“遊び”がトップアスリートを育てる!?~脳の神経回路発達には“遊び”を再考せよ~

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自分の思った通りに身体を動かせないのに記録を伸ばそうとか、勝とうとするのはちょっと無理な話なのではないでしょうか?

子供を育てる立場になっている最近はそういったことをより一層考えるようになりました。

なぜなら日本では型を指導することは非常に優れている(と思われている)ものの、その前段階に視点がいかないように思うからです。

特に日本のスポーツ現場で体験する指導はその傾向が強いように思います。

今回はそんな日本の事情を探ってみます。

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指導について再考

日本は伝統的!?といってもいいくらい形式とか型を重んじる指導が主流です。スポーツの種目いかんにかかわらず指導者はこれでもかというくらい親身にそして情熱を持って教えてくれます。

それは一般的にいえば決して悪いことではありません。多くの場合スポーツ指導はそれをやる人達だけで完結するものではありませんし、周りにいる人達が教えない限りそのスポーツとして成り立たないことも現実です。

“コーチング”と”ティーチング”の違い

良く耳にする言葉、“コーチング”と“ティーチング”、どちらも『指導する』という意味では同じですが、その使われ方は微妙に違います。コーチングは相手の心の中から答えを導きだすこと、ティーチングは相手に答えを伝えることと言われます。

ティーチングの場合、話の主導権は教える側が握っています。教えられる側、例えば子供はその分野で知識や経験が乏しいため主にルールやノウハウを指導されます。学校教育はこのティーチングが主流となります。

ティーチングで気を付けることは5W1Hを具体的に相手に理解させることです。特に「なぜ?」と「どのように?」の部分を子供がしっかりと理解できる工夫が必要です。また子供がきちんと理解できているのかを毎回確認する必要があります。

ともすれば上から押しつけるような指導をしていた昔の教育システムですが、代々受け継がれてその指導法が現在も残っているということはよく聞く話です。

コーチングとは

コーチングはどちらかと言えばビジネスの世界で発展した指導法です。ビジネスでは上司が部下を指導する際、上から押しつける指導法ではなく、部下の能力を最大限に引き出すことのほうが仕事の能率が高まり、結果(売上)を出しやすいからです。

ゴールは指導を受ける側の中にあると考えるのがコーチングの中心です。それは例え子供に対する指導であっても変わることはありません。子供に無理やりゴール(目標)を押し付けるのではなく子供の内面からゴールを導きだし達成までを支援します。

子供に対するコーチングで大切な3つのポイントを以下に示します。

①相手の自発的な考えや行動を促すための方法を確立する

指導者自らが質問をするよりも子供が質問をしたくなる環境をつくることが大切です。

②相手と一緒になって同じ動作、同じ行動をとること

可能な限り一緒にプレーを楽しむことを目標にすると良いでしょう。

一緒に走る・泳ぐ・キャッチボールする等です。

③相手を常に自分の仲間(友達・家族)と認め接すること

子供のことを認める、しっかりと目を見て話すこと。

また同じ目線で話したり日々の変化に気づいたらそれを伝えること等です。

子供の仕事って何?

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子供の仕事ってなんだかわかりますか?

この質問を投げかけても答えを何十秒か後に教えるのがティーチングであり実例を通して学ぶのがコーチングです。

答えは「遊ぶ・食べる・寝る」この3つです。

特に「遊ぶ」ことは非常に大切です。遊びは子供の柔軟な発想を一層豊かにしてくれます。「遊ぶ」ことでお腹も減って「食べる」ことの価値も高まるし、お腹が一杯になれば「寝る」ことの大切さを日々の生活を通して知ることができます。

子供にとっては1年365日の生活が“練習”そのものなのです。

遊びが子供の発達を促す

遊び

身体を動かすことは頭(脳)を動かすことにも繋がります。現在はスポーツをすることが脳の電気信号の活性化を促すことは常識的な話です。

「教えないこと」が教えること

例えば水泳です。水泳も平泳ぎやクロールはこうやって泳ぐんだよ!と時々お父さんやお母さんがお子さんについ泳ぎ方を教えてしまいますが、それはどうかなと思います。

もちろんその親各々の考え方もあるでしょうが子供の時分はやはり遊びを通して子供と接することが必要だと考えます。

それは例え選手(育成)コースに入って本格的にスイミングを習っている段階であったとしても変わりありません。子供は子供、子供としてのメンタリティーに変わりはないのです。

選手コースでは泳ぎを習ったとしても他の時間はいわゆる“遊び”に使うことが必要だとTM鈴木は考えます。

「教えない」という指導法が子供が成長する“肝(きも)”になることを認識してほしいと思っています。

Mocchiのケース

現在、TM鈴木の娘、Mocchiは○○○スポーツでスイミングを習っています。けっこう長いことスイミング通っていますが未だにカニさんクラスです(^^;)つまりほとんど進級できていません。各クラスでの課題をほとんどこなせない(汗)ため、結局は毎回進級が見送られます。

しかしTM鈴木はまったく焦りとか進級してほしい!なんて考えることはありません。むしろMocchiがスイミングを楽しんでくれていることが大切で現に今、彼女は他の誰よりも水と戯れることを楽しんでいるため安心しています。

来年の8月には5歳になりますが、選手コース(もしあれば、あるいは誘われた時)にいくとかいかないとかいうより、まず【水と戯れる】遊びの時間を最優先で確保することのほうがそういった育成コースに入ることよりも絶対的に重要だと考えています。

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遊びを通して得られること

鬼ごっこ

最も大切なことは陸上であろうが水中であろうが思い切り“遊ぶ”ことではないでしょうか。その中で自分の思い通りに体を動かせることを自然に体得できれば申し分ないでしょう。

スイミングであれば例えカニさんクラスであろうと育成コースに入っていようと関係ありません。水中で自分の思った通りに身体を動かせることが後々に速くなる秘訣だとTM鈴木は考えています。

例えばあなたは

・水の中で前後回転が自在にできますか?

