/できる」条件だと『かるのび~kaRuNobi~』を開発した者の立場から考えます。
物の拾い方ひとつさえ違う
例えば何か地面におちたものを拾おうとするとき、あなたならどういう拾い方をしますか?

日本人の典型1

ビジネスシーンだと・・・
おそらくこんな感じで下に落ちているものを拾うのではないでしょうか?
ところが黒人(アフリカ系人種)はまったく違います!

骨盤前傾とは日常動作も含めてのもの
上の画像はモノを拾っているのではありませんが、動作目的はほぼ同じです。日本人とアフリカ系人種とのモノの拾い方の違い、わかりますでしょうか?
ではこちらもみてみましょう!

頭にのっけてものを運ぶ!

頭上運搬ができる理由(わけ)とは?
骨盤が機能的に前傾しているとこういう運び方のほうが負担はないのです。
一方のアジア(日本)人はどうでしょう?

ちょっと典型的過ぎ!?当らずとも遠からず?
この違いがわかりますか?
これが体の機能性の違いです!
生まれ持った体質やその機能を変えるということは並大抵のことではなく、指示されたメニューをこなすだけで目標が達成できるであろうはずもありません!
足首か?股関節か?柔軟性の違い

正式な!?う○こすわり
日本人は背中を丸めることができますが、(ビジネスシーンでの拾い方は例外として)黒人は背中を反らすことが得意です。
おんぶが習慣化しているか?頭上運搬が楽なのか?という違いにも反映されています!
日本人は足首に柔軟性(底・背屈:つま先を自在に動かせる)があるため、和式トイレでのしゃがみ姿勢のように膝を曲げ、背中を屈めながら手を地面に近づけられます。
一部例外はあるものの黒人の多くは、膝をほぼ伸ばし腰を反らしたまま股関節を曲げて地面に手を近づけます。

特有のしゃがみ方!?
足首が硬く、しゃがみこめない黒人は代わりにハムストリング(腿裏筋)が良く伸び、股関節を十分に曲げることができるが故の日常動作です。
日本人は足関節をエンド・フィール(関節最終可動域)まで持ってこれますが、黒人は股関節でエンド・フィール(エンド・ポイントとも呼ぶ)を感じます。
前者はふくらはぎの筋肉や腰の柔軟性に優れ、後者はハムストリングやお尻の柔軟性に富むという人種的・機能的特徴があるわけです。
文化的・日常的背景を探究せよ!

そこにこそ意味がある!
世間では骨盤前傾(位)に関する様々な誤解、例えば「鍛えることで変えられるのか(否か)?」について賛否がありますが、その奥底を覗いている者として真実を述べます。
日本人の得意な姿勢や動きと黒人のそれは端から違うわけで、そのことを理解せずして専門!?と謳われるトレーニングだけをしても、望むべき結果は得られるべくもありません!
記憶の奥に刻まれた動き

雑巾がけの姿勢も日本人特有

骨盤前傾は日常動作から!
今ではまったく見かけなくなった雑巾掛けも日本人と黒人との間には大きな差が存在します。
黒人がもし専用道具なしで床を拭こうとすれば、ものを拾うのと同じように膝をほぼ伸ばし股関節のエンド・フィールで深く曲げながら、手を床に近づけて拭くはずです(上手く拭けるどうかはまた別の話)。
このように股関節を完全に曲げてハムストリングを伸ばす動作は、彼らのDNAに刻まれている記憶のひとつなのです。
黒人のこうした動きと比べ、そのDNAを持たない日本人が自然にそうした動きをできるまでにはどれほどの時間と質の高い思考や行動が必要か、賢明なあなたならおわかりでしょう。
単なる“骨盤前傾のための”トレーニングだけでは不十分で、本来なら黒人の文化的・日常的背景を知り得た上に積み上げていくべきものです。
これが15年以上にわたり「骨盤前傾」を取り巻く黒人アスリートや、日本人の状況を観てきてわかった事実です。
この事実を知っても尚、『かるのび~kaRuNobi~』を身に付けたい!競技に結びつけパフォーマンスを高めたい!というチャレンジャーがいればこちらまでご連絡を!
注)『かるのび~kaRuNobi~』に関する詳細(料金等)は以下をご参照ください!
“伸ばせる”筋肉の質

質の高い伸びのために・・・
黒人のこうした動きを可能にする身体的特徴で最も理解すべき要素のひとつが、ハムストリング(腿裏筋)の高い柔軟性と股関節の優れた可動域でしょう。
単に柔軟なのではなく、坐骨に近い筋腱移行部、通称:近位端がしっかり緩まりながら伸びる、それは日本人のストレッチ感覚にはない感性ともいえます。
黒人のハムストリングは尻の近く(筋腱移行部)から伸びるものという感覚があるのでは?
と思えてしまう程、その伸びの質は同部位を “ぼやけた” 伸ばし方しかできない日本人と比べると、大きな差があります。
ハムストリング近位端がしっかり緩まり伸びるから骨盤は(地面の平行線に対して)前傾しやすいわけで、だからこそ背中を反らしながらモノを拾えるわけです。
黒人のように骨盤前傾を維持しながら体を動かしたいなら、まずはこの “曖昧な”伸びで全体にぼやけたハムストリングの “伸び感” を、座骨に近い筋腱移行部が明らかに伸びる!という状況に変えなくてはなりません。
文化的・日常生活環境を知りさらに一歩先に進もうとするならば、こうしたひとつひとつの課題をじっくり時間をかけてクリアする辛抱強さが望まれます。
骨盤前傾はリズムをとる基本!?

