オリンピック4連覇女王伊調馨さん・箱根駅伝3連覇原晋監督:2人の共通点に見え隠れするもの!

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伊調馨さん、今は選手というよりいち個人でしょうか。だから「さん」という敬称でよばせていただきます。

そして原晋監督、こちらはお正月の風物詩にはなくてはならない行事で「監督」として名を馳せている方です。

どちらも超有名人であり大きな功を成し遂げた方々です。種目も立ち位置も違うお二人ですが、そのスタイルや考えかtあにはある共通点が見え隠れしています。

今回はそんなお二人の共通項に関し人物像を追いながら迫ってみました。

女王としての引き際や未来を見据えた考え、そして陸上界を改革するためにとった異端児の考えや行動をみていきましょう。

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どんな人達?

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お二人とも数々の功を成し遂げた人達であり、その人物像は試合やレースを通して多少なりとも伝わっています。しかし実際に間近でその人となりをみているわけではありませんから、また違った一面ももちろんたくさんあるのかもしれませんね。

伊調馨さんの人物像

言わずと知れたオリンピックレスリング女子個人4連覇チャンピオンです。2016年には国民栄誉賞も受賞した超のつく凄い選手、いや!女性です。

実は伊調選手、56kg級だった時代もありその時のライバルが2歳年上の吉田沙保里選手でした。高校時代は吉田選手との試合では苦戦したこともあり、63kg級に階級を上げるよう当時の監督から指示を受け渋々承諾したそうですが、これが結果的によかったとのこと。

その後はご承知の通り無敵の存在となった伊調選手、オリンピックでは4連覇ともうやりきった感もあり現在は現役を引退か東京オリンピックへ向かうのかの岐路を決めかねているといった状態です。

東北出身(青森県)ということもあり非常に芯がしっかりしていて辛抱強く物事を突き詰めるタイプといった印象です。レスリングスタイルも自分が納得した試合でなければ喜ぶこともありません。現にリオの決勝は大いに不満だったようでお正月特番で放送されたあるTV番組で初めて自分の決勝戦(リオ)を観たといっていました。

それ程リオの決勝は納得がいかなかったようでラストチャンスでバックにまわったところで倒したかったけど倒れなかった。だから勝利したけど笑えない!納得がいかない!と本人談でした。

原晋監督の人物像

こちらは先頃青山学院大学を箱根駅伝3連覇に導いた名将!と言ってもいいくらいの監督です。サラリーマン(中国電力)から母校(中京大学)ではなく青山学院大学という縁もゆかりもない陸上部の監督に転身。

この時2004年、自身は「箱根駅伝に3年で出場、5年でシード権、10年で優勝争い」と宣言したがその道のりは険しく、結局2009年に33年振りとなる久々の出場を果たした。その後2010年には8位に躍進し念願のシード権獲得がかないました。

その後青学は順調に躍進を遂げ2015年、2016年、そして2017年の箱根と3連覇を達成しました。実は2016年の出雲大学駅伝と同年全日本大学駅伝も制していることから大学駅伝三冠を達成してもいるわけです。

自称「伝説の営業マン」と呼ぶ程、中国電力での仕事は順調だったようです。実際には営業成績は常にトップでその基礎が青学での選手育成やスカウティングに役立っているのでしょう。箱根三連覇の原動力は中国電力での営業活動で養われたといっても過言ではないようです。

勝利への姿勢

青学

伊調さんも原監督も勝利には並々ならぬ意欲があります。“貪欲さ”といってもいいかもしれません。なぜ勝利に対してそれ程エネルギーを使えるのだろうか?と思われる程の力の入れ方で、それは他の人たちには真似のできない程のパワーかもしれません。

伊調さんの場合

ライバル関係にある吉田沙保里さんがそうであるように伊調さんも負けず劣らずの練習の虫だそうです。その時間や量はまさしく“ハンパない”程、ライバル選手達が呆れ返るほどの練習量と質は他の追随を許さず、結果は試合で十分跳ね返ってきました。

