日本人スプリンターが10秒の壁を破れない本当の理由に迫る~美しいフォーム・効率的な走りを追究する思考法の問題点~

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陸上の季節が始まると決まって「今年こそは・・・」の声が聞かれる男子100mの日本記録更新について、TM鈴木の想うところをちょっと解説します。

今年も10秒の壁を超えるのは正直難しいかなぁ、それがTM鈴木の率直な感想です。

1998年12月13日バンコクアジア大会で伊東浩司選手が叩き出した10秒00(追い風1.9m/h)の記録は19年たった今現在でも破られていません。

なぜこの日本記録は更新されないのか?あるいはできないのか?

その根拠となる遠因について迫ってみます。

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錯覚しすぎる選手達

「今の自分なら10秒00を切れる!」と考えるのがそもそもの間違いであり、しっかりと走力が伴った実力の体感なしに日本記録更新はむずかしいというのが実情でしょう。

そうしたミスディレクション(方向性の誤り)を起こす原因のひとつは、日本記録を期待するあまり、ある意味“吹聴”!?とも思える宣伝を続けるマスコミにも問題があると言わざるをえません。

また関係者も(もちろん経験値に基づき指導者的観点からあるいは解説の立場から喋っている人はいるのかもしれませんが・・・)マスコミの誇張にのっかってしまい「今シーズンは・・・」といった声を出さざるを得ないのかもしれませんね。

選手達はマスメディアの描く路線に乗っかってしまい散々周りに期待されたあげく、プレッシャーを受けても受けなくても9秒台は夢と消えてしまうというわけです。

マスコミ(というか世間)に躍らされない“自分”を持つことがアスリートにとってどれ程大変かということを現しているかもしれません。

特に100mのような様々な要因に左右される可能性のある種目は、如何に周りの環境に影響を受けない比類なき自信と強固な精神面の強さが求められるのではないでしょうか。

速くならない走りの現実を知らない

出典:https://goo.gl/PzFhXE

日本人スプリンターはなぜか美しい走り・美しく走ることを好む傾向にあります。

フォームが綺麗にこしたことはありませんが、走る姿が綺麗だからといって速いかと言えば、実はそうではなかったりもするのです。

課題は中間疾走からの走り

日本人はスタートから30mまでなら正直トップレベルといってもいいでしょう。

現役であれば特に山縣選手のスタートは世界でもトップ3に入ってもおかしくない程の精度と安定感があるといえます。

しかし30mからの中間疾走、特に60m以降でのトップスピードを維持する技術はかなり劣っていると言わざるを得ません。

つまり30mから中間疾走、そして50~60m以降のトップスピード区間の走力が世界と比べると全く歯が立たない状況なのです。

なぜそうなるのか?

最大の要因は疾走時の身体の使い方にあります(あくまでTM鈴木の視点で観た考え方です!)。

体幹は動くもの!?だから速い!

日本人選手の多くがそうであるように、体幹部の前後方向へブレる動きがまったくといっていい程ありません。

つまり体幹部がしならないのです。

(体幹が)一本の棒になってしまっているため、腕の振りと脚の動きに連動性が起きず勢いが付いてくれません。

いうなれば下半身、特に脚の動きだけで走っているのです。

綺麗な美しいフォームを心がけるあまり身体全身をつかえていない走りになっていることを理解できないでいるわけです。

体幹は(自然に)動くもの!

なのに、なっ!なんと動かさないようにしている!

あるいは動く能力を殺してしまっている!

TM鈴木にしてみれば『なんともったいないことか・・・』と残念でなりません。

動く体幹のイメージ

【体幹のしなり】はなんとなくイメージできるはずです。

これをみるとわかりやすいですかね!

世界一速い陸上動物(獣)はこれほどまでに体幹の【しなり】があります。

これは彼!?(彼女だったりして(・_・;))のフルスロットルではないみたいです(←どんだけ速いんだぁ~)。

簡単に言えば、10秒を余裕で切ってくる黒人スプリンターにはこの体幹の【しなり】があり、10秒をどうやっても切れない日本人スプリンターにはこうした【しなり】がないということです。

そしてさらにもう一つの特徴ですが、体幹が【しなる】ため黒人スプリンター達は足を一歩踏み出すごとに頭が前に勢い「グン」とよく出ます!

これは体幹の【しなる】動きのための身体の自然な反応であり、体幹の動きがない日本人スプリンターではほぼ起こりえない動作といってもいいでしょう。

この頸の動き、個人的に「コッコ走り」と称しています。

コッコ・・・、つまりハトやニワトリ等に鳥類が地上を走るときに観られる傾向です。

黒人スプリンターの境地

ボルト選手に至ってはこうした体幹の【しなり】がハンパじゃない程大きいのです。

彼は加えて前後方向でみると両肩の振りもこれまたハンパない程大きく振れています。

あるTV特集でこの肩の振れる原因は脊柱側弯症が原因といっていましたが、その考えには少々違和感を覚えます。

背中が捻れて曲がっているから左右に振れるという理由は、動きを観る専門家からすれば到底納得はいきません!

