効率的な動作に最も必要な要素~柔軟性と・・・~

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プロ野球では群を抜く球速、これはご存じ大谷投手のことですね。
ちまたでは二刀流、バッティングもピッチングも最高レベルの素質を持っていることからの呼び名ですが、近い将来どんな大物になるのでしょう。
彼の身体のサイズはアスリートとしても日本人離れしていますし、身のこなしも一流のようで(聞くところによれば)、多くの有識者が将来球速が170km/hを超えるのではないかと言っています。
つまり、楽しみはこれからどんどん広がっていくということですね。
ところでとある番組で大谷選手が行っていたストレッチ・・・
彼は両手の背側を腸骨(腰の両脇にある骨)に当てた状態で直角に曲げた肘をググーッと前側にもってくるのですが、その肘が左右とも完全に前方を向いていました。
 
かっちは同じことを息子さんにお願い「ちょっとやってよ!」してやってもらったら・・・。
子供でも中々できませんよね。
彼のこのストレッチを見てメディアはこぞって肩がものすごく柔らかいという情報を流していました(もちろん実際には裏を取ってあるのでしょうが・・・:つまり関係者から大谷選手の関節が柔らかいという)
この点についてTM鈴木はちと疑問に思ったことがあります。
このポーズ(ストレッチ)ができるから肩(まわり)が柔らかいのであれば、どこの筋肉がどのように伸びているのか、それをわかれば投げる動作にどのように生かせるのかもさらに理解が深まるのではないかと・・・。
まあ、メディアとしては放送枠(与えられた時間)や紙面の関係ももちろんあるからそんな長々と述べてはいられないのでしょう。
大谷選手が行ったこのストレッチ、実はやってみると、そして慣れていないと肩のあたりが攣りそうになります。
それだけ肩関節まわりへのストレス(張力=引っ張られる力に対抗しようとする動き)が大きいということなのでしょう。
ところで人の動きを観察する場合、3方向から見ることが基本です。
つまり前(前後方向)、横(左右)、上(上下)、これで人間の動きを立体的に観察することができます。
このストレッチを腕の動きで見てみると・・・、
1.外転(前からみて腕が45°横に挙がる)
2.屈曲(横から見て腕が前側に挙がる)
3.水平外転(上からみて腕が肩より前方に位置する)
さらに上腕の長軸(肘の先端から肩の先端にかけて骨の中心部を縦に突き抜ける)方向への動きを加えて・・・
4.内旋(腕を内側に捻る:回旋)
さらに肩甲骨の動きを加えると・・・
5.肩甲骨の外転(前外方向へスライドする:背骨から離れていく)+多少の上方回旋
といったかんじで少なくとも肩関節を中心に腕、肩甲骨の複雑な動きで成り立っています。
しかも大谷選手はこのストレッチングで両肘が前側でくっつきそうなくらい近づきます。肩を多少挙げて両腕を最大限内側に捻ると同時に肩甲骨を最大限前側に移動させているのです。
こんな無理な動作は確かに肩関節の大きな可動域(関節の動く範囲)と周囲筋群の柔軟性がなければできるものではありません。
ひとつ大切なことは・・・、
柔軟性とは筋肉(骨に付着する筋:骨格筋)と腱(けん)が伸びる能力と定義されますが、関節の可動域(動く範囲)も同時に大切な要素となってきます。
つまりお大谷選手は筋肉や腱の伸びる(縮む)能力はもちろんのこと、肩や肩甲骨、そして肘関節の可動域も同様に非常に高いことが伺えます。
これはアスリートの能力として非常に大切な要素のひとつといえるでしょう。
なぜなら物体に勢いを伝える(例えば投球などのオーバーヘッド動作、ゴルフなどのスイング系動作)場合、ボールを持つ手やクラブの先端がからだよりも遅れれば遅れる程スピードはアップするのですから!
これがいわゆる腕が“しなる”、“ムチの動作”です。
腕を振る際にもあれだけの内旋(内側に捻る)や肩甲骨の最大外転が可能なことも彼の球速に拍車をかけているといっていいでしょう。
肩甲骨が最大外転するということはより打者に近いところでボールをリリースできます(それだけ投げる距離が短くなる)。単に腕が長いからバッターに近い位置でリリースできるかということではなわけです。
大谷選手の投球で腕をよ~く見ていればわかります。 ボールを持つ手が身体よりもかなり遅れてでてくるのがわかります。
そしてこれこそが身体の機能(柔軟性や関節可動域)を最大限利用した最も効率性の高い(であろう)投げ方だといえるでしょう。
だから彼の投げ方は実に美しい!
ギスギス・ギコギコ・ガクガクしていないし無駄がないわけです。
大谷選手の今後が楽しみなのはこういった身体の機能を十二分に使い効率的な動作を可能にする能力がある。
少なくともTM鈴木はそう思っています。
が、しかし・・・
170km/h超えはどうかなぁ・・・
それはまた別のはなし
TM鈴木

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