連勝記録は2014年の世界選手権まで172連勝、2014年からは25戦連続無失点を記録しています。2016年1月29日にロシアで行われたヤリギン国際大会決勝で、モンゴルのオーコン・プレブドルジに0-10の大差でテクニカルフォール負けを喫し、189連勝でその記録はストップしましたが、常に勝利を獲得しようと努力するその様は観る者に感動さえ与える程でした。

原監督の場合

原監督は伊調選手とは対照的に中々勝ちに恵まれませんでした。青学が駅伝と名のつく大会で初優勝を遂げたのは2012年の出雲駅伝です。監督就任から実に8年の歳月を要しています。

実は当時強豪校ではない青学には良い選手(高校で名を馳せるエリートランナー)等が入学してくるはずもなく、選手のスカウティングにはほとほと手を焼いたそうです。しかし幸運だったのは母校である世羅高校(広島:高校駅伝の名門校)と出身大学の系列校である中京大中京からは継続的に良い選手が入ってきたそうです。

2015年の箱根駅伝からはその勝利への探究心が開花しご承知の通り大学駅伝三冠や箱根3連覇と数々の偉業を成し遂げ、東京オリンピックでは教え子をメダリストにするという目標も掲げています。

学生を強くする“仕掛け”をあらゆるところに配置し学生が自ら進んでその道を探し求める工夫を日常生活や練習に取り入れているそうです。監督は青学の駅伝チームを『指示待ち集団ではなく考える集団にしたかった』と言っています。お蔭で選手達は監督の指示で動くのではなく、自分たちで考え実行する集団に生まれ変わりました。

変わった人達

レスリング

お二人には『変わった人!』という共通項があるように感じました。でもいったいどこが変わっているのでしょうか?そして変わっていることはどういった点で各々の“仕事”に成果をもたらすことができたのでしょうか?

頑固な伊調さん

選手として現場で物事を突き詰めることを良しとする伊調選手。だから自分が納得するまでは梃子(てこ)でも動かない。よく言えば頑固、悪く言えば我儘(わがまま)、まあ我儘というより理論的に辻褄があえば自らやろうとする性格なのでしょうけど。。。

練習でも試合でも理論を構築してその先にゴールがあると考え努力を重ねていきます。本人は努力だとは思ってない、それはつまり自分の好きな仕事であると考えているかのようです。好きなことだから誰に命令されるでもなく自ら積極的に取り組む、だから強いという図式が成り立つのでしょう。

あえて言わせてもらうとレスリングを極めんとする求道者といったところでしょうか。これだ!と覚悟を決めたら一切の妥協なく真理(勝利)に向かって突き進むその姿は芯の強い女性としての価値をも高めているように見えます。

その性格はレスリングだけでなく、他の行動にも現れているようです。TVは観るのはいいけど自分が出演するのは嫌い!とキッパリ言い放つところも彼女の性格を表しています。「TVは拘束時間がながいから!」とはっきりと物をいい放ちます。

こういった性格や行動がある意味「変わった人」と見られる原因なのかもしれません。その実、最近の伊調さんはとても優しさのある愛らしい女性に変身してきました。おそらくレスリングを通した日常生活に対する考え方が徐々に変わってきたのかもしれません。

レスリング以外への興味が湧き少しずつ別の経験を通して様々なことを学んでいる最中なのでしょう。多くの人との出会いを通してより魅力溢れる人物像が見て取れます。

レスリング子供達

改革の原監督

原監督はその思考・考え方が他の陸上の指導者とは大きく異なると言われています。監督就任時に旧態依然とした指導者たちの上から抑えつけるような指導や必要もない先輩・後輩の序列がまかり通っていたことを『これはいかん!』と大いなる懸念を抱いたそうです。

また自身の学生時代にも先輩・後輩といったスポーツ界のしきたりに疑問を持ち自らが最上級生の時にはその常識をぶっ壊した!(本人談)と語っています。原監督にとっては至極当然のことなのにそうしたしきたりや練習方法について何も疑問を持たない陸上界に不信感を持ったそうです。