・競泳は前(頭の方向)に進みますが後方(脚の方向)に進めますか?

・身体を真っ直ぐに伸ばしたまま時計回り(逆回り)にクルックルと回転できますか?

子供達はそういった遊びを通して身体の使い方をマスターしていきます。それは走る技術やボールを投げたり打ったりする技術もしかりです!遊ぶ中で「なぜできないのだろ?」という疑問が少しずつ生まれ、それが堰を切ったようにアウトプットされるとき、自分の中で初めて疑問という概念が浮かぶのです。

子どものそういった感覚を出させることこそコーチングの本質ではないでしょうか。例えば運動に対する感性を磨くことはスポーツ上達を含めあらゆる分野で成功する重要な要素です。

技術を教えるならその教えようとする動きに対応した基本的な身体の使い方が遊びを通じてできるようにしてあげること、それが本格的な運動をするための前提条件だと考えます。

ゴールデンエイジ(理論)の疑問

ゴールデンエイジ

アメリカの医学者・人類学者であるスキャモンが描いた『スキャモンの発育・発達曲線』というのがあります。20歳時の発達を100%として4つの型(一般系・リンパ系・神経系・生殖系)の発育・発達具合を示した曲線です。

特に神経系の発達は5歳までに80%が完成し、12歳までに100%が完成すると言われています。脳の(運動)神経回路は1度繋がると消えることはありません。自転車の乗り方を一度覚えればその後何年乗らなくても乗り方を忘れることがないのはこのためともいわれています。

二つの考え方が示すもの

1990年代初頭のサッカーJリーグ創設期にサッカー人口の底辺層拡大とジュニア層の育成という観点から、サッカー協会が5~8歳までをプレゴールデンエイジ、8~12歳頃までをゴールデンエイジと称したのがゴールデンエイジ(理論)の始まりと言われています。

『一生に一度だけ訪れる、あらゆる物事を短時間で覚えることのできる「即座の習得」を備えた時期(ゴールデンエイジ/Golden Age)』

出典:http://juniorski.blog88.fc2.com/blog-entry-181.html

ゴールデンエイジ理論の考え方は日本サッカー協会の指導書に記載されているということです。

この理論やスキャモン発育曲線についてどうのこうのいうつもりはありません。捉え方も人それぞれでいいと思います。

ただ個人的にこの二つの考え方が絶対に当てはまるかと言えばそうではありません。人の身体の仕組みは頭の中で完結する程単純ではないのです。

こだわらない考え方

仮に『あらゆる物事を短時間で覚えることのできる「即座の習得」を備えた時期』がゴールデンエイジというのであれば、その幅は各個人によってまちまちであり必ずしも8~12歳に該当しない可能性もあることを考えておくべきでしょう。

つまりスキャモンの曲線から導き出されたとされるゴールデンエイジ理論が5~12歳に当てはまるからといってその時に無理やり何か特定のスポーツをやらせる必要はないということです。

子供がやりたいならばやらせる、やりたくないならばまずは子供と一緒に身体を動かす、“遊ぶ”ことを主としてやってみてもいいと考えます。

競技人口の底辺層が拡大した現代のJリーグ等、小学校高学年の時期から高度な技能を指導するクラブもありますが、少なくとも自分の子供にはやらせないでしょうし、そんな組織にはいれないでしょう。それ程若年層から組織論を並べ立て大層な技術を教える必要がどこにあるのか、TM鈴木は大いに疑問に思います。

真のゴールデンエイジとは

ここからはTM鈴木独自のゴールデンエイジ理論を紹介します。

少なくとも中学までは様々な“遊び”を通じて身体を自由に動かせる基礎を作ります。地上でも水中でも自分の思った通りに身体が動くようにするというわけですね。

歩く・走る・後ろ向き(横向き)に駆ける・木登りする・登り棒やうんていをする、鬼ごっこで走り回る等。少し大きくなれば遊びに一層の技術が要求されます。例えば壁(岩)登り、スキー、スイミング、波乗り、カヌー、山歩き等々。

坂道を後ろ向きに登ったり下ったりするだけでも神経回路は発達しますし、雪山をスキーで滑るのではなく脚で登っていけばそれだけでも違ったトレーニングになるのです。普段している動きにちょっとした変化や工夫を加えるだけでそれは身体(神経)の発達にとって良い意味での刺激となることを認識する必要があるでしょう。

普段の日常生活でも考え方ひとつで脳の神経回路も発達することが十分できるでしょうし、そのためにも子供との“遊び”を疎かにせずに毎日を過ごしてほしいものですね^^

まとめ:遊びがトップアスリートを育てる

バンザーイ

・“遊ぶ”ことは子供の生理学的成長にとって最も大切な要素です

・“遊ぶ”ことはトップアスリート育成の初期段階における必須の要素です

・ゴールデンエイジ理論が全てではない!

 年齢を問わず個人的な成長の差異により神経回路が発達する

・日常の動きにちょっとした工夫を加えることで脳への刺激が驚く程増える

 それは子供の成長にとって欠かせない“刺激”となる

お子さんと一緒に遊ぶ際には是非ご一考を!

TM鈴木

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