ビートを刻むのと骨盤前傾には深いつながりが・・・
黒人には日常に “リズム” が存在している!
アメリカで黒人(アスリート)に接している間にTM鈴木が気づいた感覚です。
彼らは日常のどんなときにもふとした拍子にリズムを刻み、あたかも個人的に自らのアイデンティティを周りに誇示するかのように伝える能力を有しています。
ビート(打点)はみずから作り出すことも、耳に入ってくる音楽の中から識別することも可能で、いついかなる時であれ瞬時にリズムを刻めるのです。
ビートの発生源は実は前傾している骨盤ではないか?と仮説を立て、みずから様々な骨盤前傾(位)での実践を経験することで、音の中にあるビートを抽出できる耳ができ始めました。
さらにそれ以降動きの中で前傾位を意識でき、それに合わせてリズムを刻めるようになっていました。
ビートはダンスの一部ですがそれは踊れる!のとは違い、リズムを刻めるというだけです。
しかしスポーツをする上では、というか思い通りの動きをするためには、骨盤前傾の動きでこのビートを刻む能力がかなり重要です。
『かるのび~kaRuNobi~』を身に付けたいのであればリズムが刻めることが必要です!つまるところダンス:踊れるか?ということ。
さてあなたは音楽がなったら人前でそのビートに動きを合わせられますか?
できないなら(というよりリズム感もないし恥ずかしくてそんなのムリ!というなら)『かるのび~kaRuNobi~』は身に付けられないかも・・・、いいえ!そんな心配はご無用!
『かるのび~kaRuNobi~』が体に染み込む頃には「ズンツク、ツクツク、ズンツク、チャッ!」っていうビート音が聞き分けられ、骨盤がひとりでにリズムを刻んでるはずですよ!
黒人(アスリート)のノリのあるリズムと運動能力は繋がっている!そうした文化的背景にも目を向け実践することではじめて、骨盤前傾と深いところで繋がるのです。
“ローマは一日にして成らず”

その能力の源は・・・
体は正直なもので、できないことは「ノー!」とはっきり応え、その動きや姿勢にいきつくことはありません。
例え無理をしたとしてもそれが意識せずともできるレベル(自動化)に達することもなく、すぐに元の慣れた状況に戻ってしまいます。
そこでTM鈴木が考案した骨盤前傾トレーニング『かるのび~kaRuNobi~』が役立ちます!
『かるのび~kaRuNobi~』日本人でも骨盤前傾に伴う脊柱や股関節の微妙な位置・力の変化を感じとれ、動作中にその機能を維持できる身体操作法です。
骨盤前傾での歩行感覚
『かるのび~kaRuNobi~』の利点を歩行について観てみましょう!
足を前に踏み出す際は股関節より上の骨盤(腸骨)と脚を一体化させる、いわゆる「ヘソから下が脚」という感覚が強まり、腸腰筋と脚の同時スイングを体感できます。
股関節伸展位でのエンド・フィール(最終可動域)が拡大し、膝完全伸展(しっかり伸ばすこと)で、足裏を地面に長く押し続けられるようになります。
つまり一歩ごとに後方足が僅かにそこに残りやすくなり(コンマゼロ数秒程度)、それだけ足裏の地面への接地時間が長くなるというわけです。
足裏で地面を長く押し続けられると歩幅が “自然と” 広くなり、片脚立脚期の時間が長くなった分、大腰筋を働かせて体幹部を安定させなくてはなりません。
すると逆の振り出す足に勢いがつき歩幅がさらに広がる!という好循環が生まれます。
足裏で長く地面を押し続けられる分、結果的に歩幅は広がり消費カロリーは飛躍的に高まるため、運動効果という点でも良い結果を生み出します。
骨盤前傾トレーニングの誤解
骨盤前傾のためのトレーニングと称して腸腰筋強化やハムストリングの柔軟性を高めることは、ある意味正攻法とも言えますが、それだけでは様々な動作の中で骨盤前傾(位)を維持することはできません。
骨盤前傾を考えるならまずはハムストリングの緊張(筋長)を緩められること、そのためにはまず腿裏を緩めて・伸ばしましょう。
ハムストリングとの拮抗(互いに作用しあうの意)関係にあるのが大腰筋、ということはハムストリングを伸ばす・緩めるなら大腰筋も同様の働きが必要になります。
一部マスコミ等による「レッグレイズが骨盤を前傾させるトレーニング」というのは全くの誤解であり、まず「脚上げ腹筋」と表現している時点で信頼に足りません。
前傾に関わる理論や方法の誤解をひとつひとつ明らかにしていくことでしか、【骨盤前傾マニア】がおすすめする『かるのび~kaRuNobi~』を正確に広める方法はありません。
「骨盤前傾を普段から意識する」ことは間違いではないものの、正解でもありません!
日常のふとしたポーズや動きをなんの労力もなく自然に骨盤前傾ができること!そのレベルこそ身に付けるべきゴールというわけです。
まとめ:

単なるトレーニングだけでは意味がない!
誰も実践していない(できない)考え方故、+5度骨盤前傾を習得する方法(論)や学術的思考には多くの誤解が生じています。
同一動作でもDNAに記憶された仕組みや動きは人種間で異なり、単なる反復トレーニングは例え一時的には効果的であっても、目標達成には至らないでしょう。
黒人の文化的・環境的習慣にまで入り込んで初めて理解できる!それが骨盤前傾操作です!実践で “使える” 骨盤前傾を身につけることは大変な作業なのです。
簡単には身に付かない!多くの時間と労力を費やす覚悟があり、人種の背景まで探る等、着実な知識の積み上げと失敗も含む様々な実践が目標に近づく唯一の方法です。
TM鈴木

TM鈴木が【機能的】骨盤前傾位に出会うまで