脊柱が曲がっていようといまいとボルト選手には肩が左右に振れる理由があるから振れるわけです。

比類なき骨盤前傾角

ボルト選手に限らず黒人スプリンターは骨盤前傾角が大きい(35°~45°)がため、走るときに骨盤が仙骨中央部を中心に大きく揺れるのです。

その揺れに呼応するため両肩も自然に振れます。

前方から観て脚を挙げる同側の腸骨(骨盤の骨を形成する一部:仙骨を挟むように付く扇場の骨)がキュッとこれまた同側の肩寄りに挙上し、同時に肩がググッと引かれて脇腹が縮むようになります。

上記動作は腸骨・肩(肩甲骨)・脇腹ともすべて同じ側で行われます。

日本人選手の臀部やハムが黒人スプリンターのそれに比べのっぺりしているのは、骨盤の傾斜角によるものです。

黒人スプリンターは真横からみても上背部や臀部、そしてハムストリングといった部分が厚みがあり盛り上がっていてその他の部分はむしろ目立たず、だから体の厚みに驚く程のメリハリがあります。

身体つきの違いもありますが、その大きな要因として骨盤の傾斜角がまったく違うのです。

ですから残念ながら日本人で黒人スプリンターのこうした走りを真似ることができる選手は今のところ見当たりません。

そもそも傾斜角が平均でも7~8°、最大だと15°以上違うのですから骨盤が動く(動かす)感覚すらわかるはずもありません。

勝負は中間疾走から

海外のスプリンターがスタートを軽視している等というつもりはありませんが、それでも100mの本当の勝負は中間疾走以降という認識は持っていても不思議ではありません。

というのもトップスピードとなり、その速度を維持できる能力が100mを制覇する大きなカギだと考えるアスリートは多いからです。

日本人スプリンターが10秒00の壁を破るためにはこの中間疾走以降でのトップスピードの維持が重要になるわけですが、まずは中盤~後半の体幹の【しなる】動きがないためにトップスピードの維持ができない現実を知ることが何よりも必要でしょう。

10’00″の壁を破る秘策は?

日本人のリアクションタイムは世界と比べてそれ程遅いというわけではありません。30mまでのスタートタイムも上位に位置しています。

問題は中間疾走からのトップスピードの維持です。

黒人スプリンター並みの動力源を得る!

これには黒人スプリンターのような体幹の【しなり】動作を生み出すための肉体改造が必要となります。

ターゲットとするのは様々な動作における骨盤前傾位の維持です。

ここが黒人スプリンターのいってみれば動力源です。

何度以上が骨盤前傾位なのかを示す明確な定義というものはありません。

骨盤前傾位に関する先行研究等、そしてTM鈴木のクライアントサービスの経験を踏まえた上でいえば前傾角20°以上を前傾位とすべきで、それ以下だと中間位と定義するほうが良いかもしれません。

骨盤前傾によっておこる脊柱の生理学的彎曲と股関節の可動域拡大を促して体幹の【しなり】動作を生む技術が必要なのです。

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アスリートは元々、骨盤・脊柱・股関節周りを鍛えてそこに荷重しても動けるように鍛えているため骨盤が前傾しやすい傾向にあります。

日本人スプリンターの骨盤傾斜角もしかりですが、TM鈴木ならさらにもっとその角度を挙げて様々な動きの中で黒人スプリンターの骨盤前傾位に近づけるようなメニューを提供するでしょう。

骨盤傾斜角は骨格形態(骨の配列)であり、関節の仕組みなのでその人が本来有する角度が決まっている先天的要素とも言われます。

しかし現代ではその先天的資質を様々なトレーニングや手法によって改善していくことも可能となってきたのです。

今の非常識は後世の常識に!

今、アスリートの骨盤の傾斜角に言及してトレーニングやプラクティスにその角度を変えて望むといったことをする指導者や選手がいるでしょうか。

そんなこと考えもしなかった!という関係者は大勢いるでしょう。

そこに目がいかないこと、昔からある走ることの常識でしか思考できないことが10秒の壁を破れない本当の原因なのだとTM鈴木は危惧しています。

新たな取り組みは様々なリスクが大きいことは確かです。

そして非常識は常識を超越し新たな世界に足を踏み入れるための大きな一歩だということを考えて欲しいのです。

【No risk! No chance】です!

No APT(Anterior Pelvic Tilt) will produce any flexible core unit movement!

リスク(骨盤前傾位)をとらなければチャンス(体幹のしなり)も生まれません!

今、記録を伸ばしたいと思うのであれば、是非この方法をこの世界で初めて試すアスリートのひとりになってみることは、あなたにとって大いなるチャレンジになるのではないでしょうか!

TM鈴木はそんなチャレンジのできる勇気と知性に満ち溢れたアスリートの出現を今か今かと待っています。

骨盤前傾位の考え方・方法・スポーツ現場への生かし方等、今あなたの持っている問題をTM鈴木のアイディアを実践していただくことで解決できるかもしれません!

是非、あなたの抱える悩みをTM鈴木にシェアさせてください!

解決の手段は必ずあります。一緒に新たな世界に脚を踏み入れましょう!

ご連絡はこちらへ!

お待ちしております!

TM鈴木

まとめ:

日本人スプリンターが20年近く破られていない100mの日本記録(10秒00)の壁を突破できない理由(わけ)についてTM鈴木の視点で迫っています。

綺麗な走り方よりまずは身体、特に体幹の【しなり】を伴った動きが中間疾走以降でのトップスピードの維持に必要な要素です。

黒人スプリンターとの比較では骨盤の前傾傾斜角度をさらに上げることが体幹の【しなり】を生み出すための解決策となり得ます。

今ある常識ではなく後世に語り継がれる非常識に目を向ける視点と新たなチャレンジに脚を踏み入れる勇気ある思考を持ち合せるアスリートの出現が待たれます。

TM鈴木

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