だから2016年の東京マラソンに秘蔵っ子である下田裕太選手を出場させ日本勢2位と健闘した若きランナーを「伸びしろは200%あるからリオ五輪代表にすべきだ!」といった発言で物議を醸しだしたりもするのでしょう。

箱根をひとつ獲るだけでも大変なことなのに、それを3年連続で連覇ししかも今シーズンは大学駅伝大会(出雲・全日本・箱根)三冠を獲得している指導者の発言力が弱いはずはありません。

原監督は一見日本の陸上界に物申している!ように見えますが(実際はその通りですが)、それはきちんとした計画の元で行っているように見えるのです。つまり発言力のある人物が現場を挑発し、見事その挑発に乗ってかっちゃってるのが今の陸上界やマスコミなのです。

メディア含め、陸上関係者は原監督の発言や物言いに対しものすごく敏感になっています。それは今迄の陸上界に蔓延っていた古いしきたりや練習(方法)等を原監督が次々とぶち壊しているからです。今までの自分の指導法や考え方を真っ向から否定されているといっても過言ではない状況です。焦らないはずがありませんよね!

種目もそのスタイルも違う二人

未来を見据える

伊調さんが東京オリンピックに出場するかどうかはまだまだわかりません。本人は五分五分といった曖昧な表現でお茶を濁していますが果してどうなりますか。。。

一方、原監督は自身の発信力をさらに強めメディアやファンをコントロールしこのままの発言力を維持して陸上界を改革することができるのでしょうか?

伊調さんの今後

オリンピックを4連覇もすれば当たり前のことですがオーラが違います。練習でも試合でも伊調選手が発する独特の“その雰囲気”に圧倒されて敗者となった選手は数知れず。しかし逆にその威光は今後、伊調選手にとってはマイナスに働くのではないかと危惧します。

誰もが自分に対し遠慮する環境からは人の成長は生まれないとTM鈴木は考えます。今の伊調選手にとってマットの上が最も輝く場だとは思えません。むしろ選手としてのキャリアよりさらに大きな「人生の目標」がでてくるのではないかと今の穏やかな生活からはそんな状況に事が運びそうな気配です。

本人が奥さんにもママにもなりたいし、指導者にもなりたりと望んでいることもあり、引き際の選択をいつするのかにも注目が集まります。4つのオリンピック金メダルの雰囲気を違う現場で違った立場で放ってくれることがさらに彼女を成熟させる術ではないでしょうか。

原監督の今後

箱根3連覇や大学駅伝3冠は並大抵のことでは達成できません。原監督含め奥様の影のご尽力も相当なものだったはず。目標を設定しそれを達成することの価値やその過程等、監督から学ぶべきものは沢山あるはずです。

日本の陸上界も考え方や指導法を見直す時期に来ているのではないでしょうか。とある著名なランナーが原監督に「東京マラソンはたまたま成功したかもしれないが、ほぼマラソン未経験のランナーを五輪に推すとは・・・。駅伝では結果を出したけどマラソンには口をださないでほしい」と言っていました。

これが陸上界の現実でしょう。そのランナーも実業団に属さずひとりでマラソンに挑戦しているいわば改革推進派なのかと思っていたのですが。

しかしいくら日本で結果をだそうとも世界で勝つには今の原監督の考え方だけでは不十分でしょう。更に今の陸上界なら尚更無理と言わざるをえません。それほど世界は高速化しスピードを自在に切り替えられる万能のランナー全盛の時代です。

彼らと現状の日本のトップとでは身体の作りがまったく違っています。速く走る【身体の仕組み】が備わっていない現状では勝てるはずもありません。いくら高地トレーニングを積もうが、いくら科学分析で優位に立とうがアフリカ勢やアフリカ系人種のあの【身体の仕組み】を理解した上で対策を立てない限りは難しいでしょう。

原監督には是非、今より先の斬新的な、そしてある意味非常識な視点で物事を捉えていってほしいと願っています。

『今ある【非常識】は未来の【常識】!』を地で行く指導が日本の陸上界を変えていく術とならんことを願っています!

TM鈴木

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